マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

マクベス

2016-05-30 10:53:56 | 映画ー劇場鑑賞

ーマクベスーMACBETH

2015年 イギリス/アメリカ/フランス 113

 

監督=ジャスティン・カーゼル キャスト=マイケル・ファスベンダー (マクベス) マリオン・コティヤール (レディ・マクベス) パディ・コンシダイン (バンクォー) ショーン・ハリス (マクダフ) ジャック・レイナー(マルコム王子) エリザベス・デビッキ(レディ・マグタフ) ダンカン王(デヴィッド・シューリス) 

 

【解説】

シェイクスピアによる四大悲劇の一つである戯曲を、マイケル・ファスベンダーとマリオン・コティヤールらの共演で描くドラマ。中世のスコットランドで、欲望と野心に燃える戦士マクベスとその妻の生涯を映す。メガホンを取るのは、『スノータウン』のジャスティン・カーゼル。共演には、『華麗なるギャツビー』などのエリザベス・デビッキ、『NY心霊捜査官』などのショーン・ハリスなど。圧倒的なスケールと繊細な描写や、マイケルとマリオンたちの熱演が見どころ。

 

【あらすじ】

中世のスコットランド。マクベス将軍(マイケル・ファスベンダー)は、ダンカン王(デヴィッド・シューリス)に仕えていたが、戦いで勝利を収めた際に「マクベスは領主になり、王になるだろう」という魔女の予言を聞く。そのときコーダーの領主が死亡し、マクベスを領主にする勅命が下る。王座への欲望が少しずつ心に広がっていくマクベスに、妻(マリオン・コティヤール)は……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

シェイクスピアの4大悲劇(ハムレット・オセロ・リア王)のひとつ。

この話は史実ではないようですが、ダンカン王もマクベスも実在の人物なんですね。

しかも、マクベスはダンカン王殺害の後17年も統治しているという実績もあります。

暴君ではなかったようですね。

 

シェイクスピアの作品を映画化されたときにいつも感じることですが、やはりセリフが不自然だなあ。

長いし難しいなあ。

 

マイケル・ファスペンダーのマクベス、マクベスにしたら強すぎる感じですね。

彼なら、過ちを犯さない感じ。

魔女も恐くないし。

反対にマリオン・コティヤールのマクベス夫人がそんなに悪女じゃなかった。

マクベス夫人と言えば悪女の代表みたいに使われるものね。

 

さらに、ダンカン王(デヴィッド・シューリス)が人格者で、だからマクベスの心理が複雑となり面白いんだろうけど。 

冒頭に子供が亡くなって嘆く親としてのマクベス夫妻を入れたりして、人間マクベスを強調したいいとはよくわかりました。

 

戦争でたくさんの敵にひるまず圧倒的な強さで闘うマクベスですが、魔女から受ける権力を手に入れるという甘い予言。

バンクウォーの子供が王位を継承するという不安な予言。

そのほか、いろんな予言に翻弄され、残虐な振る舞いにでては、良心の呵責に怯える弱さが強調されていました。

マクベス夫人も、自分がダンカン王を殺すようにそそのかしたのに、どんどん理性を失って残酷になっていく夫や、自分の罪が怖くなって悩み、亡くなってしまいます。

そして予言が破られたとき、マクベスは真実に気づき、死を受け入れたのでしょう。

等身大の人間としての悩みを見せるのがこの作品のテーマだと思いました。

 

疑心暗鬼、魔物は自分の心の中にいる欲望、ということでしょうか。

 

スコットランドの荒涼とした荒れ地や、領主といえども野営のような住まいなど、映像的にはとても面白かったです。

 

ふたつの名前を持つ少年

2016-05-30 10:44:37 | 映画ーDVD

ーふたつの名前を持つ少年ーLAUF JUNGE LAUF/RUN BOY RUN

2013年 ドイツ/フランス 108

 

監督=べべ・ダンカート キャスト=アンジェイ・トカチ (スルリック/ユレク) カミル・トカチ (スルリック/ユレク) エリザベス・デューダ (ヤンチック夫人) イタイ・ティラン (モシェ・フレンケル)

 

【解説】

実話を基にしたウーリー・オルレブによる児童文学「走れ、走って逃げろ」を実写化したドラマ。ユダヤ人強制居住区から逃げ出した少年が、ポーランド人を装い、名前も変え、ナチスの迫害から逃れる。監督は『セマナ -血の7日間-』などのペペ・ダンカート。双子であるアンジェイ&カミル・トカチが主人公の少年を演じ、『誰よりも狙われた男』などのライナー・ボックらが共演。過酷な運命をたどりながらも希望を捨てない少年の姿に胸を打たれる。

 

【あらすじ】

8歳の少年スルリック(アンジェイ・トカチ、カミル・トカチ)は、ポーランドのユダヤ人強制居住区から脱走。森へと逃げ込むものの寒さと飢えに襲われてしまう彼だが、ヤンチック夫人に助けられる。聡明で愛嬌(あいきょう)のあるスルリックに魅了された夫人は、彼にポーランド人孤児のユレクだと名乗るように諭し、架空の身の上話を頭にたたき込む。夫人のもとを離れ、農村を回りながら寝床と食べ物を求めるスルリック。やがて心優しい一家と出会って安息を得るが、ユダヤ人であることがばれてしまう。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

先日アップした「あの日のように抱きしめて」と同じ、第二次世界対戦下に起こった悲劇です。

この戦争に巻き込まれたたくさんの人々、ひとりひとりに物語があるのでしょうね。

「黄金のアデーレ」もそういう作品でした。

こういう、一つ一つの悲劇を世の中にだしていくという作業が、とても大切なことだと思います。

 

DVDで見たので、メイキングの特典映像があり、その中でべべ・ダンカート監督がこの作品のテーマはアイデンティティだと言っていました。

ポーランドに住むユダヤ人の8歳の少年スルリックが、ナチス侵攻により、慣れ親しんだ村からゲットーに送られ、そこから逃げ出し、父親から「名前を変えてちがう人間となって生きろ。しかし、ユダヤ人ということは忘れるな。何があっても生き延びろ」と言われ、過酷な戦時下を生き延びる話です。

 

生き延びる希望があるので、最後まで見てしまいますが、少年のスルリックには過酷過ぎる試練の連続です。

最初は孤児の仲間と一緒になって、盗みや生きる術を学んでいきますが、途中ドイツ兵に追われひとりぼっちになります。

森の冬はすごい寒さで、身を隠すところもなく、雪も雨も容赦がありません。

ヤンチック夫人の家の前で行き倒れ、夫人に助けられます。

夫も息子もバルチザンという夫人は、ボーランド人として生きていく架空の身の上話をスルリックに教えこみます。

この家を出る時、スルリックはユレクという少年になりました。

 

扉を叩き、お祈りの言葉を言うと、何人かに一人はご飯を食べさせてくれました。

働かせてくれて、匿ってくれる人もいました。

しかし、長くは続きません。

いろんな出会いと別れがあります。

 

ポーランド人に売られて、ナチスに捕まったこともあります。

でも、スルリックは勇気と機転で切り抜け、ある時は味方にもなってもらいました。

 

でも、親に捨てられ、国にも見放された少年に容易い生き方はありません。

これでもかというくらい、過酷な運命が次々と立ちはだかり、見ている私も何度も涙します。

 

事故で片腕も失いました。

 

戦争が終わり、ポーランド人として、キリスト教徒として生きる術が見つかったとき、ユダヤ人だと見破られ、ユダヤ人孤児施設から迎えが来ました。

 

抵抗しますが、生まれ故郷の村に戻り、父の言葉を思い出した時、スルリックは号泣し、ユダヤ人として生きることを決心するのでした。

 

最後にイスラエルで暮すご本人が登場しました。

生きていらして本当に良かったと思いました。

 


Dearダニー 君へのうた

2016-05-30 10:39:56 | 映画ーDVD

Dearダニー 君へのうたーDANNY COLLINS

2015年 アメリカ 107

 

監督=ダン・フォーゲルマン キャスト=アル・パチーノ (ダニー・コリンズ) アネット・ベニング (メアリー・シンクレア) ジェニファー・ガーナー (サマンサ・リー・ドネリー) ボビー・カナヴェイル (トム・ドネリー) クリストファー・プラマー(フランク・クラブマン)

 

【解説】

ジョン・レノンが新人アーティストに宛てた励ましの手紙が、数十年を経て本人に届いたという実話から着想を得たドラマ。曲を作るのをやめた往年の人気アーティストが、ジョン・レノンが自分宛てに送っていた手紙を読んだのを機に人生を見つめ直す。監督は、『塔の上のラプンツェル』などの脚本を手掛けたダン・フォーゲルマン。主演を務めた名優アル・パチーノを筆頭に、アネット・ベニング、ジェニファー・ガーナーら実力派が結集。全編で流れるジョンの楽曲も作品に彩りを添えている。

 

【あらすじ】

作曲活動から離れて何年もたち、人気アーティストとしての盛りも過ぎてしまったダニー・コリンズ(アル・パチーノ)。そんなある日、マネージャーから古い手紙を見つけたと渡される。それは駆け出しだった43年前の自分にジョン・レノンが送ってくれたもので、富や名声に自分を見失わず、音楽と真摯(しんし)に向き合うようにとつづられていた。それを読んだ彼は人生をやり直そうと決意してツアーをキャンセルし、一度も会ったことのない息子を訪ねる。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

フォークソング歌手スティーヴ・ティルストンのエピソードがこの話の元らしいです。

過去のヒット曲を引っさげて、往年のファンのためにツアーをしているダニー・コリンズ(アル・パチーノ)。

経済的には何の心配もなく、若い恋人と結婚も目前。

 

そんな彼の元に、43年前ジョン・レノンからの手紙が届く。

転売目的に中間業者が手元においていたものをマネージャーのフランク(クリストファー・プラマー)が買い戻してくれたのだ。

内容は、当時新人歌手だったダニーに、君には才能があるから真摯に頑張りなさいというもの。

自分の作った歌を諦め、他人の曲でヒットしたダニーは、突然!!生き方を変える。

 

恋人に豪邸を譲り、地方のホテルにグランドピアノを持ち込み、作曲に専念しだした。

 

生き方の変化には、あったこともない息子との関係修復も含まれていた。

発達障害を持つ孫のためにもと、息子に邪険にされても、新曲の作曲と再出発に書けるダニーだったがー。

 

ジョン・レノンの手紙。

若い時にもらっていたらダニーの人生どうなっていたことやら。

成功はなかったかもしれないけど、自分の人生を生きれたかもしれない。

息子とも違う関係があったかも。

微妙なハッピーエンドですが、心温まる作品でした。

 

アル・パチーノの歌声、なかなか素敵です。