マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

シャッター・アイランド

2010-04-21 10:55:19 | 映画ー劇場鑑賞
ーシャッターアイランドーSHUTTER ISLAND
2009年 アメリカ
マーティン・スコセッシ監督 レオナルド・ディカプリオ(テディ・ダニエルズ)マーク・ラファロ(チャック・オール)ベン・キングズレー(ジョン・コーリー医師)ミシェル・ウィリアムズ(ドロレス・シャナル)エミリー・モーティマー(レイチェル・ソランド)マックス・フォン・シドー(ジェレマイアー・ネーリング医師)パトリシア・クラークソン(真実を知る謎の女)ジャッキー・アール・ヘイリー(ジョージ・ノイス)イライアス・コティーズ(アンドルー・レディス)

【解説】
『ディパーテッド』のマーティン・スコセッシ監督とレオナルド・ディカプリオが再びタッグを組んだ、不可解な事件が起きた孤島を舞台に、謎解きを展開する本格ミステリー大作。原作は『ミスティック・リバー』の著者、デニス・ルヘインの同名小説。主演のディカプリオが島を捜査する連邦保安官を演じ、『帰らない日々』のマーク・ラファロ、『ガンジー』のベン・キングズレーが共演。次々に浮かび上がる謎や、不気味な世界観から目が離せない。

【あらすじ】
精神を病んだ犯罪者の収容施設がある孤島、シャッター アイランド。厳重に管理された施設から、一人の女性患者が謎のメッセージを残して姿を消す。孤島で起きた不可解な失踪(しっそう)事件の担当になった連邦保安官のテディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)は、この孤島の怪しさに気付き始める……。(シネマトゥデイ)

【感想】
予告編で、「謎解き」がテーマのような印象を与えていますが、実際に鑑賞してみると、本題は謎解きではありませんでした。
人間の精神の複雑さがテーマだと思いました。

「超吹き替え」も目玉みたいだけど、本当にレオナルド・ディカプリオがいい演技をしているので、字幕で見て欲しいと思います。

シャッター・アイランドと呼ばれる精神病から重大犯罪を犯した人の収容施設の、レイチェル・ソランドという患者が失踪したという事件に、連邦保安官のテディ・ダニエルズ(レオナルド・ディカプリオ)が担当となり、フェリーで島に渡るところから物語は始まります。
同じ任務に就いたチャック・オール(マーク・ラファロ)も乗船していました。

シャッター・アイランドは、断崖絶壁の孤島で、船着き場は1箇所しかなく、南北戦争当時の要塞もあり、そこが重症患者の収容施設になっていました。
島に上陸するとおびただしい数の警察官がいて、副所長が、病院医長のコーリー(ベン・キングズレー)の部屋まで案内してくれました。

ここからのストーリーは全部がネタバレになっちゃうので書きません。

でも、テディには本当に悲しい人生があったのです。
謎解きを考えるより、テディの悲しい人生を思いながらこの映画を見ると、とても感動的なラストとなることでしょう。

私も謳い文句に乗せられて、「何が謎を解くヒントなのか」と思ってみてしまいましたから、テディの悲しみに思いが至らないまま終わってしまいました。

これは、もう一回見に行きたいなあ。
テディの辛い人生にどっぷりとつかって。


テディ(レオナルド・ディカプリオ)

ぐるりのこと。

2010-04-21 10:40:36 | 映画ーDVD
ーぐるりのこと。ー
2008年 日本
監督=橋口亮輔 キャスト=木村多江(佐藤翔子)リリー・フランキー(佐藤カナオ)倍賞美津子(吉田波子)寺島進(吉田勝利)安藤玉恵(吉田雅子)八嶋智人(諸井康文)寺田農(吉田栄一)柄本明(安田邦正)木村祐一(夏目先輩)斎藤洋介(橋本浩二)温水洋一(和久井寛人)峯村リエ(生方圭子)山中崇(小久保健二)加瀬亮(田中ツヨシ)光石研(幼女誘拐殺人事件の弁護士)田辺誠一(売春事件の裁判長)横山めぐみ(資産家の母親)片岡礼子(小山悦子)新井浩文(大間真治)

【解説】
前作『ハッシュ!』が国内外で絶賛された橋口亮輔監督が、6年ぶりにオリジナル脚本に挑んだ人間ドラマ。1990年代から今世紀初頭に起きたさまざまな社会的事件を背景に、困難に直面しながらも一緒に乗り越えてゆく夫婦の10年に渡る軌跡を描く。主演は『怪談』の木村多江と、『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』の原作者リリー・フランキー。決して離れることのない彼らのきずなを通して紡がれる希望と再生の物語が、温かな感動を誘う。

【あらすじ】
1993年、何事にもきちょうめんな妻の翔子(木村多江)と法廷画家の夫カナオ(リリー・フランキー)は、子どもを授かった幸せをかみしめていた。どこにでもいるような幸せな夫婦だったが、あるとき子どもを亡くしてしまい、その悲しみから翔子は心を病んでしまう。そんな翔子をカナオは温かく支え続け、2人の生活は少しずつ平穏を取り戻してゆく。

【感想】
この作品、よかったです。
夫婦の何気ない会話が、とてもリアルで共感できました。
この自然さって、日本映画には少ないと思います。

翔子(木村多江)とカナオ(リリー・フランキー)の30歳から40歳までの夫婦の話です。

二人は美大の同級生。
祥子は出版社で働き、カナオは靴屋でアルバイトをしていた。
そんなある日、カナオは先輩の紹介で法廷画家という職業を得た。
なれない職場に戸惑いながらも、マイペースで仕事に打ち込んでいき、個性的な職場の人たちにも受け入れてもらえるようになります。
彼にあった職場が見つかったという感じです。

祥子は、几帳面な性格で、出版社でバリバリと働いていた。
二人は同棲していたのですが、妊娠して結婚、出産。
でも、不幸なことに子供は死んでしまった。

それまで、明るかった祥子は、落ち込みが激しく、とうとう鬱症状となり、仕事もできなくなってしまった。
夫婦の会話も減り、祥子はますます自分の殻に閉じこもってしまう。

カナオの仕事が法廷画家ということで、地下鉄サリン事件や幼女連続誘拐殺人事件、付属池田小学校事件などの法廷場面が、時代背景として示され、豪華脇役陣も楽しめました。

私もこの時代を生きて来たわけですが、思いだすのも辛い事件ばかりです。
そして、凶悪犯罪に対して鈍感になってしまった10年間でもありましたね。

壊れた人間の起こした事件を思いだすたび痛ましいのですが、それに呼応するように、体と心のバランスを崩して、感情的になっていく木村多江さんの演技が素晴らしいです。
2008年の日本アカデミー賞主演女優賞ほか、たくさんの賞を受賞しています。

でも、妻がどんな状態になっても、カナオは自然体で寄り添います。
元気だった頃、祥子はカナオが頼りない感じで、命令ばかりしていましたが、落ち込んだときには、こういう夫がいいなあ。
何も言わずに、ただそばにいてくれる。
ストレスの多い現代の夫婦として、大切なことかなあ、と思いました。

祥子は徐々に健康を取り戻し、カナオとの絆も深めて幸せになっていくようなエンディングでした。

子供も大切だけど、最終的には夫婦が大事だと思う、今日この頃です。
祥子とカナオのように、ひなたぼっこをしながら笑っていたいなあ。