ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

『うそうそ』

2009-04-01 | 読書
ご存知、『しゃばけ』シリーズ。

タイトルの「うそうそ」とは
不安で落ち着かないさまを表す言葉だという。

そういえば、そんな言葉、あったな。

近年、とんと耳にしませんな。



『しゃばけ』に続いて テレビドラマになったが、見なかった。

(畑中恵著、新潮文庫、2008.12.1)

今回は、くいだおれ太郎さんもご出演になったとか(笑)。



身体が弱くて 遠出の外出なんて した事のない若旦那、
なんと、今回は 箱根に湯治に出かける。

・・・・・・・が!!!?






『しゃばけ』p228
このシリーズは 柴田ゆう氏の挿絵が、また、いい。






今回 読んで 
私が一番、なるほど~、と思ったのは、解説。(爆)

西條奈加という作家の書いたものだ。



曰く、
「『しゃばけ』は 時代小説の裾野を広げた。」(p342)

当時の風俗・習慣などの知識がなければ 飲み込みが悪く、
時代小説になじみのない(または薄い)読者は
シンドイ思いをするそうなのだ。

時刻、距離、長さ、通貨・・・、
それらの単位を考えただけでも
確かに 初めて時代小説を読んだ読者には
見当がつかないかもしれない。



私が さほど違和感を覚えずに入っていけるのは
子どもの頃には 鯨尺が生きて存在していたし

何より 大岡越前と 水戸光圀、
このおふたりが頑張って
再放送と合わせて 毎日 何かしら 
チョンマゲに親しみを持たせてくれたのだ。



一方、若い世代は 
言葉遣いひとつをとりあげても
時代劇には どうも座りの悪い思いをするに違いない。

若い人たちに受け入れてもらえる時代劇を、となると
時代劇のセットに 時代劇の衣装、
そして 言葉遣いは現代風。

自分も若いつもりだけれど、
思わず 年寄りぶって
「見ちゃ居られないよ」と言いたくなるような時代劇、
一時期、増えたよね。



対照的に、時代小説には 
時代劇と違い、
年齢層の高い読者も居るので、
誤魔化しが利かない。

誤魔化さなければ、若い読者には
すとんと理解してはもらい難い。

ジレンマ。



そのジレンマの溝を埋めたのが 
畑中恵氏の『しゃばけシリーズ』、
と 西條氏はおっしゃる。

若い人の理解を助ける工夫が 随所に見られる、と
解説をしてくださっている。

なるほどねえ。






『しゃばけ』p39
妖(あやかし)の絵って、簡単じゃないと思うよ。






ウチの娘と息子は
時代劇を見ずに大きくなってしまった。

親の方に テレビを見ているような余裕がなかったからだが
『ポンキッキ』と『おかあさんといっしょ』は
見せていたのだから、

親の方に
「できたら見せてあげたい」という気分が
時代劇に関しては なかったのだ、
ということだと思う。



息子の同級生の家では 息子さんが幼い頃、
ご主人が 毎週欠かさずに『暴れん坊将軍』を見ていて

テーマソングが聞こえてくると
息子さんは 弟さんと一緒に 
おもちゃの日本刀を持ち出してきて
座敷の中で ちゃんばらごっこが始まる、

と聞いたのだったが。



我が家の子どもたちは 
♪じ~んせい、楽ありゃ、苦もあるさ~~~♬
という歌を知らない。

これでいいのか?!

日本文化が 若い世代に継承されていかなのではないか?

自問する日々である(苦笑)。






『ねこのばば』p249
「妖てぬぐいプレゼント」、やっぱり、応募すればよかった!







子どもたちが 将来 
骨のある時代小説を読もうとして挫折する前に

『しゃばけ』シリーズを勧めなくては!(笑)



2 コメント

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しゃばけ ()
2009-04-02 19:20:41
有名なのに私は知らない(涙)でもこの絵は見た記憶がある。特に一番上の臼のような顔の(笑)

「うそうそ」を見たとき大ウソのことかと思うた私やったけど、「うそうそしなさんな」とか使いましたというか、子供のころ言われました。「まあこの子はうそうそする子や」とかね。そういえばこの頃あんまり使わないような。。

時代小説も面白いけどこの頃あんまり読んでない。時代劇大河ドラマ今回はあんまり熱心に見てない。子役の時は良かったけんどねえ。
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この臼? 薄茶の茶碗? 出色です! (ジョルジュ)
2009-04-02 23:40:28
実は 私は 「うそうそ」という言葉をしらずに生きてきました。 
文字から覚えた言葉だったと思います。
あと 「うそ寒い」とかも 大人になってから仕入れました。
もしかしたら チョンマゲものから仕入れたのかも?

天地人、ご覧になってませんか?
子役は可愛かったですねえ、主従、どちらも。
なんであの子が この顔に??? と思うのは 景勝さまです(笑)。
妻夫木 聡クンは 私の好みの顔にドンピシャ!
あのお顔を見ているだけでシアワセなので BSで見ています。
1チャンネルは 写りが悪いので。。。(涙)。
あの仰々しいセリフが なんとか聞いていられるのは 妻夫木クンが 可愛いからではなくて、時代劇だからですね。
16世紀とは ずいぶん昔だなあ、なんて思ってしまいますが
当時をしのばせる史跡が そこここに残っているのが素晴らしいですね!

あ、時代小説、やっぱり今は藤沢周平でしょうか。
生きている人で ちゃんとした時代小説を書ける人も ちゃんと(まだ)いるので 安心しています。
あと 私は 北方謙三です。
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