“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「YouTubeの時代」(ケヴィン・アロッカ著/NTT出版)

2019-02-20 09:35:04 |    情報工学

 

<新刊情報>

 

書名:YouTubeの時代~動画は世界をどう変えるか~

著者:ケヴィン・アロッカ 

訳者:小林啓倫 

発行:NTT出版

 10億人が利用する動画プラットフォ-ム「YouTube」には毎分400時間の動画がアッロードされている。何気なく誰かが投稿した動画が、シェアされ、リミックスされ、パロディとなり、新たな創造性を触発(感染=ヴァイラル)していくプロセスは、20世紀型のブロードキャストの終焉と全く新しい時代の到来を告げている。YouTube トレンド分析マネージャーが歴代バズ動画と拡散プロセスをよみときながら、巨大プラットフォームの成長過程と新しい世代の動画コミュニケーションの今を伝える最前線からのドキュメント。なぜ視るのを止められないんだろう? ― “世界で一番 YouTube を見ている男”が伝える動画プラットフォームの舞台裏。

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★科学技術ニュース★東大と産総研、プラモデルのように組み立てる超薄型半導体ひずみセンサチップ開発

2019-02-20 09:34:40 |    機械工学

 東京大学大学院新領域創成科学研究科の高松誠一准教授、伊藤寿浩教授と産業技術総合研究所(産総研)集積マイクロシステム研究センターの山下崇博主任研究員、小林健研究チーム長らの研究グループは、厚さわずか5マイクロメートルの超薄型半導体ひずみセンサチップを、実装機と呼ばれる精密組み立て装置を用いて、プラモデルのパーツのように1つずつ切り離して回路上に配置配線する技術を開発した。

 従来の半導体センサチップは、300マイクロメートル以上と厚く硬いため、ダイシングソーと呼ばれるのこぎり歯のついた装置で切り、実装機で搬送していた。

 同開発のセンサチップは5マイクロメートルと極薄であり、従来法ではチップが破壊される問題があった。そのため、プラモデルのようにセンサと枠の間に切り離し部を設け、弱く押すだけで切り離して搬送できる機械構造設計と精密組み立て技術を開発した。

 特に、切り離し部分に力が集中し、センサや集積回路部分には力がかからない構造の設計方法を確立した。

 同研究成果により、5マイクロメートルという非常に薄く、曲げることができる半導体チップの製造、組み立てが可能となり、次世代高性能フレキシブルエレクトロニクス実現への貢献が期待される。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「実況DVD付き 成功するための英語プレゼン」(Nicholas Woo著/ベレ出版)

2019-02-20 09:34:19 |    語学

 

<新刊情報>

 

書名:実況DVD付き 成功するための英語プレゼン~ネイティブの表現とテクニック~

著者:Nicholas Woo
 
発行:ベレ出版

 企業や大学などで英語プレゼンの指導をしている著者が、日本人が苦手なところ、足りない知識とテクニックをしっかりとカバーして成功するプレゼンに導く。最初に何を言えばいいのかから最後のまとめまで、プレゼンテーションの例と一緒に使える基本表現と重要表現を豊富に紹介。事前準備や練習方法についての解説もついている。付属のDVDではネイティブがプレゼンテーションを実践。目線はどうか、話し方や手の動きはどうかなどのコメント入りで、良いところ悪いところのポイントがよくわかる。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「生きものとは何か」(本川達雄著/筑摩書房)

2019-02-19 09:30:32 |    生物・医学

 

<新刊情報>

 

書名:生きものとは何か~世界と自分を知るための生物学~

著者:本川達雄

発行:筑摩書房(ちくまプリマー新書)

 自分を知るには、まず生きもののことを理解しておく必要がある。生きものの形や時間にはどのような特徴があるのだろう?何のために生きているのだろう?生きものの本質を明らかにする冒険的な試み。

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◆科学技術<テレビ番組情報>◆NHK「サイエンスZERO」/BSフジ「ガリレオX」/BS朝日「WILD NATURE 地球大紀行」他

2019-02-19 09:30:09 |    ◆TV番組◆


 <テレビ番組情報>

 

NHK-BSプレミアム  コズミックフロント☆NEXT 毎週木曜日 午後10時00分~11時00分
                                  再放送 翌週水曜日 午後11時45分~0時44分

2月21日(木)  失われたノーベル賞 女性天文学者とパルサーの謎

 電波を放つ、謎の天体パルサー。天文学史上の大発見だ。しかし50年前、最初に発見した女性天文学者にノーベル賞は与えられなかった。「今なら確実にノーベル賞候補だ」と当時の同僚は語る。2018年、賞金3億円の科学賞が女性に与えられた。半世紀の時を経て、ようやくその功績が再評価されたのだ。その間、パルサー研究は女性天文学者たちに受け継がれ、大きく発展を遂げた。一人の女性天文学者の人生とパルサーの謎に迫る。

BS朝日 WILD NATURE 地球大紀行    毎週金曜日午後9時~9時54分

2月22日(金)  シロクマ VS クジラ漁の村 共存の限界点

 アラスカの凍てつく大地に人々が暮らすカクトビック村。この村に現れたシロクマたちは群れを成しはじめ、徐々に人々の生活を脅かし始めた。なぜこのようなことが起きるのか?お互いの暮らしを侵すことなく共存してゆくことは可能なのだろうか?
このアラスカのカクトビック村では地元の漁師たちが伝統的なクジラ漁をすることが許されている。この季節になると、海岸で解体されるクジラの分け前に預かろうと、いまや最大で80頭ものシロクマが集まってくる。餌を求めて、とはいえ80頭という数は異常。いったいホッキョクグマの世界に何が起きているのか?見えてきたのは温暖化により氷が解け、彼らの生存限界が狭まり、餌が捕れなくなり飢え、一歩また一歩と人々の暮らす村に近づいてしまっているという現実であった。

地球ドラマチック  NHKテレビ Eテレ 毎週土曜日 午後7時00分~7時44分
                              再放送 毎週月曜日 午前0時00分~0時44分

2月23日(土)  サグラダ・ファミリア 未完の傑作

 完成すれば、高さ170m以上の“世界一高い教会”となるサグラダ・ファミリア。建築家ガウディの構想を生かしながら、プロジェクトチームは巨大建築物の完成に挑む。石材は、世界の70の採石場から供給されている。建設現場では、石を効率的に組み立てて、塔を建てる画期的な工法が導入されることになった。果たして、その結果は?さらにステンドグラス制作や、石に彫刻を施す現場にも密着。(2017年イギリス)

BSフジ   ガリレオX    毎週日曜日 午前11:30~12:00 (隔週新作)

2月24日(日) もうすぐ実現? 自動運転 移動の概念を変える先進技術(再放送)

 「2020年には特定の地域で自動運転車を、2025年には高速道路での完全自動運転の実現を目指す」と政府より発表された。これはもう夢物語などではなく、もう間近に迫る現実なのだ。最近では車線を認識する車や、緊急時にブレーキをかける車もあるが、これらは運転をサポートするものであり、自動運転とは区別されている。自動運転とは車自身が信号、標識を識別し、歩行者がいれば停まる。まるで交通ルールを熟知したドライバーが運転しているかのような車のなのだ。 もう間もなく実現を迎える自動運転技術の開発の現状と可能性に迫る。

主な取材先:渡部大志(埼玉工業大学)
        加藤真平(東京大学)
        菅沼直樹(金沢大学)
        石津健太郎(情報通信研究機構)
         表 昌佑(情報通信研究機構)

NHKテレビ Eテレ  サイエンスZERO    毎週日曜日 午後11時30分~0時00
                                 再放送毎週土曜日 昼12時30分~1時00分

2月24日(日) 超ミクロな磁場が測れる ダイヤモンドセンサー

 ナノレベルの磁場を測ることができるダイヤモンドセンサー。開発の裏側に迫る。ダイヤモンドの強力な炭素の共有結合、その炭素をわざわざ取り外して磁石を作る驚きの技。ダイヤモンドの中に生じる量子レベルの磁石の向きを揃える意外なアイデアなどが次々登場する。日本でこの分野を引っ張るのは、東京工業大学の研究者。女性の科学者が、結婚や出産などのライフイベントと研究をどう両立させてきたか、その楽しさについても話す。

ゲスト:東京工業大学教授…波多野睦子

司会:小島瑠璃子、森田洋平

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ひとり情シスのためのRPA導入ガイド」(福田敏博著/リックテレコム)

2019-02-19 09:29:42 |    情報工学

 

<新刊情報>

 

書名:ひとり情シスのためのRPA導入ガイド  
 
著者:福田敏博

発行:リックテレコム
 
 「働き方改革」が叫ばれる一方で、企業の人手不足は深刻。この人手不足を補う切り札として注目されているのがRPAの導入。同書は、RPAを基本からわかりやすく解説し、「ひとり情シス」が業務部門にRPAを導入して効果を発揮させるにはどうすればいいのかを平易に説明している。経営視点を持って取り組めば、きっと大きな成果を得られる。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「光の量子コンピューター」(古澤 明著/集英社)

2019-02-18 09:40:25 |    情報工学

 

<新刊情報>

 

書名:光の量子コンピューター
 
著者:古澤 明

発行:集英社(インターナショナル新書)

 日本発、世界初となる驚異の量子コンピューターの実現が、秒読み段階に入った。光を使った独自の方式により、量子コンピューター開発のトップを走る著者が、その仕組みと理論を徹底解説。スーパーコンピューターをはるかに凌ぐ高速計算と低消費電力を両立させる量子コンピューターの実現へ向けて、現在、さまざまな方式が模索されている。世界中で競争が激化する中、圧倒的な勢いを見せるのが、光を使った量子コンピューターの研究だ。革新的な光量子コンピューターが完成する日は、もう間近に迫っている。

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★科学技術ニュース★宇都宮大学など、干ばつに強く、水を節約して育つコムギの開発に成功

2019-02-18 09:40:02 |    生物・医学

 宇都宮大学の岡本昌憲助教らの国際共同研究チーは、耐乾性に関与するアブシジン酸(ABA)受容体に着目し、そのタンパク質をコムギの植物体内で多く作らせることで、水消費量を抑えながら穀物生産を実現する節水型耐乾性コムギを開発することに成功した。

 同研究成果は、降水量が少ないために耕作が困難であった乾燥地や干ばつが多発する地域における食糧生産の切り札になることが期待される。

 これまで、遺伝子の機能検証が比較的容易なシロイヌナズナなどのモデル植物では、単純に水を欠乏させる実験で植物の耐乾性が研究されてきた。しかし、乾燥地での植物生産を考慮する場合、植物が必要とする水消費量と種子収量の双方を評価する指標で研究する必要がある。そこで、同研究チームは、コムギの耐乾性を向上させる技術の創出を試み、その耐乾性を詳細に調べた。

 同研究チームは、植物ホルモンの1つであるアブシジン酸(ABA)が植物の耐乾性に関与することに注目した。ABAシグナル伝達経路は高等植物に普遍的に存在することから、耐乾性作物の開発においてABA受容体の利用が有効であると考えた。

 そこで、コムギからABA受容体(TaPYL)の遺伝子を単離して、その受容体タンパク質を細胞内に多く蓄積(過剰発現)することができるコムギ(TaPYLox)を世界で初めて開発することに成功した。

 

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「AI、IoTを成功に導く  データ前処理の極意」(日立産業制御ソリューションズ著/日経BP社)

2019-02-18 09:39:40 |    人工知能(AI)

 

<新刊情報>

 

書名:AI、IoTを成功に導く  データ前処理の極意

著者:日立産業制御ソリューションズ

発行:日経BP社

 今、IoT(Internet of Things)の分野でAI(人工知能)の活用が急速に広まっている。ただし、実業務において成果を得るまでに到達できる企業はごくわずか。その主な原因は、AIにおける学習モデルの精度にある。AIにとってデータの良しあしが最も重要な点はよく知られているが、現実にはAIに適したデータを収集するのは容易ではない。ではどのようにデータを収集すればよいのか。その答えは、「データの前処理」にある。同書は、AIモデルの精度向上を実現する実践的なノウハウをやさしく伝授。

 

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★科学技術ニュース★東京大学など、「弱い」トポロジカル絶縁体の世界初の実証に成功

2019-02-15 09:39:34 |    電気・電子工学

 東京大学物性研究所の近藤 猛准教授、黒田健太助教、野口 亮大学院生および東京工業大学科学技術創成研究院 フロンティア材料研究所の笹川 崇男准教授らの研究グループは、産業技術総合研究所物質計測標準研究部門ナノ構造化学材料評価研究グループの白澤 徹郎主任研究員、理化学研究所創発物性科学研究センター計算物質科学研究チームの有田亮太郎チームリーダーおよび大阪大学 大学院理学研究科 物理学専攻の越智 正之助教らと共同で、擬一次元の結晶構造を持つビスマスヨウ化物β-Bi4I4(Bi:ビスマス、I:ヨウ素)において、「弱い」トポロジカル絶縁体相を世界で初めて観測した。

 さらに、室温近傍で結晶の冷却速度を制御する事により、通常絶縁体からトポロジカル絶縁相へと転移させ、これに伴うスピン流のON/OFF制御を実証した。

 情報集積の行き詰まる「エレクトロニクス」に代わり、情報爆発に対する救世主と目されているのが「スピントロニクス」。その理想的な条件は、限りなく速い速度で(超高速)、レーザーのごとく直進し(超指向性)、情報を失うことなく伝達する(完全無散逸)、スピン流。それを実現すると理論的に予想されていたのが「弱い」トポロジカル絶縁体だが、これまで未発見であった。

 同研究では、スピントロニクス応用に向けて熱望されている理想スピン流を創発する「弱い」トポロジカル絶縁体を世界で初めて実証・観測した。

 これによりレーザー照射で情報を可逆的に書き換えが可能なDVDの「スピントロニクス」版も可能であり、トポロジカル物性の真髄とも言える無散逸スピン伝導を利用した次世代のスピントロニクス技術に新展開をもたらすことが考えられる。

 同研究は、世界初となる「弱い」トポロジカル絶縁体の実証、および従来から知られる「強い」トポロジカル絶縁体を凌駕する機能性を示した。材料科学分野で最も進展の著しいトポロジカル物性物理において、発見が遅れた「弱い」トポロジカル絶縁体の検証はこれからであり、その潜在能力はまだまだ未知数だと言える。今後、他のトポロジカル絶縁体では実現しない新奇な性質を理論・実験の両面から見つけ出す研究が進展して行くことが考えられる。さらに、「弱い」トポロジカル絶縁体のキャリア制御や微細加工を行うことによって、新たなスピン流デバイスの開発につながることが期待される。

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