ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

八百勇 @三重県桑名市

2017年07月29日 | 三重県(老舗)

ある好天の休日、岐阜市内の長良川堤防沿いを気持ち良くバイクで走っていたら、興が乗って知らぬ間に「木曽三川公園」付近まで。ついでにこのまま走っちゃえと三重県桑名市まで到達。普段と違って全然下調べせずに来たので、急遽スマホで周辺の近代建築と食事処を検索してピックアップ。ある店に辿り着いたのだが、開店直後にも関わらず待ちが出ていて「かなり時間がかかりそう」とのこと。とりあえず名前を告げて周辺をウロウロ。

その時に近くで見つけた渋い店構えのこちら、お好み焼の「八百勇」。もちろん中に入ってみた。予想通り年季が入った土間にテーブル席が並ぶ店内。柱も蝿帳(はいちょう=小さい食器棚)も褐色に枯れていて素晴らしい。創業は100年を超えるのだとか。店主はかなりご高齢のお母さん(御年90位だろうか)。自分はお母さんが立つ鉄板の目の前の席に座ったが、テーブル席に近くの人達らしき中年の集団が着座したばかりのよう。お母さんは多人数の客に加えて予想外の新規客(自分のこと)が入ってきてしまって戸惑っている様子(笑)。「並焼きそば」を注文したが、奥で誰かが調理するのだとばかり思っていたら、調理は全て目の前のお母さん1人で、具材の用意は娘さん(たぶん。といっても当然この方もご高齢)。グループ客がビールのつまみをバラバラに注文するもんだからちっとも調理が進まない。お母さんは泰然自若としてゆっくりとつまみの玉子焼きを焼いている…。ただ、1人で目の前に居る自分を不憫に思ってくれたのか「こっち先にやるね」と焼きそばの調理にかかってくれた。

調理の様子を見ていると振りかけた胡椒が明らかに多かったが(笑)、ゆっくりと調理された焼きそばが平皿にのって差し出された。太縮れ麺でたっぷりめのソースで味付けされている。脇には紅生姜。思った通りかなり胡椒辛い。「玉子入り」にすればちょうど良かったかと思いつつ、素朴な焼きそばをあっという間に平らげた。この日はちょっとタイミングが悪かったが、この年季が入ったいぶし銀の店内で、お母さんにつまみを焼いてもらいながらビールをいただいて、締めに焼きそばかお好み焼き、なんて最高だろうなァ。(勘定は¥350)

※令和2年頃に一度閉店されましたが、現在はご家族が後を継いで再開したようです

 


 

↓ 「諸戸家住宅主屋」(明治20年頃・1887・建造)。主屋の他に広間や座敷、洋館や玉突き場があり、国の重要文化財に指定されている。次は時間をとって敷地内を見学してみないと。

 

↓ 主屋の横に建つ「諸戸(宗)家住宅煉瓦蔵」(明治20年・1887・建造)。以前は5棟あったものが昭和20年の戦災で3棟になったのだとか。修繕の為か敷地の一部が囲われていた。

 

 

↓ 敷地の目の前まで水路が巡らされていて、この屋敷群の向こうに「六華苑(旧・諸戸清六邸)」の大庭園があるのを考えると、当時の有力者の財力、影響力の凄さが分かるというもの。

↓ 水路の反対側にある「蔵前祭車庫」(大正15年・1926・建造)。自治会が所有する倉庫で、国の登録有形文化財に指定されている三重県内初期の鉄筋コンクリート建築。

 

 


 

 

お好み焼 八百勇

三重県桑名市江戸町15

 

( 三重 みえ 桑名 くわな やおゆう お好み焼き やきそば 焼そば 鉄板焼 老舗 近代建築 国登録有形文化財 国重要文化財 諸戸家 諸戸清六 もろと家 六華苑 ろっかえん 閉店 廃業 復活 再開 )

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする