松代の駅から直線距離で5キロ程。国道403号線を少し北に入った傾斜地に立つ。周囲には数軒の農家が立つが、本当に街から離れた集落の中の一軒である。
農家(ただし、とうふやと呼ばれたらしい)が空き家となり、そこに彫刻刀で一削りずつ、丹念な仕事であり、まるで力の入ったエッチングを思わせる仕事量なのだが、でき上がりの印象はまるで異なる。
なんだか彫刻刀の跡が生き物の集団となって、足元からそこらじゅうを動き出しているような、実に嫌な皮膚感覚を感じる。同時に、アルコールに関して、多少問題があったのではないかと反省する。
しかし、このプロジェクトは容赦ない。
立ちあがった視線からも、ビシビシ感じるものがある。
障子を開けると、足元からワーンという羽音が、響いてくる。それどころか、柱にまで這い上ってきている。
いや、それは間違いだ。虫などいる筈はない、と思っても一歩を踏み出す勇気がなかなか出てこない。
この家では宿泊も可能だそうだが、よほど精神的にタフでないと勧められない。
農家(ただし、とうふやと呼ばれたらしい)が空き家となり、そこに彫刻刀で一削りずつ、丹念な仕事であり、まるで力の入ったエッチングを思わせる仕事量なのだが、でき上がりの印象はまるで異なる。
なんだか彫刻刀の跡が生き物の集団となって、足元からそこらじゅうを動き出しているような、実に嫌な皮膚感覚を感じる。同時に、アルコールに関して、多少問題があったのではないかと反省する。
しかし、このプロジェクトは容赦ない。
立ちあがった視線からも、ビシビシ感じるものがある。
障子を開けると、足元からワーンという羽音が、響いてくる。それどころか、柱にまで這い上ってきている。
いや、それは間違いだ。虫などいる筈はない、と思っても一歩を踏み出す勇気がなかなか出てこない。
この家では宿泊も可能だそうだが、よほど精神的にタフでないと勧められない。