ーレヴェナント:蘇りし者ーTHE REVENANT
2015年 アメリカ 156分
監督=アレハンドロ・G・イニャリトゥ キャスト=レオナルド・ディカプリオ (ヒュー・グラス) ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ) (ジョン・フィッツジェラルド) ドーナル・グリーソン (ヘンリー隊長) ウィル・ポールター (ジム・ブリジャー)
【解説】
レオナルド・ディカプリオと、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』などのアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督がタッグを組んだ話題作。狩猟中に瀕死(ひんし)の重傷を負ったハンターが、自分を荒野に置き去りにした仲間に復讐(ふくしゅう)するため壮絶なサバイバルを繰り広げるさまを描く。主人公の宿敵には、『インセプション』でディカプリオと共演しているトム・ハーディ。オスカー常連のカメラマン、エマニュエル・ルベツキが自然光のみで撮り上げた臨場感あふれる映像にも注目。
【あらすじ】
アメリカ西部の原野、ハンターのヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は狩猟の最中に熊の襲撃を受けて瀕死(ひんし)の重傷を負うが、同行していた仲間のジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)に置き去りにされてしまう。かろうじて死のふちから生還したグラスは、自分を見捨てたフィッツジェラルドにリベンジを果たすべく、大自然の猛威に立ち向かいながらおよそ300キロに及ぶ過酷な道のりを突き進んでいく。(シネマトゥデイ)
【感想】
今年のアカデミー賞で主演男優賞、監督賞、撮影賞に輝いた作品。
この作品で、レオナルド・ディカプリオは念願のオスカーを手にしました。
おめでとうございます。
いやいや、これはレオ様の代表作となる作品でしょう。
ものすごい演技。
引き込まれました。
西部開拓時代、軍隊とともに毛皮を獲る人たちと、インディアンの闘い。
最初からすごい緊張感です。
この緊張感が、緩むことなくラストまで続いていきます。
でも、観客が疲れてしまうことはないです。
結構な長尺ですが、飽きることはないですよ。
ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は先住民族ポーニー族の妻との間に生まれた一人息子ホークと、毛皮を獲るグループに雇われてガイドをしている。
先住民の部族は騎兵隊に妻も含めて全滅させられるという過去を持っていた。
先住民族アリカラ族に襲われ、せっかく採集した毛皮を置いて船で逃げ出した一行。
アリカラ族たちは、誘拐された酋長の娘がグラスたちのグループにいると見て執拗に追ってくる。
リーダーのヘンリー隊長は何度も危機を救ったグラスに恩義を感じているが、毛皮ハンターのフィッツジェラルド(トム・ハーディ)は、グラスのせいで毛皮を捨てなければならなかったと恨んでいた。
斥候としてグループより先に出発していたグラスはグリズリーの親子に出会い、襲われる。
瀕死の状態になりながらもグリズリーを倒したグラスだったが、動けない。
そこにグループが到着し、医師の心得のあるヘンリー隊長が手当をする。
みんなはグラスを担架に乗せて砦を目指し行進する。
しかし、雪深い険しい山が待ち構えていて、瀕死のグラスを置いていく決断をする。
報奨金を出して希望者を募り、グラスの看取りと丁寧な埋葬を命じて、グループは先を急いだ。
残された3人の中にフィッツジェラルドがいた。
☆ネタバレ
フィッツジェラルドが身動きできないグラスの目の前でホークを殺害します。
仲間のブリジャーにアリカラ族が迫っていると嘘をつき、グラスを墓穴に生き埋めにし、置き去りにします。
冷たい土の中から蘇りし者グラスは、息子の復讐を胸に、回復の努力をしていくのがこの作品の醍醐味です。
あそこまで深手を負ったグラスが真冬の山の中を彷徨い、生き延びるなんて、あり得ないと思いますが、実に丁寧にその過程を描いています。
アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督は手練だなあと感心しました。
いろんな出会いがありながら、グラスは砦にたどり着き、フィッツジェラルドを追いつめるのですが…。
宗教色も強いです。
最後は神の手に運命を委ね、妻の幻影と会い、グラスの目は何を物語るのか!!
グラスの最後の表情、すごいです。
深く刻まれた額のしわが、彼の波乱の人生を語っているのでしょう。
グリズリーとの闘いもすごいし、凍りそうな川を流されていくシーン、死んだ馬のはらわたを掘り出して馬の腹に裸で隠れるシーン、ヘンリー隊長の死体を発見した時の遠景の雪崩もすごい。
このカメラワーク、確かにアカデミー賞ものでしょう。
命、弱くはかないものではあるけど、すごく強靭だったりします。
それはなぜかと考えてしまう。
神の意思なのか?
ホークの死体を発見して、寄り添って眠るシーンは悲しいです。
あれが彼の復讐心の拠り所ですね。
グラスが殺したグリズリーの毛皮が体温低下を防いで歩けない彼を助けてくれるとか、助けてくくれた一匹狼のインディアンがフランス軍に殺されて、フランス軍の中に酋長の娘がいて、グラスが彼女を助けたことが、最終的には彼の命も救うとか、因果応報みたいな話にもなっています。
悪の権化を演じたトム・ハーディもすごくよかったです。
彼あってこその作品、と思いました。
ぜひ、劇場でご覧下さい。
お薦めです。
大作を見たという気分になりました。
グリズリーとの闘い、やはりあれが一番やね。
デカプリオ ドロドロでよく頑張ったなあ・・・と。
デカプリオの一人芝居のような感じでしたが 私は好きです。
記念すべき作品ですね、笑!