“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「未来から来た男 ジョン・フォン・ノイマン」(アナニヨ・バッタチャリヤ著/みすず書房)

2023-10-18 09:33:29 |    情報工学



<新刊情報>



書名:未来から来た男 ジョン・フォン・ノイマン

著者:アナニヨ・バッタチャリヤ

訳者:松井信彦

発行:みすず書房

 20世紀科学史における異才にして天才、そして「悪魔の頭脳」と呼ばれた男の全仕事を鳥瞰するベストセラー評伝。「身の回りに目を向ければ、ジョニーの指紋が至るところに付いていることがわかるはずだ」(はじめに)。【目次】 はじめに ジョン・フォン・ノイマンとは何者だったのか 1 メイド・イン・ブダペスト 天才が生まれ、育った 2 無限とその先へ 10代の若者が数学の危機に立ち向かう 3 量子の伝道者 神はどのようにサイコロを振るのか 4 Y計画と「スーパー」 トリニティーからアイヴィー・マイクへ 5 現代のコンピューターの誕生を巡る込み入った事情 エニアックからアップルまで 6 ゲーム理論 陰鬱な科学、経済学を活性化させる 7 海辺のシンクタンク 核戦争をゲーム化する 8 レプリケーターの出現 機械をつくるための機械と心をつくるための機械 エピローグ どの未来から来た男?
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●科学技術ニュース●日機装、世界初、浸漬状態における高速回転で水素航空機向け液化水素ポンプの実液試験に成功

2023-10-18 09:33:04 |    ★水素ニュース★
 日機装は、水素航空機向け液化水素ポンプの実液試験に成功した。

 モータ一体型ポンプが液化水素(-253℃)により満たされた極低温の状態(浸漬状態)で、小型電動モータによる高速回転を実現し、液化水素を送り出すことに成功したのは世界初。

 日機装は水素航空機の研究開発を進める川崎重工業から、液化水素ポンプ開発の委託を受けており、2025年度に納入することを目指しておいる。

 燃焼時に二酸化炭素を排出しない水素を燃料とする水素航空機は、航空分野の脱炭素に向けた次世代の航空機として有力視されている。
 
 水素は液化すると気体の800分の1まで体積を圧縮できるため、液化水素が燃料に採用されている。

 川崎重工は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金事業」に「水素航空機向けコア技術開発」を提案し、2021年11月に採択された。

 日機装は川崎重工から再委託を受け、液化水素ポンプの開発を担当している。

 今回、日機装が開発している液化水素ポンプは、液化水素を燃料タンクからエンジンポンプへと昇圧して送液するブースタ・ポンプ。航空機用ポンプは小型・軽量であることが求められ、また水素は低密度で昇圧しにくいことから、日機装は従来のポンプ設計よりも高速回転の電動モータを開発し、必要な圧力や流量を確保することを目指した。

 熱収縮率の異なる金属で構成されるポンプを、極低温の液化水素が満ちた状態で高速回転させるには高い技術力が必要だが、日機装は LNG(-163℃)など極低温流体に対応した産業用特殊ポンプにおける製造実績が豊富にある。

 この経験から培ったノウハウを活かしながら、液化水素の極低温下でも高速回転が可能なモータや高速回転に耐えうる軸受、高効率なポンプなどの設計・開発を行っている。

 実験は2023年6月に、JAXA 角田宇宙センター(宮城県角田市)において実施し、設計通りの良好な結果を得た。実験で得られた結果を分析し、さらなる小型・軽量化と長寿命化を目指して、試作機の改良を行っていく。<日機装>
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●科学技術ニュース●NEDOの事業で日清紡ホールディングス、イオン結合を有する海洋生分解性プラスチック素材を開発

2023-10-18 09:32:25 |    化学
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「海洋生分解性プラスチックの社会実装に向けた技術開発事業」で、日清紡ホールディングス(株)は、海水中で速やかに無害な成分に変換される生分解性プラスチック素材の開発に取り組んでいるが今回、プラスチック素材を構成する分子の骨格部分(主鎖)にイオン結合を導入することで、結合部分が海水中のナトリウムイオンと置き換わり低分子化され、生分解が促進される新たなプラスチック素材を開発した。

 同開発材は他のプラスチックと溶融混練しやすいため、プラスチックの物理的性質を大きく損なわずに生分解を促進する樹脂添加剤として使用できる。

 また、同開発材は、海域や海水温度などによらず、セルロースを超える高い生分解度を示すとともに、土壌中でも生分解性を有することが確認されており、幅広い環境で生分解するマルチ生分解性が期待される。

 今後、日清紡ホールディングス(株)は、同開発材を樹脂添加剤として早期に製品化することを目指し、プラスチック・素材・成形メーカーとのマッチングと量産体制の構築を進める。

 同開発材を早期に製品化することで、第2回政府間交渉委員会(INC)で日本が世界に向けて提案した、2040年までに海洋プラスチックによる追加的な汚染をゼロにすることへ貢献する。

 日清紡ホールディングスは、2021年に、海洋汚染の原因の一つであるプラスチックビーズの代替素材として、バイオマスであるアルギン酸を利用した「フラビカファイン®SILKYタイプ」を開発し、化粧品や皮膚洗浄剤などのパーソナルケア製品を主な用途として製品化を進めている。今回、新たに樹脂添加剤への用途拡大を目指し、他のプラスチックと溶融混錬が可能なイオン結合を有する海洋生分解性プラスチックの開発を進めてきた。<新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「産業用ロボット全史」(小平紀生著/日刊工業新聞社)

2023-10-18 09:31:54 |    ロボット工学



<新刊情報>



書名:産業用ロボット全史~自動化の発展から見る要素技術と生産システムの変遷~

著者:小平紀生

発行:日刊工業新聞社

 日本は産業用ロボット生産台数で、世界シェアの半分を占めている。一大産業となった産業用ロボットはどんな技術に支えられ、どのような変化を遂げるのか。長年、産業用ロボットの現場にいた著者が、ロボットの要素技術から自動化までを解説。
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