“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

★科学技術ニュース★広島大学、NICTとパナソニック、300ギガヘルツ帯を用いて毎秒80ギガビットのワンチップトランシーバの開発に成功

2019-02-25 09:50:50 |    通信工学

 広島大学、情報通信研究機構(NICT)、パナソニックは、共同で、シリコンCMOS集積回路により300ギガヘルツ帯を用いて毎秒80ギガビットのデータ伝送を可能にするワンチップトランシーバの開発に世界で初めて成功した。

 従来に比べデータ伝送速度を大幅に向上させるとともに、実用化に必須の「ワンチップ化」を達成したことで、300ギガヘルツ帯無線通信の実用化がより近付いた。

 テラヘルツ帯は、これからの高速無線通信への利用が期待されている新しい周波数資源。2017年には無線通信規格IEEE Std 802.15.3dにより252ギガヘルツから325ギガヘルツの周波数帯域のチャネル割当が示された。

 同研究グループは,この中のチャネル66の周波数帯を用いて毎秒80ギガビットの通信速度を実現するワンチップトランシーバを開発したもの。

 今回の研究成果により、量産性に優れたシリコンCMOS集積回路による300ギガヘルツ帯を用いることにより、情報通信ネットワークなどのインフラに使用される光ファイバに匹敵する毎秒テラビットの通信能力を一般ユーザが利用可能なほど安価に実現できる可能性があることが示された。これにより、300ギガヘルツ帯無線の応用展開が考えられる。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「論文・学会発表に役立つ!研究者のためのIllustrator素材集」(田中佐代子著/化学同人社)

2019-02-25 09:50:21 |    科学技術全般

 

<新刊情報>

 

書名:論文・学会発表に役立つ!研究者のためのIllustrator素材集~素材アレンジで描画とデザインをマスターしよう!~

著者:田中佐代子

発行:化学同人社

 アドビ・イラストレーターで作った図で、プレゼン・論文をランクアップ。アドビ・イラストレーターは、印刷や出版の分野でグローバルスタンダードとして使われている作図ソフト。同書では、すぐに使えるイラスト素材を300点近く提供。この素材を自分好みにアレンジしていく過程で、ソフトの基本的な使い方が身につく仕組みになっている。配色やレイアウトをセンス良く見せるコツも掲載。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ブロックチェーンという世界革命」(神里達博著/河出書房新社)

2019-02-22 09:40:41 |    情報工学

 

<新刊情報>

 

書名:ブロックチェーンという世界革命~価値観を根本から変えるテクノロジーの正体とは~

著者:神里達博

発行:河出書房新社

 仮想通貨のメカニズムの根幹をなす「ブロックチェーン」。それは権力に対峙する思想から生まれた、特異なテクノロジーだ。応用方法は無限であり、「誰がどう使うか」によっては、“便利な暮らし”とは次元の異なる、革命的変化をもたらす。「人類は科学技術と、いかにつき合うべきか」という根源的な問いを発するこの怪物の正体を、まったく新しい視座から解剖する。

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★バイオニュース★ユーグレナとデンソー、微細藻類を活用した事業開発で包括的提携

2019-02-22 09:40:18 | ●科学技術書・理工学書<ブックレビュー>●

 ユーグレナとデンソーは、今回包括的提携し、微細藻類に関する互いの技術を融合させ、地球環境の保護と人々の健康的な暮らしに貢献していくことを目的として、事業における提携を進める。

 包括的提携の項目は以下の通り。

    1.バイオ燃料事業の開発
    2.微細藻類培養技術の研究開発
    3.藻類の食品・化粧品等への利用
    4.微細藻類による物質生産

 同提携では、バイオ燃料事業を産業として確立することを目指し、複数の微細藻類を原料としたバイオ燃料の製造を実現することで、将来的な原料調達の多様化と安定的なバイオジェット・ディーゼル燃料供給に向けた研究を加速させる。

 具体的にはユーグレナ社のバイオ燃料製造実証プラントにおける原料の一部として、微細藻類ユーグレナの油脂に加えてコッコミクサKJから抽出される油脂を使用し、バイオ燃料を製造・供給することを目指しており、デンソーは製造されたバイオディーゼル燃料の一部を社内運行バスに使用することも検討している。

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★科学技術ニュース★東工大、リコーと産総研、超省エネ・小型の原子時計の開発に成功し5年後販売を目指す

2019-02-22 09:39:57 |    電気・電子工学

 東京工業大学、リコー、産業技術総合研究所の研究グループは、消費電力が極めて低い小型の原子時計を開発した。
 この原子時計は、構成部品のひとつである周波数シンセサイザの消費電力を大幅に削減し、さらに新たな量子部パッケージを用いることで温度制御の効率を向上させ、60 mWという低消費電力と15cm3という極小サイズを実現。

 開発した原子時計は、非常に小型で消費電力も小さいため、自動車、スマートフォン、小型衛星等、様々な機器への組み込みが可能である。

 従来は搭載できなかった様々な機器で高精度な原子時計が搭載可能となり、自動運転やGPSの代替、高精度計測など、政府が進めるIoTが支えるソサエティ5.0(超スマート社会)の実現に貢献すると期待できる。

 この開発品は、5年後を目途に販売開始を目指す。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「今日から使える物理数学<普及版>」(岸野正剛著/講談社)

2019-02-22 09:39:27 |    数学

 

<新刊情報>

 

書名:今日から使える物理数学<普及版>~難解な概念を便利な道具にする~

著者:岸野正剛

発行:講談社(ブルーバックス)

 使えば、わかる。微分方程式・ベクトル解析・複素関数・フーリエ解析──理系なら絶対に理解しておきたい4つの数学テクニックがこの一冊で身に付く。今度こそ取っ付きにくい「物理数学」を「役に立つ道具」として使いこなそう。 「この問題はどうやって解くのか」という視点で身近な事例をもとに講義調でやさしく丁寧に解説。充実した例題と理解が深まるコラムによって独学ではつまづきやすい部分も確実にフォロー。謎解きを楽しみながら読み進めていくうちに、自然と物理数学のポイントが頭に入ってくる。高校数学以上の前提知識を必要としないから、大学での本格的な学習の入門・独習にも最適。
 

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「科学と非科学」(中屋敷 均著/講談社)

2019-02-21 09:28:50 |    科学技術全般

 

<新刊情報>

 

書名:科学と非科学~その正体を探る~

著者:中屋敷 均

発行:講談社(講談社現代新書)

 現代において、「非科学的」というレッテルは、中世の「魔女」のような「異端」の宣告を感じさせる強い力を持っている。社会に存在してはならないもの、前近代的なもの、というような響きである。それは科学の万能性、絶対性が現代社会では無邪気に信じられているということの証でもある。しかし、はたして科学という体系は、本当にその絶大な信頼に足るほど強靭な土台の上に建っているものなのだろうか?「科学的」なものと「非科学的」なものは、そんなに簡単に区別できて、一方を容赦なく「断罪」できるものなのか?何が「真実」で「異端」なのか。分子生物学者が現代社会の「薄闇」に光をあてる。

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★水素ニュース★日本製鋼所、高圧昭和ボンベと新日鉄住金、水素ステーション用の鋼製蓄圧器の新型を共同開発し商業生産開始

2019-02-21 09:28:28 |    ★水素ニュース★

 日本製鋼所と高圧昭和ボンベ、新日鐵住金は、このたび水素ステーション用鋼製蓄圧器の新型を共同で開発し、本格的に商業生産を開始しました。
 
 共同開発した新型の水素ステーション用鋼製蓄圧器「HyST300 model R」は、従来の信頼性をそのままにさらなる軽量化と耐久性を向上させ、量産化に向けての課題を克服した新製品。

 同製品は、新日鉄住金の99MPa高圧水素に耐える粘り強さと高強度を両立した大径厚肉シームレス鋼管を採用し。また、日本製鋼所は、水素に対する材料知見を反映した蓄圧器の全体設計を行い、従来型の蓄圧器のストレート円筒に蓋を設けた構造から、両端を絞ったボンベ構造に変えることで大幅な軽量化、コストの低減を実現した。

 さらに、今回高圧昭和ボンベの大径厚肉シームレス鋼管に対する優れた鏡部鍛造技術により、ボンベ構造としては大きな開口径を有する絞り加工が実現でき、内面のきず除去加工や内面検査が可能な構造として高いレベルでの安全性・信頼性を確保できた。

 これら3社の技術を結集した共同開発の結果、世界最高レベルの寿命30万回以上という圧倒的な耐久性を達成した蓄圧器を実現した。

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★科学技術ニュース★東北大学、スピントロニクスIC技術で高性能と超低消費電力を両立する不揮発マイコンを世界で初めて実証

2019-02-21 09:28:05 |    電気・電子工学

 東北大学省エネルギー・スピントロニクス集積化システムセンターおよび国際集積エレクトロニクス研究開発センターセンター長の遠藤哲郎教授、同大学省エネルギー・スピントロニクス集積化システムセンターおよび電気通信研究所の羽生貴弘教授、夏井雅典准教授らの研究グループは、内閣府 革新的研究開発推進プログラム(ImPACT) 大野社会実装分科会 スピントロニクス集積回路プロジェクトにおいて、スピン移行トルク型MTJ(磁気トンネル接合素子)とSi-CMOS技術を組み合わせた集積回路技術を用いて、高性能(動作周波数200MHz)と超低消費電力(平均電力50μW以下)を両立する不揮発マイコン(マイクロコントローラーユニット)を世界で初めて実証した。

 同研究では、スピントロニクス素子のMTJとCMOS技術を融合した集積回路技術により、これまでのSi-CMOS技術に比べて演算性能と消費電力で表される性能指数を大幅に向上させるもの。

 同研究で実証した高性能・超低消費電力マイコンは、センサーノードで必要とされる演算性能を維持しながら、エナジーハーベスティング(バッテリーフリー)での駆動も期待される。

 このエナジーハーベスティングで駆動する不揮発性マイコン技術は、ICT社会基盤のパラダイムシフトをもたらし、Society5.0を実現するための基盤技術として期待される。

 

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「コンピュータ・システム」(五島正裕、河野健二、南出靖彦 監訳/丸善出版)

2019-02-21 09:27:37 |    情報工学

 

<新刊情報>

 

書名:コンピュータ・システム~プログラマの視点から~

原書名:Computer Systems: A Programmer's Perspective (3rd Edition)

監訳:五島正裕、河野健二、南出靖彦
 
発行:丸善出版

 同書は、コンピュータ・システムの構造と設計についての多様な側面がプログラマの視点から書かれた一冊。コンピュータ・システムに関する書籍には、ハードウェア・アーキテクチャ、オペレーティング・システム、コンパイラ、ネットワークなど、システムのある一側面について作り手の視点から著されたものが多いなか、同書ではそれらのシステム全体に関する知識をどう活用すればよいプログラムを書けるのか、それらがプログラムの正しさ、性能、利便性にどう影響するかがプログラマの観点から統一的に著されている。カーネギー・メロン大学のコンピュータ科学入門コースから生まれた世界的に定評のある教科書の第3版の翻訳。

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