ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

『《アイ・ラヴ・ピース》への道』

2004-12-09 | 読書
《アイ・ラヴ・ピース》というのは、映画のタイトル。監督の大澤豊という人は、『遥かなる甲子園』を撮った人らしい。主演は、忍足亜希子という、聾唖の美人女優。混乱の続くアフガニスタンでのロケも敢行した、真面目な映画らしい。この映画にまつわる さまざまな出会いと偶然、映画に携わる人々の 労苦や頑張りなどが書かれている本を、もらった。(海拓社、2004年2月20日、1300円)



映画に出てくる、義肢装具(義手とか、義足とか)を作る、
「中沢ブレイス」という会社は、
「おっぱいを作る会社」の中村ブレイスがモデルになっている。
その中村ブレイスの東京事務所に、先月行った時に この本をもらったのだ。
帰りの電車の中で、一気読みしてしまった。

アフィファという名前の少女は、
タリバンから逃れようと トラックに乗ってパキスタンに向かう途中、
対戦車地雷を踏んで、トラックは大破、
妹ふたりと 右足の膝から下を 失った。
・・・・・・これは、実話。

アフィファを選び、日本に連れてきて、
演技をさせ、映画を作る。
忍足亜希子演じる義肢装具士と アフィファの二人を軸に、
足を失ったアフガンの少女が 歩けるようになるまでを描いた映画。
映画制作中の、苦労や笑い話。
ロケの間の、地元の人たちの協力。
それを見つめる、豊な自然。
すべてが 感動に包まれているように思った。



著者の千葉望(ちば・のぞみ)さんは、以前、
『よみがえるおっぱい―――義肢装具士・中村俊郎の挑戦』
(海拓社、1500円)を書いている。
この『よみがえるおっぱい』を、実は 去年
姉と二人で 中村ブレイス東京事務所を訪れた時に
やはりもらって、私は読んでいる。

島根の山の中、という中村ブレイスの本社のある小さな町を
訪れてみたくなる、優しさにあふれる本だった。

ほぼ同時期に NHK のドキュメンタリー番組で、
大ヤケドで両足を失ったモンゴルの少年、ツォグトオチル君に
義足を作り、歩けるようになってもらう過程を追った様子が放送され、
より身近に感じたものだった。



『よみがえるおっぱい』というノンフィクションは 
注目を集め、
紹介された人口乳房「ビビファイ」は、
この本を読んだと女性たちから数百もの発注があったという。
そして著者は、嬉しい反面 心配でもあったという。
ビビファイは、作れば作るほど 赤字になると知っていたから。

中村ブレイスの社員は、東京事務所の人や 島根の本社の人とも
姉も私も 電話で話をしたが、
「作れば赤字」のものに関する問い合わせ、という感じではなく、
とても 親切に 丁寧に 対応してもらった。
ボランティア精神の塊のような会社。
感謝している。

22 コメント

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こんばんは ()
2004-12-09 20:52:28
ネットで調べたらこの本は今在庫切れと出ていました。



失った悲しみは、その人にしか分からない大変なことだと思います。その失った物を、完全じゃなくても蘇らせて貰える。失った人々にとっては、どんなに嬉しいことかと思います。でも、そう言う仕事に打ち込んでいる人達が、半ばボランティアのようにして、作り出していると言うのは、知らなかったです。日本の国のゆがみを感じます。



健康な体は基本です。でも何かでその基本を損なったとき、人工の物で補って、少しでもハンディを感じないで暮らせるように出来ればと思いますよね。

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風さん、いつも、ありがとうございます。 (ジョルジュ)
2004-12-09 23:41:08
失ったもの。地雷で足をうしなったような人たちがいる。

すぐれた技術で 作られた義足で

素晴らしいタイムを出す パラリンピックの

アスリート達もいる。

その他に、よく見ないと 本物に見えるような、

手や 足や 耳や 鼻や 乳房を 作る人もいる。

少しだけ 知っていただけたら、

それだけで 嬉しいです。
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考えること ()
2004-12-10 19:32:17
地雷を作るのも人、その地雷で失われた、手や足の代わりを作るのも人。



人の心の様々を見る思いがしますね。何時もジョルジュさんの問いかけに思いを新たにします。
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確かに。。。 (ジョルジュ)
2004-12-10 22:30:57
地雷を作ったのも、私たち 人間でした。

愚かな事を、と思うけれど、

その 愚かな事を、私たちは 

あと どれくらい 繰り返していけば

争いを 止める事が できるのでしょうね。

阿修羅の道から 抜け出すことが 

いつかできるのでしょうか。

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在庫ができました。 (千葉望)
2004-12-15 18:01:11
私の本を取り上げてくださってありがとうございました。

真摯なコメント、モノを書く責任を新たにいたしました。



『よみがえるおっぱい』(海拓舎)は

幸い増刷がかかりまして、今は在庫があります。

書店か出版社にお問い合わせいただいて、

それでも手に入らなければご連絡ください。
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感激です (ジョルジュ)
2004-12-15 21:09:56
まさかまさか、千葉望さんから

コメントをいただけるとは。

みなさん、『よみがえるおっぱい』は

在庫があるそうですよ~。

すごいなあ。ネットって。

ねえ、みなさん、千葉さんと私は、同じ年なんですよ~

って、自慢にゃならないが。

びっくりですね。すごいですね。

自慢しちゃおう。(誰に?)
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ジョルジュさん ()
2004-12-17 23:57:57
凄いですね。千葉望さんご本人からのコメント、自慢しちゃって下さい。誰彼にも、千葉さん私も一冊購入させて頂きます
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おお! (ジョルジュ)
2004-12-18 08:03:07
ご近所だったら、お貸しするんですが。

あ、でも、『よみがえるおっぱい』は

読了後 すぐ人にあげっちゃったんでした。

ひとりで読んだだけじゃ もったいないと思って。

千葉さん、もう一冊、売れますよ~。

もうここには いらっしゃらないかな。

千葉さん、ありがとうございました~!

風さんは 本がお好きみたいですね?

私はむちゃくちゃ乱読ですが、

自分の読書の傾向というものは、わかりかねます。
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こんばんは ()
2004-12-19 21:08:30
読むのは好きですが、書くのはさっぱり(^^;)普通本を読めば、名文は書かなくても、おかしな作文は書かない物だと、子供達から冷ややかに言われています。

ネットで本が買えるというのも良いですね。今息子に注文しておいてと、頼んできました。

話しは全然別ですが、炭の雰囲気良いですよ。折角火鉢があるのなら、炭火楽しんでみませんか。「夏下冬上」昔の人の知恵はです。
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読むのと書くのは (ジョルジュ)
2004-12-20 07:45:39
違いますよね、違いすぎ。

私の亭主は 文章にもうるさくて、

(そのほか いろんなことに うるさい!)

文頭と文末が 繋がっていない、とか

「てにをは」が 違う、とか

地域の広報誌を見ては

元教員なのに、なんだ、このヘタクソな文章は、とか

いろいろ言うのうで、

私は 見せた事がありません。

うっせー、好きに書かせろ!!!

と、言ってやりたい。



火鉢は好きですよ。

鉢カバーなどに使ってます。

炭は・・・、おいしく食べ物を焼くのに使うのは

いいですね、火鉢や囲炉裏がほしくなりますね。

東北の母の実家には昔 囲炉裏があったんですよ。
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