ーゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~ーGOETHE!
2010年 ドイツ
フィリップ・シュテルツェル監督 アレクサンダー・フェーリング(ヨハン・ゲーテ)ミリアム・シュタイン(シャルロッテ・ブッフ)モーリッツ・ブライブトロイ(アルベルト・ケストナー)ヘンリー・ヒュプヒェン(ゲーテの父)ブルクハルト・クラウスナー(シャルロッテの父)
【解説】
1774年に刊行されたドイツの文豪ゲーテの小説「若きウェルテルの悩み」誕生の背景を、青年時代のゲーテを主人公に熱く燃え上がる恋の物語として映画化。『アイガー北壁』のフィリップ・シュテルツェルが脚本と監督を務め、秘められたゲーテのかなわぬ恋の物語を通して、誰もが共感する普遍的な恋の喜びをうたい上げる。ゲーテ役の『イングロリアス・バスターズ』のアレクサンダー・フェーリングをはじめ、刊行当時のヨーロッパで“ウェルテル現象”なる社会的なブームを巻き起こした名作を彩る、才能あふれるキャストたちの名演も必見。
【あらすじ】
弁護士志望で自由奔放な若者のゲーテ(アレクサンダー・フェーリング)は、ある日、美しい少女シャルロッテ(ミリアム・シュタイン)と恋に落ちるも、こともあろうに彼女は父親の命令でゲーテの上司であるケストナー(モーリッツ・ブライブトロイ)と結婚することに。失望したゲーテは自分の最後の気持ちを彼女に伝えるために、ゲーテとシャルロッテのかなわぬ恋の物語を書き始めるのだか……。(シネマトゥデイ)
【感想】
ゲーテって、ものすごい文豪というイメージ。
結局、読んだことがない。
ふーん、「若きウェルテルの悩み」って、自分の失恋がモデルだったんですね。
激動の18世紀から19世紀半ばに生き、文学はもちろんのこと、自然科学や芸術分野で近代への道を開いた人なのでしょう。
この作品では、若くみずみずしい青年ゲーテが描かれていて、全く堅苦しくない青春映画でした。
大文豪も、青春時代は恋に悩み、いろんなところで頭を打って、叱られたり、早とちりしたりしながら、体当たりで生きていたんですね。
みんな、同じやねえ。
なんか、ほっとします。
親から仕送りを受けて大学生活をしているゲーテ(アレクサンダー・フェーリング)。
試験に落ちて、悪態を地面に書いて下宿へ戻ると、父が来ていた。
詩人として独り立ちをすることを夢見ていたゲーテだったが、出版社から不採用の返事が届いた。
父からヴェツラーの裁判所で修行するように命じられる。
ヴェツラーでは、参事のケストナー(モーリッツ・ブライブトロイ)の下で働くことになった。
同僚のイェルーザレムと親しくなり、ある舞踏会でシャルロッテ(=ロッテ)・ブッフ(ミリアム・シュタイン)と出会う。
ロッテとゲーテは引かれ合い、恋に落ちる。
ところが、ロッテの家は母が亡くなり、たくさんの兄弟がいて、父も高齢で働きが悪く、ロッテがお金持ちと結婚するのが一家にとっての最良の策だった。
ケストナーがロッテに興味を持ち、ロッテの父親もこの縁談に乗り気になった。
ロッテも、家庭の状態を考えると、この話をむげにも断れず、ケストナーもいい人だったので、結婚の申し込みを受けた。
そんなころ、イェルーザレムが失恋して自殺するという衝撃的な事件が起きた。
ゲーテは大変動揺した。
そして、ゲーテも失恋した。
ケストナーとゲーテは意気投合して、仲良くなっていただけに、お互いが恋敵で、しかも、ロッテが愛しているのはゲーテで、結婚するのはケストナーということがわかり、二人ともショックを受け、決闘となる。
しかし、決闘は当時法律違反、ゲーテはケストナーにはめられ、牢獄へ。
そして牢獄で、「若きウェルテルの悩み」をロッテのために書き上げ、自殺を覚悟する。
物語を読んだロッテは、牢屋へ会いにきて、「物語の中で二人は一緒だ」と伝える。
父の尽力で牢屋から出たゲーテは、父とともに故郷へ戻って行く。
傷心を抱いて。
故郷へ帰ると、印刷屋の前で人々が騒いでいる。
馬車が進めなくて、ゲーテが降りると、みんな本を持っている。
よく見ると、それは自分が書いた「若きウェルテルの悩み」だった。
彼の才能を見抜いたロッテが出版社に持ち込んだのだった。
ゲーテだとわかると、旧友たちや民衆が集まって、その場は一転サイン会の会場となった。
そばでは「私の息子です」と自慢している父がいた。
安心してみていられる青春映画でした。
ロッテの明るさとたくましさに、好感が持てました。
男は大失恋して文豪になるのかな?
がんばれ、若者!!