ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

『カオス レギオン』

2007-06-05 | 読書
主人公は
ただひとこと 
「否。」 
と返事をした。

私は噴き出した。

息子からのメールの
「諾。」
「否。」
「肯定。」
「否定。」
という チョー短い返事は、これのマネだったのか?




今年のテーマカラー、純白のアリッサムの中から 
今年の純白のビオラが こぼれ種から芽を出した。
きょうのこぼれ種シリーズは、先月始めに撮影したアリッサムを見てね。






『カオス レギオン』。

(冲方 丁(うぶかた とう、と読む)著、富士見書房、
 富士見ファンタジア文庫→こんなの

息子が貸してくれたから、これは読まなくちゃ、と思えて。

ファンタジア文庫。

そう、息子は 誰に似たのか? ファンタジーが大好き。

この本にも ピーターパンの ティンカーベルみたいなのが出てきて、
とっても可愛い。

(でも この妖精は ゲームには不向きだったようだ。)

文庫本だから、出かける時に もう一冊、と カバンに放り込める。

同じ言い回しが出てきて ひどく興ざめだったりはするが
物語の構成はまあまあで
楽しく読める。



主人公は ジーク・ヴァールハイト、
黒印騎士団(シュワルツ・リッター、と読む)と呼ばれている
赤い髪の男(の子)。

たったひとりなのに 騎士団とは、これいかに?

彼がしょっている銀色のシャベルには
彼の元同僚の騎士たちの魂が入っている(らしい)。

ジークの左手に 白熱する雷花が咲き乱れ、
にわかに迸る(ほとばしる、と読む)稲妻の奔流とともに、
辺りに風が吹き荒び、
ジークの口から 烈声が迸る。

「ジーク・ヴァールハイトが 解き放つ!」

すると 銀色のシャベルに変身?していた騎士たちの魂が
水銀のように溶けて飛び散り、
 
シャベルの中から 銀に光る剣が現れ、その柄をジークが握り締める。

飛び散った銀の輝きは 
禍々しい(まがまがしい、と読む)姿となって
凶悪な咆哮を上げる。

つまり、シャベルになっちゃった昔の仲間(凄魔;ギルドと読む)と合わせて、
「騎士団」なのだ。

まあ、笑っちゃうくらい、オドロオドロシイ雰囲気を造り上げようとしていて
それはもう ものすごく大げさというか ド派手というか ご大層というか、

もう、とにかく、た~~~いへん!なのだ(笑)。

だからなのか、
この小説が 雑誌(月刊ドラゴンマガジン)に連載開始後まもなく
カプコンがゲームにした(→こんなの

なるほど、これはゲームだ。




去年のテーマカラーのクリーム色のアリッサムにクリーム色のビオラ。
仲良しだったんだね。






たとえば、最近読了した『カオス レギオン 04――天路哀憧篇』では。

ジークが 左手を地面に叩きつける時のセリフ。

「無念の魂よ!

 海刻星(ネプトウーニ、と読む)の連なりの下、
 迅魔オウディウムとなりて 我が敵に走れ!」p93



「悲憤の魂よ!

 地刻星(アーノス、と読む)の連なりの下、
 厳魔ヘイトレッドとなりて 我が敵を払え!」p156



「水刻星の連なりの下、凄魔ギルトとなりて 我が敵に見せしめよ!」p238



そして 「山羊座の陣!(ハナエル、と読む)」、
「蠍座の陣!(バルビエル、と読む)」、
などと指令を出している(らしい)。



ゲームだよね~。

そんなことより、難しいよね~。

ジークは騎士になるために 幼い頃から訓練したというけれど
これは相当、言葉の勉強もしたねえ。。




うっすら赤紫色のアリッサム。いったい何年前のこぼれ種?



感心なことに、バトルが終了した後、(もちろん 主人公は必ず勝つ!)
ジークは必ず この銀のシャベルで 死者を埋葬するのだ。

大勢の敵を倒すけれど、

死者の魂の声を聞くことができる、という特技(?)を生かして
死者のひとりひとりの 宗教や出身地の習慣に従って
埋葬してくれるのだ。

優しい! というか、丁寧!

何百人も死んでそうなのに、あっという間に穴を掘ってしまう。

きっと 怪力で 穴を掘るのが上手で
そのうえ シャベルの機能も優れているのに違いない。

(そういえば 鳥葬・風葬・火葬は出てこなかったような気がする。

 場所は ヨーロッパの、ゲルマン系の言語の地域なんだ、きっと!;笑)



この「天路哀憧篇」には

死と苦しみに 真実を見ようとするのは 根源を見ようとする試みだ、
というセリフが出てくる。

「死は、生命がどこへ行くのかを暗示してくれる。

 死と苦しみに触れた時・・・・・・
 生命の源に・・・・・・
 一瞬だけ、手が届く気がするんだろう。」



これはジークではなくて レオニスという少年のセリフなのだが

「死」というものと「生命」というものとが

類似しているというか

延長線上にあるというか

同時には味わえないけれど、一緒、というか

「死」と「生命」とは 仲良し、というか

「死ぬこと」と「生きること」はおんなじ、
という私の感覚と共通したものを感じて

ちょっと嬉しかった。


2 コメント

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ジョルジュさん ()
2007-06-07 18:40:46
こんばんは、最近本もろくに読んでないですが、こういう若者向け?の本はなさら読んでないと言うか、読んでも私には理解できないだろうなあと思いながら、何度もジョルジュさんの文章を読み直しています(涙)漢字難しいねえ。私だったら読みながら何度も確認しなければ理解できないでしょうね(涙)ジョルジュさんはすらすらと頭の中に入ってくるんですか。それと私は車のなかで本を読むと気分が悪くなるんですが、ジョルジュさん平気そうですね。

アリッサムこぼれ種から上手に育てますね。そのうち自然交配して新色が出てくるかも知れませんね。ニチニチソウなかなか背が伸びてくれません(笑)
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こんばんは (ジョルジュ)
2007-06-07 21:39:03
風さん、 この本は ヤングアダルトというか、若者向けの本なので
しっかりと読み仮名がふってあるんです!
ただ やはりオバサンには 理解しづらい部分が多々・・・。
なんども 読んだ部分をひっくり返したりして
ようやく最近 すんなり頭に入るようになってきたところです(笑)。
○○魔、○魔、と いろいろな「魔」が出てきて(笑)、
それが味方なのか敵方なのか? それくらいは頭に入っていないと バトル部分をすんなり読み進める事ができません(苦笑)。

私は バスなどの車ではダメですが 電車なら本が読めます。
そして電車の往復で読み終わらなかった部分を 
普段に読み終えてしまおう、と思っても
これがなかなか まとまった時間がとれません。
次の外出の機会に、ということになります。

ニチニチソウのスタンダード仕立て、楽しみにしてるんですが。。
夏本番はもう少し先ですから じっくりいきますか。
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