ーアリス・イン・ワンダーランドーALICE IN WONDERLAND
2010年 アメリカ
ティム・バートン監督 ミア・ワシコウスカ(アリス)ジョニー・デップ(マッドハッター)ヘレナ・ボナム=カーター(赤の女王)アン・ハサウェイ(白の女王)クリスピン・グローヴァー(ハートのジャック)マット・ルーカス(トウィードルダム/トウィードルディー)アラン・リックマン(芋虫のアブソレム)マイケル・シーン(白うさぎ)スティーヴン・フライ(チェシャ猫)ティモシー・スポール(ベイヤード)ポール・ホワイトハウス(三月うさぎ)バーバラ・ウィンザー(ヤマネ)マイケル・ガフ クリストファー・リー(ジャバウォッキー)
【解説】
児童小説家ルイス・キャロルが1865年に発表した「不思議の国のアリス」と、その続編「鏡の国のアリス」のヒロインであるアリスの新たな冒険を、ティム・バートン監督がイマジネーションあふれる世界観で描くファンタジー。アリスを演じるのはオーストリア出身の新進女優ミア・ワシコウスカ。ストーリーの鍵を握る重要なキャラクターである帽子屋を、バートン監督と7度目のコンビとなるジョニー・デップ。そのほかにヘレナ・ボナム=カーターやアン・ハサウェイら豪華キャストの出演も話題となっている。
【あらすじ】
白ウサギと遭遇したことによって不思議の国へと迷い込んだアリス。そこは、美しくもグロテスクなファンタジーワールドで、トゥィードルダムとトゥィードルディーや、赤の女王とその妹で慈悲深い白い女王たちに出会う。
(シネマトゥデイ)
【感想】
あまりにも有名なルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」を下敷きに、19歳になったアリスが、再びワンダーランドを訪れると言うお話です。
ルイス・キャロルの脈絡のないおとぎの世界が、ティム・バートンによってどう表現されるのか、とても興味深いものがあります。
また、ティムの盟友、ジョニー・デップが、マッドハッター役で、アリスの導き役をするというのも、わくわくしました。
初日は、どの映画館も満員で、グッズも売り切れ続出ーと聞いて、私はとりあえず2D鑑賞をすることにしました。
☆ネタバレ
19歳のアリス(ミア・ワシコウスカ)は、理解者であった父を亡くし、父の会社を買い取ってくれた父の友人である実業家のパーティに母と出席しました。
そこでは、その実業家の息子の求婚を受け入れる、という儀式が待っていました。
そこに、時計を持ったウサギ(マイケル・シーン)が現れ、あの日と同じようにアリスはワンダーランドへ落ちていきました。
求婚者やそれを見守るお客さんを残して。
あの日と同じと言っても、アリスには悪夢の中の出来事にしか過ぎなかったし、ほとんどのことを忘れていました。
そして、そこはワンダーランドではなく、リアルなアンダーランドだったのです。
ティムの描くダークなアンダーランドは素敵です。
背景もキャラクターたちも詳細に描き込まれて、魅力的です。
衣装もとても素敵。
マッドハッターの帽子は質感といい、形といい、映画の象徴のように素敵でした。
アリスが6歳のときに来た時とは違って、前女王が亡き後、赤の女王(ヘレナ・ボナム=カーター)と白の女王(アン・ハサウェイ)が対立して、今は赤の女王が恐怖で治める国となっていました。
予言の書によれば、勇士が来て赤の女王の操るジャバウォッキー(クリストファー・リー)を倒すというのです。
その勇士こそ、アリスと、アンダーランドの生き物たちは信じていました。
そこに現れたアリス。
これは本物?
とみんなが思います。
賢者の芋虫(アラン・リックマン)は「ほとんどアリスではない」と言いますが、マッドハッターは本物のアリスと信じて、白の女王の元に導こうとします。
アリスの成長物語+アンダーランドでの戦いというのが内容です。
3Dで見なくても、アンターグラウンドは十分に素敵ですし、キャラクターも個性的で面白いです。
赤の女王はすごく頭が大きくて、それがコンプレックスとなり、妹で誰にでも愛される白の女王への嫉妬が、幼児性の残虐さを助長させているという人物です。
それに媚びへつらっているハートのジャック(クリスピン・グローヴァー)も大悪人で面白いキャラです。
マッド・ハッターは右目と左目の瞳孔の大きさが違って、喜怒哀楽が激しいけれど、全面的にアリスの理解者です。
最後に踊るくねくねダンスは、面白い。
ジョニーが自分で踊っているのかしら?
チェシャ猫(スティーヴン・フライ)は進出奇抜で、いい表情をしています。
あと、双子やヤマネや犬や怪物なども、人間的情感に溢れていて、みんなとても素敵でした。
残酷シーンもほどよく入って、大人向きです。
と、とても凝っている映画なんですが…
ここから辛口になります。
とにかく、ストーリーがあまりに単純だと思いました。
19歳のアリスが、求婚者をほったらかして、ウサギの後を追う、という幼児性が、アンダーランドの中でも「夢から覚めたら…」と現実逃避ばかりしている幼さとして表現されています。
マッドハッターが「前はもっと強かったのに」と言いますが、確かに、6歳のアリスは、好奇心に溢れた、とても勇敢で強い子供でした。
赤の女王の残虐性は、親からも愛されないその容姿にあるのに、結局は、追放されてしまいます。
アリスの活躍で、白の女王の勝利となるのですが、この白の女王は、自分で難局に立ち向かうことのない女王で、「私は殺生はしない」と平気で言っています。
これって、アリスに嫌なことを押し付けて、責任逃れなんじゃないの?と、白の女王を信じる気持ちにもなれませんでした。
そう言わせるには、それだけのいろいろ理由はあるんですが、でもねー。
白の女王、アン・ハサウェイの大きな口をさらに誇張して、しかもぶりっ子であんまり好きにはなれませんでした。
まだ、赤の女王の方が、ハートのおチョボ口など、かわいげがありました。
とにかく、アリスは冒険をやり遂げて地上世界に戻り、求婚を断って、実業家の助手となり、船に乗って貿易の旅に出るというエンディングです。
これが現代の夢?
私は、この結末に、はたと戸惑ってしまう。
今私たちの見たい夢は、お金持ちになることではないと思うんだけどなあ。
ティムよ、お前もか?と言いたくなりました。
いままで、マイノリティばかりを描いて来て、マイノリティの寂しさや優しさに心を寄せて来たはずのティムが、あわれな赤の女王や求婚者を切り捨てて、実業の世界にというエンディング、これでいいのかあ?
キャラクターや世界観が相変わらず素敵だっただけに、この結末には正直言って、がっかりしました。
でも、3Dでもう一度見るつもりです!!
2010年 アメリカ
ティム・バートン監督 ミア・ワシコウスカ(アリス)ジョニー・デップ(マッドハッター)ヘレナ・ボナム=カーター(赤の女王)アン・ハサウェイ(白の女王)クリスピン・グローヴァー(ハートのジャック)マット・ルーカス(トウィードルダム/トウィードルディー)アラン・リックマン(芋虫のアブソレム)マイケル・シーン(白うさぎ)スティーヴン・フライ(チェシャ猫)ティモシー・スポール(ベイヤード)ポール・ホワイトハウス(三月うさぎ)バーバラ・ウィンザー(ヤマネ)マイケル・ガフ クリストファー・リー(ジャバウォッキー)
【解説】
児童小説家ルイス・キャロルが1865年に発表した「不思議の国のアリス」と、その続編「鏡の国のアリス」のヒロインであるアリスの新たな冒険を、ティム・バートン監督がイマジネーションあふれる世界観で描くファンタジー。アリスを演じるのはオーストリア出身の新進女優ミア・ワシコウスカ。ストーリーの鍵を握る重要なキャラクターである帽子屋を、バートン監督と7度目のコンビとなるジョニー・デップ。そのほかにヘレナ・ボナム=カーターやアン・ハサウェイら豪華キャストの出演も話題となっている。
【あらすじ】
白ウサギと遭遇したことによって不思議の国へと迷い込んだアリス。そこは、美しくもグロテスクなファンタジーワールドで、トゥィードルダムとトゥィードルディーや、赤の女王とその妹で慈悲深い白い女王たちに出会う。
(シネマトゥデイ)
【感想】
あまりにも有名なルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」を下敷きに、19歳になったアリスが、再びワンダーランドを訪れると言うお話です。
ルイス・キャロルの脈絡のないおとぎの世界が、ティム・バートンによってどう表現されるのか、とても興味深いものがあります。
また、ティムの盟友、ジョニー・デップが、マッドハッター役で、アリスの導き役をするというのも、わくわくしました。
初日は、どの映画館も満員で、グッズも売り切れ続出ーと聞いて、私はとりあえず2D鑑賞をすることにしました。
☆ネタバレ
19歳のアリス(ミア・ワシコウスカ)は、理解者であった父を亡くし、父の会社を買い取ってくれた父の友人である実業家のパーティに母と出席しました。
そこでは、その実業家の息子の求婚を受け入れる、という儀式が待っていました。
そこに、時計を持ったウサギ(マイケル・シーン)が現れ、あの日と同じようにアリスはワンダーランドへ落ちていきました。
求婚者やそれを見守るお客さんを残して。
あの日と同じと言っても、アリスには悪夢の中の出来事にしか過ぎなかったし、ほとんどのことを忘れていました。
そして、そこはワンダーランドではなく、リアルなアンダーランドだったのです。
ティムの描くダークなアンダーランドは素敵です。
背景もキャラクターたちも詳細に描き込まれて、魅力的です。
衣装もとても素敵。
マッドハッターの帽子は質感といい、形といい、映画の象徴のように素敵でした。
アリスが6歳のときに来た時とは違って、前女王が亡き後、赤の女王(ヘレナ・ボナム=カーター)と白の女王(アン・ハサウェイ)が対立して、今は赤の女王が恐怖で治める国となっていました。
予言の書によれば、勇士が来て赤の女王の操るジャバウォッキー(クリストファー・リー)を倒すというのです。
その勇士こそ、アリスと、アンダーランドの生き物たちは信じていました。
そこに現れたアリス。
これは本物?
とみんなが思います。
賢者の芋虫(アラン・リックマン)は「ほとんどアリスではない」と言いますが、マッドハッターは本物のアリスと信じて、白の女王の元に導こうとします。
アリスの成長物語+アンダーランドでの戦いというのが内容です。
3Dで見なくても、アンターグラウンドは十分に素敵ですし、キャラクターも個性的で面白いです。
赤の女王はすごく頭が大きくて、それがコンプレックスとなり、妹で誰にでも愛される白の女王への嫉妬が、幼児性の残虐さを助長させているという人物です。
それに媚びへつらっているハートのジャック(クリスピン・グローヴァー)も大悪人で面白いキャラです。
マッド・ハッターは右目と左目の瞳孔の大きさが違って、喜怒哀楽が激しいけれど、全面的にアリスの理解者です。
最後に踊るくねくねダンスは、面白い。
ジョニーが自分で踊っているのかしら?
チェシャ猫(スティーヴン・フライ)は進出奇抜で、いい表情をしています。
あと、双子やヤマネや犬や怪物なども、人間的情感に溢れていて、みんなとても素敵でした。
残酷シーンもほどよく入って、大人向きです。
と、とても凝っている映画なんですが…
ここから辛口になります。
とにかく、ストーリーがあまりに単純だと思いました。
19歳のアリスが、求婚者をほったらかして、ウサギの後を追う、という幼児性が、アンダーランドの中でも「夢から覚めたら…」と現実逃避ばかりしている幼さとして表現されています。
マッドハッターが「前はもっと強かったのに」と言いますが、確かに、6歳のアリスは、好奇心に溢れた、とても勇敢で強い子供でした。
赤の女王の残虐性は、親からも愛されないその容姿にあるのに、結局は、追放されてしまいます。
アリスの活躍で、白の女王の勝利となるのですが、この白の女王は、自分で難局に立ち向かうことのない女王で、「私は殺生はしない」と平気で言っています。
これって、アリスに嫌なことを押し付けて、責任逃れなんじゃないの?と、白の女王を信じる気持ちにもなれませんでした。
そう言わせるには、それだけのいろいろ理由はあるんですが、でもねー。
白の女王、アン・ハサウェイの大きな口をさらに誇張して、しかもぶりっ子であんまり好きにはなれませんでした。
まだ、赤の女王の方が、ハートのおチョボ口など、かわいげがありました。
とにかく、アリスは冒険をやり遂げて地上世界に戻り、求婚を断って、実業家の助手となり、船に乗って貿易の旅に出るというエンディングです。
これが現代の夢?
私は、この結末に、はたと戸惑ってしまう。
今私たちの見たい夢は、お金持ちになることではないと思うんだけどなあ。
ティムよ、お前もか?と言いたくなりました。
いままで、マイノリティばかりを描いて来て、マイノリティの寂しさや優しさに心を寄せて来たはずのティムが、あわれな赤の女王や求婚者を切り捨てて、実業の世界にというエンディング、これでいいのかあ?
キャラクターや世界観が相変わらず素敵だっただけに、この結末には正直言って、がっかりしました。
でも、3Dでもう一度見るつもりです!!
でもラストについては同感です。
せめて商談提案の前で終わって欲しかったかな。
白の女王はまるでディズニー映画のお姫様のヒラヒラ手振りを誇張するかのような動きで、これはこれで何かを皮肉っているのだと穿った見方をしております。
赤の女王の孤独感が凄く伝わってきて、ヘレナ上手いと思いました。
でも勧善懲悪の結末は子供に語って聞かせるには自然な展開なのかもしれないですよ(^^;
何しろディズニー映画ですからねぇ。ティム本来のカラーを全面に出すことに障害があったりして(笑)
自分の思いをうまくまとめるのが苦手な私。
マダムの感想は助かります。
なるほど うんうん、そうそう、その通り!!!
さすがマダム うまくまとめてくれるわ~(^^)g
すっきりしました! あ り が と。
今回のティム
企業側の意向に合わせ 決められた枠の中 おりこうさんに作ったのかなぁ~
優等生なティムには魅力ないよぉ~ なんて・・・
私も、これがディズニーの限界とみました。
妥協のラストじゃないでしょうか?
でも、それじゃあ、ティム&ジョニーのファンは物足りないよね。
それでも、ヒットするのが、ジョニー人気なのかなあ?
ジョニーもティムも、お子さんが小さいから、しばらくはお子様路線なのでしょうか?
ティムのファンのつぶやきですよね。
「ナイトメア~」の世界観は、本当に素敵で、「コープスブライド」につながったわけですが、今回のアリスでもその世界観は同じだと思いました。
それなのに、赤の女王を最後まで道化扱いにして、救えなかったところが、実に残念でした。
同感していただいて、ありがとうございます
アリスが最後船に乗ってたでしょ、あれはあの当時はすごいことじゃないんでしょうか。
結婚していい奥さんになるだけが女の生き方の世の中で、事業家になるっていうのは優等生とは正反対じゃない?
白の女王は、一見いい子のようで実は裏にいろいろ秘めていそうな怪しさがあったよね。
赤の女王は、可愛かった~~♪
で、やっぱネコ!いいですね~~~!
あの変幻自在な動きがステキだわ。
いつの間に変身できるようになったのか知らないけどww
ウサギももっと出番があったらよかったね~可愛かったのに。
アンハサウェイは最近、妙な役ばかりやってますね。
赤の女王が、人間見た目のコンプレックスは、こんなにひどい目に会うという結末。現実的すぎる現代の残酷物語というか。素直すぎる私はただ、あ~あと思っただけでした。。。
アンハサウェイは逆に美人なだけと思われるのが、コンプレックスかも。なんて。
反論するみたいで悪いけど、それでは、男みたいに生きることがいいみたいじゃない?
今は、それもあかんかったという時代で、男も女ももっといい生き方を模索しているときに、昔の価値観を持って来て終わりじゃ、不満だわ。
特に、アリスはワンダーランドで掴んだことを、体現する役割なんだから、そんな当たり前のことでは困るわー。
白の女王は、なんかひっかかる人ね。
感情移入がしにくかった。
赤の女王をもっと膨らませても良かったなあ。
さすが、ヘレナ、うまかったねえ。
チェシャ猫が、三日月に重なってぼやっと消えるシーン、よかったわー。
あそこが最高だったわ。
ウサギも、マイケル・シーンが声ををやっているんだから、もっと面白いことやってもらいたかったね。
ほんと、彼女も残酷だけど、救いもないですね。
白の女王も、かわいいだけでは、勇気も闘う力も育たないということでしょうか?
生きにくい世の中ですよね。
また途中でウトウトしてしまったので、偉そうなことは言えませんが・・・
確かにマダムのいうように、産経新聞にも【女性の本当の幸せとは】っていうような内容のコラムがあったけれど、イケイケどんどんの勝間和代(カツマー)のような生き方に憧れる人もいれば、香山リカのようにしがみつかない生き方を望む人も・・・
生きにくい世の中ですよね
レディースディだったんで、ダブルで見た【のだめカンタービレ】、音楽の奥深さに触れて感動もので、のだめちゃんのような生き方もありかなって感じでアリスより良かったです
本当に、今の女の子の生き方は多様で難しい。
ひとつのモデルでは表現しきれないですよね。
でも、私は古い人間なので、パートナー選びも大切だと思うし、そこに夢を描いていきたい気持ちもあるなあ。
のだめ~は結局見ませんでした。
DVDを楽しみにします。