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●科学技術ニュース●富士通、生成AIを活用した実店舗における購買促進AI技術を開発しデジタルサイネージと連携した自動接客の実証実験を開始

2023-08-11 09:32:00 |    人工知能(AI)
 富士通は、消費者の店内行動データをもとに、生成AIを活用してデジタルサイネージ上にアバターや販促コンテンツを生成する購買促進AI技術を開発した。

 同社は、同技術を活用した自動接客による商品販売促進を目指し、一般社団法人リテールAI研究会の支援のもと、山口県防府市にある株式会社丸久が展開するスーパーマーケット「アルク三田尻店」の実店舗において、同技術を適用した実証実験を8月3日より開始した。

 同技術は、カメラ映像から消費者の行動と購買特性を分析し、対象売場での購買体験の向上につながる接客や販促コンテンツの自動作成と継続改善を実現するほか、複数の販促施策の効果計測や状況に応じた施策選択、売上向上などのKPI改善をAIにより自動化することが可能となる。

 実証実験では、デジタルサイネージ上のアバターが接客するシーンにおいて、行動分析AIが分析した個々の来店者の購買行動や購買特性に基づき適切なアバターを用いて商品推奨などの接客を行う。

 同時に、来店者の商品購入などの接客結果も分析し、より高い効果が見込めるアバターをAIで自動生成するなど、個々人に合わせた接客内容や商品の魅力を盛り込んだコンテンツの効果を検証し、店舗や商品の売上貢献や豊かな購買体験の提供を目指す。

 同社は同技術を、先端AI技術を素早く試せるAIプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi (コードネーム) - Fujitsu AI Platform」を通じて、2023年度中に提供開始予定。<富士通>

【実証実験】

1. 期間:2023年8月3日(木曜日)から2023年10月15日(日曜日)まで(以降も継続を予定)

2. 場所:アルク三田尻店(住所:山口県防府市新田111-5)

3. 内容:スーパーマーケット内に設置するデジタルサイネージのアバターによる商品自動推薦機能において、開発した購買促進AI技術を適用する実証実験を行う。具体的には、店内に設置するカメラ映像から、「Actlyzer」によって来店者の行動パターンや購買特性を認識および分析し、それに合わせて適切なアバターが、事前に生成AIをベースに作成した各商品を推薦する文章を読み上げる形で、デジタルサイネージ上で商品を自動で推薦する。アバターは生成AIで生成され、映像から認識した商品推薦の成否のデータを基に、より適切なアバターへと随時改善され、以降の接客時に活用される。実証実験の期間を通じ、アバターによる商品自動推薦の効果やアバターの改善効果、店舗や商品の売上への貢献などの有効性を検証する。同実証実験は、顔など個人を特定する情報が映像に映りこんだとしても、それらの情報は用いず、個人を特定できないデータ形式で処理した上で実施する。なお、同実証実験は、一般社団法人リテールAI研究会の支援のもと、株式会社丸久、株式会社ブルボン、株式会社True Data、株式会社SalesPlus、フクシマガリレイ株式会社と富士通の6社が立ち上げた分科会が実施する。
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