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●科学技術ニュース●東京大学と東京理科大学、「準結晶」のタンタル–テルル系ファンデルワールス層状物質が1ケルビン以下で超伝導性を示すことを発見

2024-03-14 09:36:53 |    物理
 東京大学 生産技術研究所の徳本 有紀 講師、枝川 圭一 教授らの研究グループは、東京理科大学 先進工学部の田村 隆治 教授らのグループと共同で、結晶、アモルファスとは異なる第3の固体「準結晶」の構造秩序を持ったタンタル–テルル(Ta–Te)系ファンデルワールス層状物質の低温電子物性を調べ、この物質が1ケルビン以下の温度域で超伝導性を示すことを発見した。

 ファンデルワールス層状物質は、構造の2次元性を反映した特異な物性、およびそれを利用した新奇デバイス開発への期待から、近年、盛んに研究されているが、従来研究対象となっていたものはいずれも周期的な原子配列を持った「結晶」。

 結晶とは本質的に異なる原子配列秩序を持ったファンデルワールス層状「準結晶」において、今回世界で初めて、超伝導が発見された。

 この発見は、いまだ解明されていない準結晶超伝導の発現機構の解明につながるものと期待される。

 また、同研究は、この新物質群の物性研究の足がかりとなるもので、これを利用した新奇デバイスの開発につながることが期待される。

<ポイント>

 ・第3の固体「準結晶」の原子配列秩序を持ったファンデルワールス層状物質が超伝導性を示すことを発見した。

 ・ファンデルワールス層状物質は、構造の2次元性を反映した特異な物性、およびそれを利用した新奇デバイス開発への期待から、近年盛んに研究されているが、従来研究対象となっていたものはいずれも「結晶」である。今回世界で初めて、ファンデルワールス層状「準結晶」の低温物性を調べ、超伝導を発見した。

 ・この発見は、未解明の準結晶超伝導の発現機構の解明につながるものと期待される。また、同研究は、この新物質群の物性研究の足がかりとなるもので、これを利用した新奇デバイスの開発につながることが期待される。<科学技術振興機構(JST)>
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