ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

TETSU / 山内テツ

2019年09月18日 | ロック(日本)

TETSU / 山内テツ(1972)

70年代のブリティッシュ・ロックを代表するバンド、フリー(Free)とフェイセズ(Faces)。その2つのバンドに正式なメンバーとして在籍した日本人が居るというのは今考えてみても物凄いこと。ベーシスト、山内テツ。元々はミッキー・カーチスらと活動していて、来日していたフリーのメンバー、ポール・コゾフ(Paul Kossoff)とサイモン・カーク(Simon Kirke)と意気投合して渡英。1972年に彼らにラビット(John Bundrick ※後にザ・フーの準メンバー)を加えた4人でアルバムを制作。そしていよいよ再結成フリーに正式参加。後にフェイセズに参加。もう、とんでもない略歴だ。フェイセズが一時の再結成をするようだと話題になった2000年代に、ひょっとして山内テツも呼ばれるんじゃないかと思っていたけれど、結局その話自体がお流れになってしまい、後にロッド(Rod Stewart)抜きの中途半端な形でツアーを行ったりした時も呼ばれることはなかった。自分が山内テツの演奏を聴いたのはロッド・スチュワート&フェイセズ名義のライヴ・アルバム「Coast To Coast」(ジャケ下左)と、あのキース(Keith Richards)も参加したフェイセズの解散コンサートのVHSビデオ、そしてボックス・セットに入っていた彼の参加曲ぐらいだが、しっかりと馴染んでぶっとい音を出している彼の演奏を聴くと、やはり誇らしい気分になる。

今回購入したのは1972年に発売された彼のソロ・アルバム。自分は有名バンドに参加して凱旋後に作ったアルバムとばかり思っていたが、正確にはこの後に再結成フリーに参加したということでいいのかな(未確認)。先述の4人名義のアルバムと発売年が同じだが、参加しているのは成田賢、大野克夫、原田裕臣ら日本勢中心。音楽的には当時から流行り出したフュージョンっぽい音で、決してイキのいいロックンロールではないけれど、自分の好きなジャズ・ファンクの要素が入っていて、大野、原田ら当時「井上堯之バンド」に所属していた参加メンバーを見ると納得する感じ。特にベースの音が強く表に出ている曲ばかりという訳ではないので、リーダーとしての”山内テツらしさ”というのがここに充分表現されているのかどうかは分からないが、なかなか気持ち良く楽しめるアルバムだ。ただジャケは何とも…(笑)。 今、何やってるんだろう?

オークションにて購入(¥525)


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