ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

大甚 錦店 @名古屋市中区・錦

2020年03月10日 | 名古屋(中区)

名古屋が誇る明治創業の居酒屋「大甚」に支店が出来たことは聞いていた。経営が別の会社と知ってあまり興味は沸かなかったのだが、ある夕方に錦を歩いていてちょうどその店の前に差しかかった。なるほど奥志摩グループがやっているとあってこちらの上階は「奥志摩錦総本店」。店舗はしっかり作り込んであるようだし、明治創業を強くアピールしていたりして鼻白む気持ちもあったのだが、入ってみないことには分からないと暖簾をくぐってみた。こちら昼過ぎの早い時間から開けているようだ。店は奥に長くなっていて、中央付近には本店でお馴染みの惣菜の皿が並んだ卓もある。店員は年配の方ばかり。早い時間ではあったが程良く客が入っていて、相席をお願いされた。酒はもちろん本店の大看板でもお馴染み「賀茂鶴」の大をどん燗(ぬる燗)で注文。菰樽は見当たらない。立っておかずの皿を取りに行く。並んでいたものはあまり多くなく、そこから「たこ酢」を取り、調理場カウンターの方へ行って「鰆の刺身」をお願いした。

運ばれてきた「賀茂鶴」は桃色の徳利に入っている。えー、大甚の銘が入ったあの徳利じゃないの?。燗酒が2種類あり、安い方の「伏見蔵」はそちらの徳利で運ばれるようだ(そちらが”おすすめ”だそう)。大甚といえば「賀茂鶴」でしょ…。それはさておき、猪口(こちらには大甚の銘が)に注いでグイッとやる。「たこ酢」はきゅうりが入っていてかなり酸っぱい。「鰆の刺身」は調子が今ひとつだった。店内の様子を見ながらゆっくりと呑む。そこかしこに”大甚”の銘がありブランド化を図っていて壁にはそろばんも飾ってある(※本店主人はそろばんで勘定する)。酒はホッピーでもキンミヤでも何でも有り、つまみも「味噌串カツ」やら「どて煮」「おでん」など”名古屋めし”を意識している様子。やはり本店とは全く別物と考えてよさそうだ。店員は「お客様お帰りでーす!」と大声を出すなど普通の居酒屋ノリ(これが普通ってのも変だけれど…)。「合鴨スモーク」を取って来て、ビール大瓶(サッポロラガー)を追加。ついでに「味噌串カツ」も頼んでみた。「味噌串カツ」は細身で味噌にどぼ漬けしてある。ま、つい本店と比べてしまうけれど普通に使える居酒屋。昼から開いて日曜も営業しているらしいので、聖地化してしまって入るのが困難な時もある本店より、こちらの方が使い勝手はいいかもしれない。勘定をお願いすると、そろばんではなく電子端末(笑)。(勘定は¥2,700程)

本店の記事はこちら

 

 


 

↓ 覚王山の「揚輝荘」南園の「聴松閣」(昭和12年・1937・建造、一部再現)を再訪。この日は他に見学者がほとんどおらず、存分に邸内を廻って写真を撮ることが出来た。

 

 

↓ 前回訪問時には客が沢山居て写真が撮れなかった喫茶室としても利用できる「旧・食堂」。棚の上の照明部分には逆読みで「うとい」とある(主人は伊藤姓)。オリジナルではなく改修時に再現されたものらしい。

 

 

↓ 2階の「旧・応接室」と「旧・書斎」。ベースは同じだが、部屋によって雰囲気が随分違う。

 

 

↓ 「旧・寝室」。天井にレリーフがあるのは寝た時に上を向くからだろうか。

 

 

↓ 1点物の照明や透かしなど、細部に亘ってのこだわりよう。改めて当時の富豪の財力に驚く。

 

 

 

↓ 2階には小さいながらべんがらで塗られた和室もある。

 

↓ 何度訪れても圧巻の地下室の「旧・舞踏場」。ステージがあり、脇にはちゃんと控室も。山脈を描いた擦りガラス、壁面や柱の彫刻、モザイクタイル装飾、インド人留学生が描いたホールの壁画など異国趣味溢れる見どころがてんこ盛り。かつては別棟と繋がっていたという用途不明の地下通路入口(現在は寸断)もある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

大甚 錦店

愛知県名古屋市中区錦3-19-11 奥志摩ビル1F

 

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