マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

チョコレートドーナツ

2014-08-13 00:18:38 | 映画ー劇場鑑賞

ーチョコレートドーナツーANY DAY NOW

2010年 アメリカ 97

監督=トラヴィス・ファイン キャスト=アラン・カミング(ルディ・ドナテロ)ギャレット・ディラハント(ポール・フラガー)アイザック・レイヴァ(マルコ)フランシス・フィッシャー(マイヤーソン判事)

 

【解説】

1970年代アメリカの実話を基に、母親に見捨てられたダウン症の少年と一緒に暮らすため、司法や周囲の偏見と闘うゲイカップルの姿を描いた人間ドラマ。ゲイであるがゆえに法の壁に阻まれる苦悩を、テレビドラマ「グッド・ワイフ」シリーズなどアラン・カミングと、『LOOPER/ルーパー』などのギャレット・ディラハントが熱演する。メガホンを取るのは、『17歳のカルテ』などのトラヴィス・ファイン。血のつながりはなくとも、少年を守るため奔走する主人公たちの無償の愛が胸を打つ。

 

【あらすじ】

1979年カリフォルニア、歌手を目指しているショーダンサーのルディ(アラン・カミング)と弁護士のポール(ギャレット・ディラハント)はゲイカップル。母親に見捨てられたダウン症の少年マルコ(アイザック・レイヴァ)と出会った二人は彼を保護し、一緒に暮らすうちに家族のような愛情が芽生えていく。しかし、ルディとポールがゲイカップルだということで法律と世間の偏見に阻まれ、マルコと引き離されてしまう。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この作品、評判がいいのでとても見たかったのですが、なかなかタイミングが合わず、DVDかなあと諦めかけていたけど、ロングランヒット中なのですね。

劇場で見ることができました。

評判に違わず、いい作品でしたよ。

 

歌手デビューを夢見つつも、口パクのドラッグクイーンとして働いているルディ(アラン・カミング)は、貧乏暮らし。

ボロアパートで隣の騒音に悩まされながらも、家賃さえ滞納している有様です。

 

ある夜、ショーを見に来ていた検察局の検事ポール(ギャレット・ディラハント)と出会います。

二人は一目惚れでした。

 

そして、ポールと別れてアパートへ戻ると、騒音の隣家に少年マルコ(アイザック・レイヴァ)が一人でいるのを発見します。

母親は一晩帰らなかったらしい。

 

マルコを連れてポールに相談に行くが、ポールは迷惑顔。

マルコの母は、麻薬中毒者で刑務所に収監されていました。

結局、マルコは福祉の人に引き取られていってしまいます。

ところが、マルコは施設を抜け出しルディの元へ。

ルディはマルコを保護しますが、結局バレてポールと相談し、ポールの家で三人で暮らし始めました。

 

ルディの中にふつふつとわき出す母性本能。

ポールも幸せを感じ、裁判を起こしてマルコを正式に引き取ろうとしますが、偏見が強く裁判は困難を極めます。

マルコは二人と引き離され、司法取引をして刑期を短くしてでて来た実母に引き取られます。

どんなにひどい母親でも、実母に勝つ他人はいません。

 

ルディはポールのすすめで歌を吹き込んだデモテープをあちこちのプロダクションに送り、そのなかの1社から採用の知らせがあり、夢だったデビューを果たしました。

 

しかし、マルコは母から放置され、町を放浪するうちに迷子になり、人知れず橋の下で息を引き取ったのでした。

 

マルコを思って熱唱するルディ。

曲目はボブ・ディランの「I Shall Be Released」です。

 

有名な歌で、私は大塚まさじさんの「男らしいってわかるかい」をライブで聞くことが多かったんだけど、もちろんザ・バンドの「ラスト・ワルツ」の中にも出て来るし、友部正人さんの歌詞も聞いたことがありました。

この作品で、始めて日本語訳をテロップで見て、よくわからない歌詞だなあと思って、まさじさんの訳詞の素晴らしさを改めて見直しました。

 

でも、ルディの悲しさは十分に感じられて、後でジワーッと涙が沸いてきました。

ほんと、マルコ、可哀想だったね。

 

実の親から虐待されている子供がたくさんいるということは、ニュースを読んで日々感じることです。

マルコのように障害があり、人を疑うこともできない子供は、保護する大人が絶対必要だし、実の親ができないなら、愛情を持って育てられる里親が必要です。

 

最近のハリウッド映画では、ゲイのカップルが養子を育てているシチュエーションもたくさんあるので、アメリカの良いところは、良いと思ったら時代を進める力のあることですね。

日本では、まだまだ里親や養子も難しそうです。

 

でも、こんなにも少子化が進み、結婚年齢も上がっているのだから、高齢になって不妊治療をしたり、代理母を考えたりするより、家族に恵まれない子供を育てるという選択肢が普通になってもいいと思うなあ。

マルコみたいに天使のように穢れなき子供が、悲しい目に遭わないように、祈るばかりです。

子供が不幸なのは、大人の責任ですものね。

 



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
泣いてしまった (KAZEMAMA)
2014-12-11 15:33:10
やっとDVDで鑑賞しました。泣きましたよ、マルコが可哀相だけじゃなく、同じように情けない状態の今に警告されてるようで泣きました。ちっとも「ハッピーエンド」にならない現在、私はどうすればいいんだろう?考えさせられました。
小品ですが 良かった!と思いました。
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KAZEMAMAさんへ (マダムよう)
2014-12-12 09:33:00
いい映画でしたね。
情けない状態ーまさにその表現がぴったりの今現在ですね。
子供につらい思いをさせて、何が成熟社会か、と思いますね。
寒さも厳しい季節、貧しく寂しい子供に少しでも温かい手が伸ばされたらいいなあと思います。
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親よりも (ミーママ)
2014-12-17 10:11:10
ほんとに、かわいそうな子だったね~
実の親だからって、ちゃんと育てられるってことはないよね。
せっかくいい環境にいられたのにまた戻されるなんて。
アラン・カミングがきれいで哀しかったね~~
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ミーママへ (マダムよう)
2014-12-17 17:25:21
ほんと、その通り。
アラン・カミング、よかったね。
ゲイの人って、母性も生まれるのだろうか?
でも人間なら、あんなかわいいマルコを好きになって当たり前でしょう。
実母は薬に身も心も蝕まれていたんだね。
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