ール・アーヴルの靴みがきーLE HAVRE
2011年 フィンランド/フランス/ドイツ
アキ・カウリスマキ監督 アンドレ・ウィルム(マルセル・マルクス)カティ・オウティネン(アルレッティ)ジャン=ピエール・ダルッサン(モネ警視)ブロンダン・ミゲル(イドリッサ)エリナ・サロ(クレール)イヴリーヌ・ディディ(イヴェット)クォック=デュン・グエン(チャング)フランソワ・モニエ(ジャン=ピエール)ロベルト・ピアッツァ(リトル・ボブ)ピエール・エテックス(ベッカー医師)ジャン=ピエール・レオ(密告者)
【解説】
『街のあかり』などのフィンランドが誇る巨匠アキ・カウリスマキ監督によるヒューマン・ストーリー。フランスの北西部にある港町を舞台に、毎日を必死に生きる庶民たちの生活を描くと同時にヨーロッパとは切っても切れない関係にある難民問題についても問い掛ける。『白い花びら』でも共演したアンドレ・ウィルムとカティ・オウティネンが今回は仲むつまじい夫婦を好演。ごくありふれた人々が紡ぎ出す、心温まる奇跡の物語が観る者の琴線に触れる。
【あらすじ】
昔パリで暮らしていた芸術家のマルセル(アンドレ・ウィルム)は、今は港町ル・アーヴルで靴磨きをしながら生計を立てている。彼は自分に尽くしてくれる妻(カティ・オウティネン)と愛犬ライカとの暮らしに満足していた。だが、ある日妻が病気で入院した後、アフリカからの難民の少年と出くわし、警察に追跡されている彼をかくまうことにする。(シネマトゥデイ)
【感想】
アキ・カウリスマキ監督作品は、初めて見ます。
この監督さん、人気が高いですね。
立ち見が出る盛況ぶり。
内容はべたべたの人情劇です。
寅さんも真っ青。
ただ、役者さんがみんな無表情で、淡々としています。
マルセル(アンドレ・ウィルム)はル・アーブルというフランスの港町で靴磨きをしている老人。
なんにもない、貧しい暮らしだけど、妻のアルレッティ(カティ・オウティネン)と犬のライカとの暮らしで満ち足りていました。
ところが、ある日仕事から帰るとアルエッティが倒れていて、しばらく入院することに。
マルセルには内緒ですが、癌に冒され、余命幾ばくもないことがわかりました。
港に入ってきた舟のコンテナにセネガルからの難民がいて、その中から一人の少年が逃げ出しました。
桟橋の下に隠れているイヴェット(イヴリーヌ・ディディ)を見つけたマルセルは、こっそりとサンドイッチを置いておくのでした。
朝起きてみると、イヴェットがライカと一緒に物置で寝ていました。
それから、マルセルはイヴェットのために、彼の祖父を捜しに行き、母親がロンドンにいることを突き止めました。
さらに、密航のお手伝いもしてあげます。
ご近所の人たちも、密告する人もいるのですが、警察の人さえも、マルセルに力を貸すところがすごいです。
警察に追われているイヴェットが、バスに乗ってアルエッティに会いに行くところが私には謎でしたが、最終的にはアルエッティにも奇跡が起きて、癌が消えてしまいました。
と、これだけのお話です。
でも、折しもフランスの大統領選挙で、政権が変わりました。
移民の問題や、不法入国者の問題など、フランスの抱える問題も根が深そうです。
フランス人が見たら、人情劇に隠れた皮肉をたくさん発見するかもしれないなあと思いました。
アルエッティの髪飾りがヒトデの形をしています。こんなところがかわいいなあ。