ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

The Very Best Of The Pretty Things / The Pretty Things

2020年12月22日 | クラシック・ロック

The Very Best Of The Pretty Things / The Pretty Things (2003)

ブリティッシュ・インヴェイジョンの重要バンドでありながら、ややマイナーなプリティ・シングス(The Pretty Things)。リイシュー・レーベルであるRepertoire Recordsから出ていたベスト盤CDを買ってみた。メンバーのディック・テイラー(Dick Taylor)は、あのストーンズ(The Rolling Stones)のミック(Mick Jagger)とキース(keith Richard)の元バンド・メイト。前身バンド「Little Boy Blue And The Blue Boys」からの付き合いで、レコード・デビュー前のストーンズにも所属していた人物。プリティ・シングスとしてのデビューは少し遅れて1964年。シングルもチャート・インし、順調な滑り出しだったようだ。

自分が彼らのことを知ったのはストーンズの系譜ではなくて、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)が自身が影響を受けた曲をカヴァーしたグラム時代(1973)のアルバム「Pin Ups」(ジャケ写下)で、彼らの曲が2曲も取り上げられていたから(「Rosalyn」「Don't Bring Me Down」)。自分は学生時代にRCA盤アナログを中古で買ったが、ほぼまんまのカヴァーだがグラム仕様でかっこよかった。

初期の音源はブルーズやR&Bのカヴァーが多く、なかなか”黒い”印象。こうしてベスト盤で聴いてみても粒ぞろいでなかなかイイ。ただこの盤はベストとは言ってもシングル曲を中心に編纂されているようだ。ソロモン・バーク(Solomon Burke)の05「Cry To Me」はストーンズもカヴァーしていて、あっちはほぼ完コピ。こっちはちょっとアレンジしているのを聴き比べても面白い(どちらも本家の迫力には負けるが)。でも…、いかんせん”地味”(苦笑)。ジャケット写真を見ても分かるようにメンバーには華が無いのが玉にキズ。それでもかなりトガっていたらしく、色々な逸話も残っているそうだ。

バンドの重要期はむしろその後、レコード会社を移籍した1967年以降と言えるかもしれない。曲の展開も複雑になって、たっぷりとアイデアが詰め込まれてサイケデリック色を強めていくのが興味深い。特に1968年に発売されたアルバム「S.F. Sorrow」は、ザ・フー(The Who)の「Tommy」に先立つ、最初のロック・オペラと言われている。ただしアルバムのアメリカ発売が「Tommy」の後になったため、あろうことか「Tommy」の二番煎じのレッテルを貼られてしまったのだとか…。不運(ディック・テイラーはここで脱退)。にしてもここまで煌びやかな音楽性を持っていたとは知らなかった。ちょっとこの辺りのプリティー・シングス、掘り下げてみようか。ちなみにこのベスト盤は20曲目まではモノラル、21曲目以降はステレオで収録されている。

オークションにて購入(¥553)

  • Label : Repertoire
  • ASIN : B00009Y32F
  • Disc : 1

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