ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

気晴亭 @名古屋市中区・鶴舞

2019年04月05日 | 名古屋(中区 老舗)

改修なった名古屋市公会堂で行われた「ミュージック・ライフ展」(写真下)へ。自分は当時まだ同人誌然としていた薄っぺらい「rockin'on」派だったので、一度も「ミュージック・ライフ」を買ったことはないはずだが、購読していた親友のをずっと読ませてもらっていた。パネル中心でもう少し名古屋と洋楽の歴史に関する展示があるのかなと期待していたがわりとあっさりした内容で、ご時世なのかやはりクイーン(Queen)ありきの展示(同誌と縁が深いので当たり前か)。でもジミヘン(Jimi Hendrix)が同誌宛てにサインをした写真があったりと、さすがに先達ならではの長い歴史(昭和21年に前身が創刊)が感じられるものではあった。

ついでに館内を巡って公会堂の鑑賞をしてから昼食に向かったのは、とんかつで有名な「気晴亭」。創業が昭和20年(1945)という歴史のある店だ。鶴舞公園でレモン水を売る屋台から出発したのだとか(店内メニューより)。2階が店舗になっていて、店に入るとウエイターが奥のテーブル席を案内してくれた。先客は家族連れが多い。メニューを眺めながら思案。和風洋食といった感じのラインナップで「らーめん」〔ママ〕まである。こちらの名物だという「まんざ」のミニサイズと、同じく名物の「ひれお手前とんかつ(八丁味噌味)」のミニサイズ、それにビールをお願いした。

まずはビール(サッポロ黒ラベル)が柿ピーの小袋付きで運ばれる。その際に飄々としてコミカルな喋り方のウエイターから「どちらかいらっしゃいましたか?」と訊かれた。店でいきなりこんな事を訊かれるのは珍しいので訝ったが、厨房(たぶん主人の意?)からとんかつを頼んだ人に訊いてこいと言われているのだとか。ま、隠す程のことでもないので正直に答え、料理の到着を待つ。

まずは「まんざ」が運ばれた。「まんざ」というのはこちら独特の餃子のようなもの。薄皮で丸く平べったい形をしていて、酢醤油の他にケチャップでもいただく。皿にはカレー味のもやしも添えてあった。「まんざ」は両面がカリッと焼かれていて、見ただけでビールに合うことが分かる(店のHP曰く「しゅうまいと餃子の良いとこどり」)。元の味付けはあっさりで、しっかりと肉の味が味わえて旨い。そして「ひれお手前とんかつ」が登場。丸い2つのひれかつがそれぞれ半分にカットされている。”70年つぎたしのオリジナル味噌味”というたれが半分だけにかけられているのは気が利いている。みそだれはこってりと濃厚。それでも甘味は控えめ。いわゆる”焼きとんかつ”で歯切れ良く旨い。付け合わせは水菜とスライス玉ねぎ。こちらにもカレーもやしが添えられているが、これが老舗らしからぬ本格的なスパイス感があるもの。何しろどれもビールにはぴったりなので大瓶もすぐ空になった。するとさっきのウエイターが「厨房からです。」と熱々の胡麻団子のプレゼントしてくれた。何だか憎めない方だ。次は「まんざ」のヴァリエーション(蒸し、茹で、揚げ)に、「バーガーかつ(メンチかつ)」でも頂いてみようかな。(勘定は¥2,000程)

 

 


 

 ↓ 改修が終了し、新規オープンとなった「名古屋市公会堂」(昭和5年・1930・建造、改修)。以前の古びた感じが明るい感じに変わっていた(ような気がする)。設備の近代化が図られたようで、残念ながらアナログのエレベーター階数表示は撤去されデジタルに…。ああいうのを修理刷新することは出来ないのかなァ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

↓ 「鶴舞公園」内の近代建築、カフェ「ヌンク・ヌスク」(明治42年・1909・建造)。庭側の軒下の看板はかつての店のものだろうか。(※ちなみに鶴舞駅は「つるまいえき」と読み、鶴舞公園は「つるまこうえん」と読みます)

 

↓ 以前に見ようと思っていた時はコスプレイヤーに占拠されていて叶わなかった園内の「鶴々亭」(昭和3年・1938・建造)。同年に開催された「御大典奉祝名古屋博覧会」に茶席として設けられた建物。せっかく静かだと思ったら利用者だけしか中には入られない。

 

 


 

気晴亭

愛知県名古屋市中区千代田5-21-6

 

( 名古屋 なごや 鶴舞 きはる亭 きはるてい とんかつ 味噌かつ みそかつ 洋食 ラーメン 中華そば とんざ 丼物 近代建築 名古屋市指定有形文化財 )


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