ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

お風呂で

2019-08-29 | 乳がん
「おっぱいは どうなったの?」

お風呂で 子供や孫が聞いてくるのだという。

乳がん手術で 乳房を失った人の悲しみ。



そこには
温存術で 小さくなろうと 多少いびつであろうと
乳房が残り、乳頭がある私と

そうでない人とでは 大きな違いがある事だろう。



哀しく、辛く、
言葉に詰まって 代わりに涙が出てきそうな質問だ。



幼い子どもに どう伝えれば 理解してもらえるか?

「桜むね童話劇クラブ」は、
脚本から小道具まで すべて手作りの人形劇を上演しようと
思い立った。

と、昨日の読売新聞のくらし面は伝えている。


公益財団法人 正力厚生会 が
「がん患者とその家族を支援する」事業として助成するのだそうだ。



人形劇かぁ。

いろいろと 工夫する人がいるんだなぁ。

なくなったおっぱいを 捜しにいくんですって。

タイトル:「お花になったおっぱい」





上皇后さまも 乳がんの手術を控えている。

上皇后さまは ちょうど
乳がんが増える年齢、という事になっている。

けれど 残念なことに 若年の人の乳がんが増えている、
という事を 忘れてはならない。



そして、通常ならそこにあるはずのものが、
そこに「ない」という事からくる、
喪失感などの マイナスの感情。

それは、術前・術後の療法によって いっそう激しく襲ってくる。



マイナスの感情によって 免疫力は変化する。

まして、突き刺さるような質問が
可愛い子どもや孫から発せられたなら。



悪気があっての言葉ではない。

気にするな、というのは、確かに、正論。

けれど 心の中には 常に
冷たく悲しい塊があるのだから。

更に傷ついた心は 冷え切ってしまうだろう。



人形劇では 祖母は 悪魔によって 
姿を花に変えられるのだそうだ。

そして 鑑賞した保育園児たちは
人間の姿にもどった祖母と
再び一緒にお風呂に入れた女の子のことを 
喜んでくれたという。



「病気になっても、おっぱいがなくても、
 そのままでいいんだよ。」

「そうだね。」






今でも私は時々
90歳を過ぎて「温泉を楽しむ生活がしたいから」と
乳房再建を希望したという女性の話を思い出す
(岩平医師の講演で聞いた話)。

その女性は「この年になったけど」とか「この年になってまで」ではなく、
「この年になったから」とおっしゃった。



人口乳房が原因での 悪性リンパ腫が 騒がれていて、
ショックを受けている人は多いだろうし、
岩平医師のショックも大きいだろう。

自主回収(リコール)になった人口乳房に替わる
新たな人口乳房の保険適用を求めて
全国の24の患者団体が厚生労働省に要望書を提出したという情報に接して
(:2019.8.29の新聞記事)、
さすが!と思い、 ありがとう!と思い、頑張って!と思い、
そしてやっぱり、元氣で 機嫌よくいて下さい、
と願う。

(懐かしいよー。愛しのおっぱい(2) は、2004-08-31 の記事。)





公益財団法人正力厚生会の記事:

乳がん伝える人形劇 患者会初上演へ=長野

松本市の乳がん患者会「桜むね」(吉沢英子代表)の童話劇クラブが、乳がんについて子どもたちに伝える人形劇を作った。手術で乳房を失った祖母と、孫娘の変わらない愛情をテーマにしたファンタジーで、6月5日、同市の保育園で初めて上演する。活動は公益財団法人正力厚生会が公募した今年度のがん患者団体助成事業に選ばれた。
 人形劇の主人公は、祖母との入浴を楽しみにしている6歳の女の子。ある日、「胸に傷が出来た」と胸を隠すようになっていた祖母が突然いなくなり、体から離れたおっぱいが眠る「眠りの畑」で花になってしまった。
 女の子は悪魔に惑わされながらも、祖母がいかに大切な人なのかを考え続けて、元の姿に戻していく。「隠さないで、そのままで大丈夫なんだよ」。人形劇の最後、女の子は祖母にそう語りかける。
 「桜むね」は2010年に設立。乳がんで乳房の摘出手術を受けた女性のために、布製の胸パッドを製作する講習会などを開いてきた。活動の中で、「乳房を失ったことを子や孫にどう説明すればいいのか悩む」との声が上がり、昨年4月頃、分かりやすく伝えるための手段として人形劇の創作を決めた。
 台本は吉沢代表が下書きし、会員の話し合いで練り上げた。人形も会員の手作りだ。上演は白板保育園で行われ、東京都や千葉県の会員らも加わり、計6人で人形や小道具を操る予定だ。
 吉沢代表は「人形劇を作ることで、悩んでいた患者の心も整理できた。子どもたちの反応を見ながらレベルアップしていきたい」と話している。

(2018年05月23日)




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