From The Vault : L.A.Forum (Live In 1975) / The Rolling Stones (2014)
「ハンプトン’81」に次いで発表されたストーンズ(The Rolling Stones)の映像蔵出し第2弾は1975年のL.A.フォーラムでのライヴ。今回も珍しく日本盤(DVD+2CD)を購入。こちらも海賊盤では定番の映像だった。脱退したミック・テイラー(Mick Taylor)に替わって、まだ正式メンバーではないロン・ウッド(Ron Wood)がツアー参加し、ゲストにビリー・プレストン(Billy Preston)とオリー・E・ブラウン(Ollie E Brown)も参加。ソウルやファンクのエッセンスが加わってねちっこい演奏が繰り広げられる。化粧をしたミック(Mick Jagger)はセクシーで、この時期特有のがなりたてるような粗っぽいヴォーカルもあって、とてもワイルドな感じが楽しめる。自分がストーンズ聴き初めの頃は、あまりこの時期の演奏が好きでなくて、この後のヨーロッパ・ツアーを中心に記録した名ライヴ盤「Love You Live」もC面のエル・モカンボ・クラブでの演奏以外は熱心に聴かなかった。それが次第にこの時期のブラック・ミュージックを聴くようになって、周辺の音楽やアーティストと、ストーンズとの関わり合いが分かってくると、だんだん興味が湧いて、熱心に聴きだしたという感じ。
さすがにオフィシャルとあって素晴しい画質。当時のブラウン管映像が元なので、映像のリファインにも限界があっただろうが、ざらついて、色が飛んでしまったようなVHS映像を舐めるように見ていた身からすると、これで充分に幸せ。ステージ・セットを含め、彼らのライヴが音楽界の一大イベントだった様子がよく分かる。ガリガリに痩せたキース(Keith Richard)はどこを切り取ってもさまになっているし、元気ハツラツなロニーも微笑ましい。ビル(Bill Wyman)とチャーリー(Charlie Watts)は…いつもと一緒か(笑)。それでもビルの無表情に爪弾く摩訶不思議なベースラインはやはり興味深い。今年2月の来日公演で現ベースのダリル(Daryl Jones)のダサい演奏にかなりイラついて、今頃になって彼(ビル)の喪失感がさらに増幅されたので、けっこう耳がそちらにいってしまう。ボブ・ディラン(Bob Dylan)がストーンズについて「ビル・ ワイマンなしではただのファンク・バンドに過ぎない」なんて発言していたなァ(ファンク・バンドって訳分からんが…)。ゲストの2人は過去にも現在にもないくらいのフィーチャーされっぷりで、当時のミックやキースがかなり入れ込んでいた事が想像出来る。
このシリーズ、前作と今作の発表間隔が短かったので(クリスマス商戦用?)、次はどうなることかと思っていたが、今のところ第3弾の発表はなし。ファン心理としては次が早く知りたいが、同時にあまり間隔が短いと消化しきれないもどかしさがあって悩ましい。
amazonにて購入(¥4,819)
- Format: CD+DVD, Limited Edition
- Language: 日本語
- Region: リージョン2
- Size: 1.33:1
- Disc: 3
- Label: ワードレコーズ
- DVD: 2014/11/05