パナソニックは、世界最高の太陽エネルギー変換効率で、太陽光のみで二酸化炭素と水から有機物を生成する、人工光合成システムを開発した。
同システムは太陽光を照射する光電極に窒化物半導体を使用し、有機物を生成する電極に金属触媒を使用することで、効率0.2%(主生成物:ギ酸)を実現する。この効率は、バイオマスで使用される植物と同程度であり、植物に代わって、同システムにより、これまで不要なものとして排出されていた二酸化炭素を原料として、有用な有機物(化学原料、燃料など)を生成することが可能となった。
地球温暖化および化石燃料枯渇の問題を同時に解決できる夢の技術として、太陽光のみを使って人工的に二酸化炭素を吸収し資源化する、人工光合成の研究に注目が集まっている。同開発により、植物と同等の効率で二酸化炭素を吸収し有機物を生成する、人工光合成システムが実現し、来るべき循環型エネルギー社会に向け大きく前進した。
主な特長は次の通り。
1.バイオマスで使用される植物と同等(0.2%)の効率を実現。しかも生成される有機物の量は太陽光量に比例して増加
2.金属触媒や反応環境を最適化することにより、生成される有機物の種類を選択可能
3.光合成システムを無機材料のみで構成することに成功し、単純な構造を実現