“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

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■科学技術ニュース■NEDO、東大など、光触媒での抗ウイルス効果の実証に成功

2012-10-18 10:53:34 |    化学

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施した「循環社会構築型光触媒産業創成プロジェクト」において、東京大学と助成先各社は、新しい原理に基づいた光触媒材料開発を実施。これにより、銅系化合物酸化チタン材料で従来よりもさらに優れた抗菌効果に加え、これまでは実現困難とされていた抗ウイルス性能に優れた新しい光触媒材料を開発した。

 開発した光触媒材料は、光が当たらない暗所でも抗ウイルス効果を発揮し、ウイルスの数は1時間で4桁減少、99.99%のウイルスを不活化することができ、可視光を照射したところ、1時間で7桁以上のウイルスを不活化することを確認した。

 また、同材料を適用した空港および病院での実証試験により、その効果の実証にも成功した。
 
 この成果により、住宅建材関連市場や医療関連市場をはじめ、環境対応素材を必要とする様々な製品市場等での事業展開が期待される。

 銅系化合物酸化チタン材料については、助成事業先である昭和タイタニウムにおいて今後量産化に向けた本格的な検討をスタートする。また、同材料を適用した製品化については、盛和工業(空気浄化システム)、積水樹脂技術研究所(内装材)、TOTO(タイル、塗料)、日本板硝子(ガラス)、パナソニック(フィルム材) 、太陽工業(テント材)各社において検討を進めている。
 
 今回の実証試験の結果により実用化の目途が得られたので、今後早期事業化を進め、新しい市場の開拓に挑戦することにしている。


 

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