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ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

ツル @名古屋市中区・新栄 (※閉店)

2019年12月01日 | 名古屋(中区 老舗)

新栄のレストラン「ツル」へ。創業して70年というから戦後すぐ位の開業かな。ずっと入ってみたかったが日曜休みの店なのでなかなか伺う機会が無く、初めての訪問。外看板には”すき焼”、”しゃぶしゃぶ”、”とんかつ”、”ステーキ”、とご馳走のオンパレード。”洋風料理”という言い方がクラシック。外にメニューも出ているが、弁当も作っている様子。近隣のオフィス街に届けたりしているのだろう。店に入るとテーブルが6つ程。意外と大きくないなと思ったら、まだ奥や2階もあるようだ。次々に客が入ってくる。年配の客が多い様子。厨房がとても大きく、10人もの大勢のおばちゃんが弁当作りの真っ最中だ。腰掛けて壁に貼ってあるメニューを眺める。大好物の洋食だし、丼物もあってどれも食べてみたいが、最初はやっぱり好物の「オムライス」を。調理は男性が担当。自分の席からちょうどその様子が見えたのだが、大鍋のデミグラスソースをかきまぜているのが見えて気分が上がる。

しばらくして運ばれた「オムライス」は”TuRu”と銘の入った白い平皿で登場。玉子巻きタイプの「オムライス」は大きめで、願い通り片側に寄せられた本体の前にデミグラスソースがたっぷりかけられていた。早速スプーンを入れていく。厚みは無いがとろっとした感じの玉子からライスがはみ出ているので全部は包まれていない。中はハムと玉ねぎがたっぷりと入ったケチャップライス。玉ねぎはシャクシャクとした食感が残っている。そして何と言っても色濃く少し苦味のあるデミグラスソース。いわゆるフォン・ド・ヴォー的な味というよりは中濃ソースっぽい味。味も濃いけど、旨い。白菜の入った味噌汁が付いてくるのが昭和の洋食レストランっぽくてイイ。近くの人が食べていた「カツカレー」も旨そうだ。次はそれか「カツサンド」かな。食べてみたいものばかりなのになかなか機会が無いのが残念。(勘定は¥700)

※2021年2月末を以って閉店されました

レストラン ツル

愛知県名古屋市中区新栄2-1-20

 

( 名古屋 なごや 新栄 しんさかえ つる レストランツル 洋食 洋風料理 西洋料理 ランチ 弁当 仕出し 別館ツル 閉店 廃業 )

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万年堂 @名古屋市中区・新栄 (2)(※移転)

2019年11月22日 | 名古屋(中区 老舗)

新栄の「万年堂」へ。この日は好物の最中を買おうと寄ってみた。天候が荒れると予報が出ていた前日だったが、まだ空は快晴。店に入ると年配の男性店員が迎えてくれた。いつものように少量でも構わないか声を掛け、ショーケースの中から「宿の梅」という最中と、「頬杖」という菓子をお願いする。奥で包んでくれる間に、すぐお茶とこちらの名物干菓子「おちょぼ」がひとつ届けられた。店内で座らせてもらい、有難くいただく。気が利いているなァ。その間に男性店員と世間話。しかも届けられた菓子はしっかりと小さい箱と包み紙で綺麗に梱包。少量の買物なのにと恐縮してしまう。さすが。

帰ってから包みを開ける。こうしてしっかりと包んでもらうと特別な気分になるもの。「宿の梅」は丸い最中種(皮)に梅の花の形が押してある。つぶ餡の「焦がし」と、こし餡の「白」があったが、自分が選んだのは「焦がし」。こちらのつぶ餡はしっかりと甘め。「頬杖」は小さいどら焼きのような菓子。皮はしっとりとしている。つぶ餡とゆずこし餡があったが、こちらもつぶ餡を選択。ふわっとした皮に香ばしい香りがある。どちらも旨かった。本当は上生菓子を買って帰りたいが、手に持って歩くのが嫌なので避けてしまう。次は車で来ないと。(勘定は¥600程)

以前の記事はこちら (1

移転後の記事はこちら (3

万年堂

愛知県名古屋市東区東桜2-17-21

※令和3年に千種区山門町2-34へ移転しました

 

( 名古屋 なごや 新栄 しんさかえ まんねんどう 和菓子 干菓子 おちょぼ 上生菓子 もなか もなかだね 老舗  )

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御幸亭 (3) @名古屋市中区・大須

2019年11月19日 | 名古屋(中区 老舗)

休日の昼、久しぶりに大須の「御幸亭」へ。創業は大正12年(1923)。現在、平日は昼営業のみになっている(営業時間が限られてくると心配になるなァ…)。ほぼ口開けの時間に店内へ。大テーブルに案内され腰を下ろす。厨房には老齢のご夫婦(たぶん)がコックコートで調理、給仕は若い男女が2名。メニューを眺め、この日は「オムライス」にすんなりと決定、注文した。すぐに家族連れや1人客が次々と入って来て賑やかさが増した。用意されたスプーンの下の紙ナプキンも皿と同じように「Miyukite」〔ママ〕と書かれている(笑)。

しばらくして、これぞというようなこんもりとした美しい姿の「オムライス」が登場。白い平皿に綺麗に巻かれた玉子の黄色、程良く綺麗にかけられたケチャップの赤、添えられたパセリの緑、の調和が美しい。時々ケチャップ(あるいはトマトソース)がぞんざいにかけられていたり、ビャーッと線状にかけられていたりするオムライスに当たることがあるけれど、萎えるよね(←こんなこと気にするの自分だけか…)。早速スプーンを入れていく。こちらの中身はバターライス。細かく切ったハムが使われている。ケチャップは酸味控えめなもの。この店でも扱っている清須の「太陽ケチャップ」だろうか。包んである玉子は薄焼きだけれど、少しバターライスに馴染んでいる部分もあり、申し分なし。旨かった。次は”牛タン入り”という「コロッケ」か「メンチカツ」をビールか”菊正宗”で。(勘定は¥950)

以前の記事はこちらこちら

 

 


 

↓ 大須仁王通商店街のアーケード下にある化粧品店「大門屋本店」(建築詳細不明)。看板によると創業は明治4年(1871)。もうすぐ150年という老舗だ。舞台演劇用の化粧品や小間物を扱っているのだとか。2階に目をやると木製の窓枠とタイル壁が歴史を感じさせる。

 

 


 

洋食屋 御幸亭

愛知県名古屋市中区大須3-39-45

 

( 名古屋 なごや 大須 おおす 大須商店街 みゆきてい みゆき亭 洋食 洋食店 みそかつ オムライス ハヤシライス 定食 ランチ 近代建築 )

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一八本店 @名古屋市中区・橘 (2)

2019年11月15日 | 名古屋(中区 老舗)

名古屋の麺類食堂を代表する屋号「一八」の総本山(※)、仏壇通りの「一八本店」へ。創業は明治23年(1890)。昼時を少し過ぎた時間がったが、暖簾をくぐって店に入ると4つあるテーブルや3つの小上がり席の全てに食事をした跡が。今の今まで満席だったようだ。2階からも客が降りてきた。片づけられた1つのテーブル席に座り、今季沢山食べた「きしころ」をこちらでも注文した。現在4代目という主人は結構年齢がいっているはずだが相変わらず若々しい。この日も「はーい!」「よっこいしょっと!」と元気よく声を出しながら調理が進んでいく。

※「一八」の屋号の店は他にもありますが、全てこの店からの暖簾分けという訳ではないようです

こちらも飄々として鼻歌を歌いながら片付けをしていた女将さんに主人が「ハイ、ひらころー!」と告げて「きしころ」が届けられた。”ころ”という東海地方独特の呼び名のうどんの食べ方には細かく決まった形はないように見えるが、簡単に言えば茹でたうどんを水にさらして熱くない濃いつゆをかけたもの。こちら「一八本店」の”ころ”はしっかりと冷やすタイプのようで、麺もつゆもキンキンに冷えている。確かに品書きには「きしめん 冷・温」と書いてあった。水面にはかなり甘く煮た揚げ、蒲鉾、花鰹が浮いている(ほうれん草はどうだったか忘れた)。きしめんは薄打ちでピロピロの食感なのにグズグズにはなっておらず、ちゃんと張りも残っている。つゆは色濃いが塩分濃度はそう高くない。喉を通る麺が心地よい。スルスルっといただいた。次は”具色々入”という「旗本みそ煮込」か「たまり煮込」、丼物をいただいてみよう。(勘定は¥600)

以前の記事はこちら (1

この後の記事はこちら (3

 

一八本店

愛知県名古屋市中区橘1-5-14

 

( 名古屋 なごや 橘 たちばな いっぱち いっぱちほんてん 一八 老舗 麺類食堂 うどん そば 蕎麦 きしめん 味噌煮込み みそにこみ )

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鯱もなか総本店 @名古屋市中区・大須

2019年10月29日 | 名古屋(中区 老舗)

西大須にある「元祖鯱もなか総本店」へ。創業は明治40年(1907)で、創業地は御園町だとか。この辺りを歩いたのは初めてだったが、いくつもの花き(かき、花卉)市場があり、それに関する建物が多い(※「花き」とは観賞用植物全般の呼称だそうです)。この日は日曜日だったので周囲は閑散としていて人通りもほとんど無いし、通る車も少ない。店に入ると和菓子専門ではなく洋生菓子も扱っていた。こちらの名物「元祖・鯱もなか」は大正10年(1921)に創作されたのだそう。もちろん購入したのはその「元祖・鯱もなか」。

帰ってから包みを開ける。最中種はもちろん尾を高く上げたしゃちほこの形。早速いただいてみる。見た目いかつい最中種は、食んでみると意外と軽い口当たり。中はしっかりと粒が感じられるつぶ餡で、甘さは控えめ。凝った形なので食感がいい。こちら自分で餡が詰められるセットや、餅や生クリームの入った「洋風もなか」なんてのもあるようだ。次はそれらか「金シャチまんじゅう」を買ってみようかな。(勘定は(¥110/個)

 


 

↓ 近くに建っていた風情ある建物「高田食品」(建築詳細不明)。残念ながら休日だったが「こうじ(麹)」を扱う店のようだ。看板の「こうじ」の”こ”は変体仮名。隣の立派なお屋敷はこちらの住宅だろうか。

↓ 「松野屋製菓株式会社」(建築詳細不明)。横から見ると塗りの壁。瓦はよく見えなかったが、これも看板建築と呼ぶのかな。

 

↓ ちょっと気になったお屋敷(建築詳細不明)。2階のガラス窓がやけにデカいと思ったら欄干が内側にある。後年に改造したんだろうと思うが、中がどんな間になっているのか見てみたい。

 

 


 

元祖鯱もなか本店

愛知県名古屋市中区松原2-4-8

 

( 名古屋 なごや 西大須 元祖鯱もなか総本店 しゃちもなか 元祖しゃちもなか 鯱最中 和菓子 洋菓子 近代建築 かき 生花市場 花卉市場 花き市場 ) 

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スギモト本店 (3) @名古屋市中区・伏見

2019年07月02日 | 名古屋(中区 老舗)

連休中だったこの日、目指していた個人店はどこも休みが不確定で、結局2、3軒に振られ、大きいところならやっているだろうと伏見の老舗精肉店「スギモト本店」へ向かう。今では東京をはじめ色々な所に飲食店舗があるが、本店の2階も食事処になっている。開店少し前に店にたどり着くと階段口に”お待ちください”のサインが出ていた。それでも待ちきれないのか何なのか、勝手に2階へ上がって行ってしまう客が何組も…。正式な開店時間になり係員によってサインが取り除かれ「どうぞ。」と言われたので2階へ上がる。案内されたのは広間。畳敷きで襖で仕切れるようになっている大広間だが、昼は入れ込みとして開け放してある。自分が座った丸卓は6畳ぐらいのスペースに2卓とちょっと狭く感じる間。注文したのは限定10食という「お肉屋さんのビーフカレー」。

しばらくして運ばれた「ビーフカレー」はグレイビーボートに入っている。ライスは平皿にしっかりとした量が盛られていて、福神漬けが少しだけ添えられている。他には小鉢に入ったゴマドレのかかったサラダ付き。ステーキなどで使うA4クラスの端肉を使っているというカレーにはゴロゴロと肉片が入っている。他に固形の具材は見当たらない。最初は甘さがくるが後から辛さもちゃんとやってくる。大人の味。さすがに旨いなァ。何といっても牛肉。あまり長時間煮込まれていないのかしっかりと食感が残っていて、肉を喰らう感じもちゃんとあって口に入れ咀嚼するとシアワセに。カレーとご飯の量がややアンバランスだったが、福神漬けを挟みながらスプーンを進めてあっと言う間に完食。この肉を使ってこの値段で出せるのは精肉大手ならではだろう。(勘定は¥870)

以前の記事はこちらこちら

スギモト本店

愛知県名古屋市中区栄3-1-35

 

( 名古屋 なごや 伏見 ふしみ スギモト 杉本食肉産業 松阪牛 黒毛和牛 名古屋コーチン すき焼 すきやき 弁当 しゃぶしゃぶ 老舗 限定カレー )

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万年堂 @名古屋市中区・新栄 (※移転)

2019年06月30日 | 名古屋(中区 老舗)

新栄の和菓子屋「万年堂」へ。創業は昭和24年(1949)とこの業種としては意外と古くない。ただし江戸時代から津市で和菓子を作っていたという事でその時代を計算に入れていないのだろう。京都の老舗「亀末廣」の親戚筋だそうで、そこの主人が店の名前を付けたのだとか。こちらで有名な菓子といえば何といっても「おちょぼ」。茶道の盛んな名古屋でも有名な干菓子なので、茶席などで目にした人も多いだろう。小さな小さな干菓子なのだが、女性の小さなおちょぼ口で食べている様子をイメージしているらしいた(大きな声では言えないが女性の〇っ〇いをイメージしているとばかり思っていた・恥)。自宅用なので一番簡素な包装の「袋入り」を購入して持ち帰る。

和紙に包まれた「おちょぼ」は、形としてはなんの変哲もない(逆さの)椀型なのだが、これが何とも繊細で儚く女性的。木型に入れてから1週間もかけて乾燥させるらしく、頂部の紅い点は”からす口”というペン先を使って描かれているらしい(社員は訓練してみな描けるそうです)。一口で口に含んだ時にさらっとすぐに溶けて、大きくないので和三盆の甘さがちょうどよく、お茶(煎茶でも抹茶でも)がより一層美味しく感じられる。小ささを感じさせない存在感。さすが銘菓と言われるだけある。他の菓子を買ったことがないので、次は季節の菓子や最中を買いに行こう。(勘定は¥864)

この後の記事はこちら (2

移転後の記事はこちら (3

 

万年堂

愛知県名古屋市東区東桜2-17-21

※令和3年に千種区山門町2-34へ移転しました

 

( 名古屋 なごや 新栄 しんさかえ まんねんどう 和菓子 干菓子 おちょぼ 上生菓子 )

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一八本店 @名古屋市中区・栄

2019年06月17日 | 名古屋(中区 老舗)

久しぶりに名古屋の住吉町辺りへ。現在の住所的には栄3丁目だけれど旧町名の”住吉”の方が分かり易いのになァ。夕方にこの界隈を久しぶりに歩くと、行き交う人は携帯電話片手にスーツケースを転がす大陸の人ばかり。その密度たるや日本じゃないみたい。もう”共産主義”って何だったっけ?という感じ。用事の前に軽く腹に入れておこうと「一八本店」の暖簾をくぐってみた。

かつては愛三岐の東海3県はおろか、東京にまで暖簾分けの店があったという名古屋の麺類食堂きっての老舗屋号「一八」。高齢化、後継者のこともあって店舗数を減らしているが、それでもまだいくつもの店が現役。その本店と言えば橘の「一八本店」が思い浮かぶが、もう1軒”本店”を名乗っているのがこちら住吉の「一八本店」。創業は戦前だそうだが橘の本店よりは後発で、どういう経緯かは知らないがあちらの系譜を示す”一八会”の暖簾にはこの店を示す名前が載っていない様子(未確認)。関係があるのか、それとも全く別なのか。まぁ、歴史ある屋号だから色々とあるのかもしれない。

それはさておき、店に入るとテーブルが5つほど並ぶこじんまりとした店内に女将さんが1人。夜にはまだ早い、ちょっと外れた時間だったので先客は無し。壁に掛かったプラスチック製の札の品書きには「志乃田丼」や「木の葉丼」というこの地方ならではの丼物の名前も見える。歩いて店まで来たが、外は少し暑かったので「きしめん」を”ころ”でお願いした。品書きに”ころ”とは載っていないがすんなりと注文が通る。

仕事の着信やメールがあったかなと携帯電話を確認するために取り出していたら、もう「きしころ」が届けられた(笑)。その時間、冗談抜きで約30秒。麺を茹でたり、水で締めたような気配は無かったんだけど…。マジック(笑)。麺の上にはほうれん草、蒲鉾(もちろん赤い縁)、刻み揚げ、それに花かつおという「きしめん」の標準的なラインナップ。少量のつゆは甘さ控えめのすっきりとしたもの。味も色もあまり濃くない。きしめんはやや薄めで幅は標準的なもの。つるんとした食感で悪くない。スルスルっといただいて、冷たい(といってもキンキンに冷えている訳ではない)つゆも少し飲んでご馳走様。次は丼物もいただこうかな。(勘定は¥350)

 

きしめん 一八本店

愛知県名古屋市中区栄3-19-1

 

( 名古屋 なごや 住吉 すみよし 一八 いっぱち いっぱちほんてん きしめん うどん 丼物 麺類食堂 大衆食堂 老舗 一八会 一八のれん会 )

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松月 (3) @名古屋市中区・栄 (※閉店)

2019年06月15日 | 名古屋(中区 老舗)

栄町ビル地階の天婦羅「松月」へ。広小路通を挟んだ向かいの丸栄百貨店が取り壊された跡地に食をテーマとした商業施設が出来ると最近発表があったが一時的な物らしく、この栄町ビルも含めた再開発という方針は変わっていないようだ。相変わらず1階は都心の商業ビルとは思えないほどガランとしているし、地階の”グルメフロア”も、とんかつの「いし河」が店を閉めてしまったりと寂しい。ただ「うめや」の後に寿司屋が入ったりと、何とか踏み留まってはいる。今入っている店は将来的には新しい商業施設の方に移転、そしてビルを取り壊し、なんてことになるのだろうか(※)

(※)入店している「バナナレコード」のHPによると、現在のところ取り壊し予定はまだないそう。

閑話休題。こちら中休みが無い便利な店なのだが、店に入ると半端な時間にも関わらず、5組ほども入っていて盛況。まずは(なぜか壁の品書きに書いていないが)「日本酒」をぬるめでお願いする。ご飯を食べる気は無かったので天ぷらは「天ぷら盛合せ」をお願いする。天つゆと守口漬が用意され、「大関・上撰」の小瓶が運ばれた。この日の揚げ方は若い衆と兄貴分の2人。まだ要領を得ない若い衆に兄貴分がイライラ。客も多く、天ぷらを出す順番が一緒でないのでやや混乱。確かにこれカウンターに座った人全ての順番を覚えないとダメだもんなァ。

まず小さめの海老が2本、分厚いかぼちゃ、ピーマン、穴子、鱚(きす)がやや間を開けながら置かれる。ちょっと時間がかかっているので酒を追加。「大関・しぼりたて・生貯蔵酒」の小瓶。隣の女性が「天ぷら定食」を注文していたので、タネは同じように出てくるのかと思いきや、定食の方がタネが多く、椎茸、玉ねぎ、かしわなどが置かれている。しかもこっちの「盛合せ」が終わった時に定石通り「これで終わりです」と言ってくれなかったので、まだ何か出てくるのかと待ってしまった。こちらから訊くと、もう全部出ています。」との事。うーん、今まで盛合せを頼むことが多くても気にならなかったが、酒は余してしまうし、これなら100円高くても「天ぷら定食」を頼んでご飯を遠慮した方が絶対お得だ。横に定食の人が居なきゃ気付かなかったが…(笑)。(勘定は¥1,800)

以前の記事はこちらこちら

 


 

↓ 近い将来取り壊しが確実な「栄町ビル」(昭和39年・1964・建造)の地階への階段にある店舗のハニカム看板。こういうデザインは昭和でなけりゃなかなか出てこない。

↓ 長いことそのままだった「明治屋栄ビル」(昭和13年・1938・建造)もやっと取り壊しが決まったそうだ。明治屋が撤退してからすぐに取り壊しだと思っていたら、長いことそのまなのでひょっとして存続?なんて思っていたのに…。もう見納めかと一周回って姿を記録しておいた。

 

 

 

 

 


 

天婦羅 松月 (松月栄町店)

愛知県名古屋市中区錦3-23-31 栄町ビルBF

 

( 名古屋 なごや 栄 さかえ 松月 栄町店 しょうげつ 天ぷら 天麩羅 近代建築 取壊し 明治屋ビル取壊し 栄町ビル 再開発 )

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河文(茶房) @名古屋市中区・丸の内

2019年06月11日 | 名古屋(中区 老舗)

 

名古屋の丸の内で、ある喫茶店を目指して歩いていて、ふと料亭「河文」の玄関先に”茶房”の案内が出ているのに目が留まった。平日だけなので普段は入れないが、その手があったかと休憩場所を老舗料亭に変更。言わずと知れた名古屋最古の老舗高級料亭。創業は寛永年間というから凄い(ただし現在の経営は東京の会社)。こちらの建物は登録有形文化財にも指定されている。格式高い門(写真下)を越え、大きな葵の紋の暖簾をくぐり、思い切って玄関引戸(写真上)を開けてみた。着物姿の若い給仕女性に「そのままでどうぞ。」と招かれ、靴のまま上に上がる(言われなかったら絶対靴脱いでいたナ・笑)。

 

坪庭のあるラウンジに案内される。広いひと間に6つのテーブルと椅子が置かれたゆったりとしたスペース。落ち着いた照明の店内から見える庭の木々の緑と、照り返す明るい日差しが眩しい。この佇まいだけでプライスレス。磨き抜かれた歪んだ昔のガラスもそのまま。先客は居なかったので掛軸の前の上席(笑)を選んでゆったりとした椅子に腰を下ろす。和洋の菓子と飲物の書かれた品書きから「苺のタルト」と、それに合わせた「宮ザキ園の和紅茶」をお願いした。静謐な間でゆっくりと庭を眺める。本当は建物を色々見て廻りたいところだけど、行儀が悪いのでさすがにそれは我慢。

そこにまず先付け(!)が運ばれてきた。卵白を使った菓子「都鳥」と塩昆布。当然ケーキだけと思っていたのでこれにはびっくり。紅茶はお高そうな急須に入っている。外で紅茶を飲むのって久しぶりだなァ。都鳥を食べ終わった頃「苺のタルト」が登場。思ったよりも大きく横長。大きな苺が3つ並んでいてタルト生地の硬いところにザクッとフォークを入れていただいていく。甘味と酸味が程良く、旨い。この贅沢な空間で食べているから余計に旨く感じてしまうんだろうナ。給仕女性も無粋な声を出して呼ばなくても目配せでこちらに気付いてくれるのが嬉しい。

その頃になると若奥様のグループや、社用の御使いで土産物を取りに来たサラリーマンらが入って来た。みんな自分と同様初訪のようで、昼にこうやってお茶が頂けるとは知らなかった様子でかなりテンションが上がっている。手洗いを借りたが、廊下も手洗いの中も一分の隙も無し。廊下にはデーンと大きな葵の紋が飾られ(さすが尾張徳川家御用達)、手洗いの中のアメニティーも高級ホテルかと見紛う充実ぶり。一時だけ金持ちになった気分を味わい(笑)、席に戻って勘定をお願いする。これが野口英世1枚というのだから文句のつけようが無い。素敵な休憩を終えた。(勘定は¥1,000)

 

  

河文(KAWABUN)茶房

愛知県名古屋市中区丸の内2-12-19

 

( 名古屋 なごや かわぶん 老舗料亭 さぼう 喫茶 ケーキ 和菓子 洋菓子 コーヒー 紅茶 プラン・ドゥ・シー 尾張徳川家御用達 国登録有形文化財 )

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