マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

いつか眠りにつく前に

2008-03-13 10:16:45 | 映画ー劇場鑑賞
ーいつか眠りにつく前にーEVENING
2007年 アメリカ/ドイツ
ラホス・コルタイ監督 クレア・デインズ(アン・グラント)トニ・コレット(ニナ)ヴァネッサ・レッドグレーヴ(アン・ロード)パトリック・ウィルソン(ハリス・アーデン)ヒュー・ダンシー(バディ・ウィッテンボーン)ナターシャ・リチャードソン(コンスタンス)メイミー・ガマー(ライラ・ウィッテンボーン)アイリーン・アトキンス(夜勤看護師)エボン・モス=バクラック(リュック)バリー・ボストウィック(ウィッテンボーン氏)メリル・ストリープ(ライラ)グレン・クローズ(ウィッテンボーン夫人)

【解説】
人気作家スーザン・マイノットのベストセラー小説を、豪華アカデミー女優陣の競演で映画化した感動作。死の床で自身の人生を振り返る女性と、そんな母の知られざる過去に触れて自分たちの人生を見つめ直す娘たちの姿を描く。監督は映画『マレーナ』の撮影監督で知られるラホス・コルタイ。若き日のヒロインに映画『スターダスト』のクレア・デインズ。2大オスカー女優ヴァネッサ・レッドグレーヴとメリル・ストリープが、それぞれの実の娘と共演しているのも見どころだ。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
死の床にある老婦人アン(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)を2人の娘たちが見守る中、熱にうなされたアンは娘たちの知らない男性の名前を何度も口にする。そんな中、アンの記憶は1950年代のある出来事へとさかのぼっていく。親友の結婚式のため、海辺の町を訪れた彼女は運命の恋に落ちるが、その恋は取り返しのつかない悲劇を引き起こす。(シネマトゥデイ)

【感想】
いやはや、こんなに豪華な女優競演の映画って、めったにないでしょう。
なんという贅沢。

あらすじは上にある通り、死の床に苦しむ老婦人の一夜の夢物語のようなお話と、それを見守る娘二人という作品です。

老婦人アンにヴァネッサ・レッドグレーヴ、その長女が実の娘でもあるナターシャ・リチャードソンとトニ・コレット。
若い日のアンにクレア・デインズ。
その親友ライラにメイミー・ガマー。
メイミーはメリル・ストリープの実の娘で、あとでメリル・ストリープも現在のライラとして、かなりの老けメイクで出てきます。
これは、娘の映画だからやってくれたのでしょうね。

 メリル・ストリープ(左)とヴァネッサ・レッドグレーヴ

ライラの母にグレン・クローズ、夜間看護婦にベテラン女優のアイリーン・アトキンスが扮しています。

アンはうわごとで「ハリス」と呼び、「私は、過ちを犯したの。私とハリスが、バディを殺してしまったの…」と。
二人の娘には心当たりのない名前。
母にも、母になる前の人生があったことつきつけられて、娘たちは動揺を隠せません。

けれども、作品の終わりに「人生に過ちなんてないのよ」と穏やかに告げて旅立っていきました。

女の人生が凝縮されたような、とてもいい映画でした。
この映画を見て、いろんなことを考えると思います。
思い出すこともたくさんあるでしょう。
あえて、内容は書かないことにします。

この映画を見て、思い出されたことが2つありました。

私のおばあちゃんも亡くなる前に「のぶさんはどうしてる?」と何度も繰り返していました。
おばあちゃんの妹に聞いたら、のぶさんは、おばあちゃんのいいなづけだったのに、親同士が喧嘩して破談になった人だそうです。
のぶさんはすでに亡くなっているということでした。
おばあちゃんは認知症になってから、この初恋の人の名前ばかりを口にして、おじいさんの名前は出てきませんでした。
おじいさんが生きていたら、傷ついていたかもしれません。

父は亡くなる2・3日前、私に「帰してください、明日結婚式なんです」と言いました。
いろんなことを口走っていたし、その意味がわからなかったので、まだ、母には伝えていません。

この映画を見て、父は生涯で一番幸せだった日を思い出していたのかも知れないなあ、と思えてきました。

ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習

2008-03-13 10:07:29 | 映画ーDVD
ーボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習ー BORAT: CULTURAL LEARNINGS OF AMERICA FOR MAKE BENEFIT GLORIOUS NATION OF KAZAKHSTAN
2006年 アメリカ ラリー・チャールズ監督 サシャ・バロン・コーエン(ボラット・サカディエフ)ケン・ダヴィティアン(アザマート・バガトフ)ルネル(ルネル)

【解説】
全米で大ヒットを記録し、ゴールデン・グローブ賞で主演男優賞を受賞した一方で、製作にまつわる訴訟も続出しているシニカルコメディ。人気コメディアンのサシャ・バロン・コーエン演じる主人公ボラットが、アメリカ大陸横断の旅を繰り広げる。監督は『ボブ・ディランの頭のなか』のラリー・チャールズ。アメリカを痛烈に皮肉った過激な内容と、ゲリラ撮影を終始敢行したというサシャ・バロン・コーエンの体当たりパフォーマンスは必見。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
アメリカ文化をリポートする番組を作るため、カザフスタンからニューヨークにやってきた国営テレビの突撃レポーター、ボラット(サシャ・バロン・コーエン)。ある日、ホテルで『ベイウォッチ』の再放送を見た彼は、パメラ・アンダーソンに一目惚れ。彼女を自分の妻にするため、ロサンゼルスへ向かう。(シネマトゥデイ)

【感想】
私は、こういうタイプのドタバタコメディは大の苦手なんです。
差別ネタ、下ねた、汚いことで笑わせる人は大嫌い。
シニカルも嫌い…。

そういうことの大好きな長男が、まず席を立ちました。
「この笑いのツボはわからん、面白くない!!」

でも、私と夫はにやにやしてしまいます。
居心地悪いんだけど、面白い!!
なぜかなあ、と思いながら、結局最後まで見て、めちゃめちゃ面白かったんです。

この映画の評判で、サシャ・バロン・コーエンの名前を知りました。
「スウィーニー・トッド~」にも出演していましたね。
まじめな、役者さんです。

でも、この作品で彼が演じているボラットという人物は、筆舌に絶する人物です。
ユダヤ人を特別差別して、女性蔑視、すぐ裸になるし、同性愛者なんてとんでもないという人。

この人がアメリカ文化をリポートして、自国に伝えようという、カザフスタンのテレビ局の企画なんだけど、ニューヨークのホテルで、深夜放送で見た女優さんに一目惚れして、彼女と結婚するためにアメリカ大陸を横断して会いにいくことにします。
旅行に目的が途中で変わってしまったけど、ボラットはまったく気にしません。

旅の途中には、ジプシーを差別、熱烈なキリスト教信者、セレブな食卓、一流ホテルなどを強烈に皮肉ります。

ボラットのいいところは、吸い取り紙のようにアメリカ文化を受け入れていくところ。
それについては、何のためらいもありません。
カリフォルニアに着く頃には、ユダヤ人差別の意識も亡くなり、同性愛者も友達です。
この素直さも笑いどころです。

フリーセックスにはもともと寛大だから、売春には始めから肯定的。
最後は黒人の娼婦を連れて帰って、奥さんにしてしまう!?

監督は「ボブ・ディランの頭の中」を作った人。
そうなんだ!!なっとくだなあ。
あれも、無政府っぽい作品だった。

カザフスタンの人さえ怒らなかったら、この映画はすごく面白いんだけど、カザフスタンやその周辺の国の人たち、いかがですか?

とにかく、こういう映画を作って大ヒット、ゴールデングローブ賞主演男優賞を取らせるんだから、アメリカってすごい、懐が深いと感心してしまいます。

あれ、訴訟もあるの?
そまあ、そうでしょうね、世の中、これを冗談と言えない人もいるでしょう。

うんうん!!わかった☆
いいとか悪いとかじゃなく、偏見ってどんなものかをみせてくれる映画なんだ☆
そう考えると、奥が深いかも!!

サシャ自身もユダヤ系なんだって。
うーん、それが一番言いたいとこかもね。