“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「タコの心身問題」(ピーター・ゴドフリー=スミス著/みすず書房)

2019-02-27 09:34:48 |    生物・医学

 

<新刊情報>

 

書名:タコの心身問題~頭足類から考える意識の起源~

著者:ピーター・ゴドフリー=スミス

訳者:夏目 大

発行:みすず書房

 心は何から、いかにして生じるのだろう。進化は「まったく違う経路で心を少なくとも二度、つくった」。一つはヒトや鳥類を含む脊索動物、もう一つがタコやイカを含む頭足類だ。哲学者であり練達のダイバーでもある著者によれば、「頭足類と出会うことはおそらく私たちにとって、地球外の知的生命体に出会うのに最も近い体験だろう」。人間とはまったく異なる心/内面/知性と呼ぶべきものを、彼らはもっている。同書は頭足類の心と私たちの心の本性を合わせ鏡で覗き込む本である。

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★科学技術ニュース★NIMSなど、温室効果ガスを有用な化学原料に転換する触媒を創成

2019-02-27 09:34:27 |    化学

 科学技術振興機構 (JST)戦略的創造研究推進事業において、物質・材料研究機構(NIMS)の阿部英樹主席研究員、高知工科大学の藤田武志教授、東京工業大学の宮内雅浩 教授らの研究グループは、NIMSの橋本綾子主任研究員と共同で、金属・セラミックス複合材料のナノ相分離構造のトポロジーを操ることにより、メタンと二酸化炭素から有用な合成ガスを製造するメタンドライリフォーミングに対して優れた低温触媒活性と長寿命特性を発揮する触媒材料の創成に成功した。

 同研究グループは、金属相のニッケル (Ni) と酸化物相のイットリア (酸化イットリウム、Y2O3) がナノ繊維状で組みひものように互いに絡み合う特殊なトポロジーを備えた「根留触媒 (Rooted Catalysts) 」を創成し、Ni#Y2O3 (ニッケル・ハッシュタグ・イットリア) と名付けた。

 Ni#Y2O3の触媒活性中心であるNiは、Y2O3内部に広く根を張り巡らしているため、粒子マイグレーションに伴う失活を受けにくいという特性がある。この根留触媒により、従来の触媒材料では困難とされていた低温領域 (500度未満) において、コーキングを効果的に抑止し、長時間 (1,000時間以上) 安定的にDRMを駆動することに成功した。

 同成果は、天然ガスの有効利用と温室効果ガス低減への突破口となりえる。

 シェールガスなどの非在来型化石燃料の市場拡大や新興国の経済成長に伴って、今後も温室効果ガスの排出が続き、地球規模の気候変動は苛烈化が進むと予測されています。これに対し、今回開発した触媒は大きな抑止力を発揮すると期待される。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「いまさら聞けないPythonでデータ分析~多変量解析](岡本安晴著/丸善出版)

2019-02-27 09:34:01 |    数学

 

<新刊情報>

 

書名:いまさら聞けないPythonでデータ分析~多変量解析、ベイズ統計分析(PyStan,PyMC)~

著者:岡本安晴
 
発行:丸善出版

 同書は、データ分析をPython で行うときの基礎的事項の解説を試みるもの。Python は,プログラミング言語としてはやさしい使い方もできるが、いろいろなライブラリ・パッケージが用意されているので、様々な分野で用いられている汎用性の高い言語でもある。

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