“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「知の歴史」(渡部佳延著/現代書館)

2023-10-19 09:32:33 |    科学技術全般



<新刊情報>



書名:知の歴史~哲学と科学で読む138億年~

著者:渡部佳延 

発行:現代書館

 ビッグバンから始める、世界最長の哲学史。哲学は、古代ギリシア以来長い間、すべての学問の総称として用いられてきた。現在でこそ、哲学と科学は「文系」「理系」という対極に位置づけられることが多いが、17世紀に万有引力の法則を発見したニュートンでさえ、自らを「哲学者」、自身の革新的理論を「自然哲学」と分類していたのである。哲学と科学の逆転は、いつ、何故、どのように起きたのか?同書は、哲学の歴史を、ビッグバンから始まる自然科学史や、現在までに至る科学技術発展の系譜を絡めた138億年という壮大な時間軸で描き出す。哲学史としては自然哲学から構造主義まで、哲学史に登場する知のトップランナー達の生い立ちと思想のポイントが、楽しいイラストを添えてコンパクトにまとめ上げられている。哲学と科学、両者の長大な歴史が縦横無尽に網羅された1冊。138億年の旅の終着点は、理想郷か、それとも悪夢か?【目次】 序 「知」以前 第Ⅰ部 生命が始まり、知が始まる 第Ⅱ部 動物を超えて――神話で覆われる世界 第Ⅲ部 世界探究への出発――神話から哲学へ 第Ⅳ部 再び神話の世界へ――キリスト教の制覇 第Ⅴ部 近代知が世界を睥睨する――人間の力の自覚 第Ⅵ部 知への疑惑 結び 知の展望
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●科学技術ニュース●出光とトヨタ、バッテリーEV用全固体電池の量産実現に向けた協業を開始

2023-10-19 09:32:07 |    輸送機器工学
 出光興産とトヨタ自動車は、バッテリーEV(BEV)用の有力な次世代電池である全固体電池の量産化に向けて、固体電解質の量産技術開発や生産性向上、サプライチェーン構築に両社で取り組むことを、意思決定し、合意した。

 全固体電池の材料開発等で世界をリードする両社が連携することで、2027~28年の全固体電池実用化(2023年6月Toyota Technical Workshopで公表済み)をより確実なものとし、その後の本格量産を目指す。

 カーボンニュートラルに向けて、出光は一歩先のエネルギーと素材の社会実装に、トヨタはマルチパスウェイの考え方に基づき、重要な選択肢の1つであるBEV開発に取り組んでいる。

 BEVの進化を支える次世代電池について、選択肢の1つである全固体電池の要素技術研究・開発に、出光は2001年から、トヨタは2006年から取り組んできた。

 今回の協業は、BEV向けに高容量・高出力を発揮しやすいとされている硫化物系の固体電解質が対象。この硫化物固体電解質は、柔らかく他の材料と密着しやすいため、電池の量産がしやすいという特徴がある。

 両社は本格量産に向けて、数十名規模のタスクフォースを立ち上げ協業を進める。<トヨタ自動車>
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●科学技術ニュース●NEDOと産総研、高精度な熱電デバイスの変換効率評価装置を開発し国際標準化による熱電発電の新市場創出・拡大へ

2023-10-19 09:31:43 |    電気・電子工学
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、「クリーンエネルギー分野における革新的技術の国際共同研究開発事業」に取り組んでいるが、今回、産業技術総合研究所(産総研)と共同で、高精度な熱電デバイスの変換効率評価装置を開発した。

 熱電デバイスの変換効率を高精度に評価するためには、熱電デバイスへの入力熱流の量を正確に測定する必要があるが、熱電デバイス側面から流出する損失熱流は計測されないため、変換効率を過大または過小評価する問題があった。

 同装置では、熱電デバイスの周囲に、熱特性にあわせて最適化されたガードリングを設置することで、側面からの熱損失を最小限に抑えることができる。

 これにより、熱電デバイスへの入力熱流と通過熱流が測定の不確かさの範囲内で一致することが確認でき、熱電デバイスの発電性能試験法における国際標準の制定に向けた取り組みが前進した。

 今後、同事業で海外の研究機関と連携し、熱電デバイスの変換効率評価装置の比較評価を行うことで、国際的な評価法の整合性を図る取り組みを行う。これにより、発電性能試験の国際標準化活動の道筋を示し、熱電発電の新市場創出や拡大に貢献する。<新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「バーチャル・エンジニアリングPart5 バーチャルモデルで変貌したモノづくりが世界を席巻する」(内田孝尚、鈴木 渉著/日刊工業新聞社)

2023-10-19 09:31:15 |    情報工学




<新刊情報>




書名:バーチャル・エンジニアリングPart5 バーチャルモデルで変貌したモノづくりが世界を席巻する

著者:内田孝尚、鈴木 渉

発行:日刊工業新聞社

 製造現場では大量生産用にマスター(実物)が存在。設計者・技術者によって仕上がりが変わってしまうが、精度を統一させるため世界ではマスターのデジタル化が進む。この流れに乗れない日本のモノづくりはどうなるのか―。警鐘を鳴らす一冊。
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