kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

会社見通しVS市場見通し

2014-04-23 08:35:36 | 日記
米国企業に続いて日本企業でも今週から2014年決算発表がスタートしました。
円安効果と消費税引き上げ前の駆け込み需要で前期決算では上昇修正する
企業が多くなりそうですが、市場の関心は前期の結果よりも今期の業績見通し
になっています。円安効果の一服や消費税引き上げ後の反動減による落ち込
みをどれだけカバーして利益を増やせるかです。今期の市場予想は全体で10
%程度の二桁増益予想ですが企業の予想はかなり慎重な見通しになりそうだ
いう可能性が高くなってきているようです。

輸出企業では想定円レートをどの水準に設定するか、新興国経済の行方をどう
みているのか。また内需企業では消費税の引き上げの影響が4~6月期を底に
早い段階で回復するのかそれとも7~9月期まで影響は残るのか。選定条件の
違いで市場予想との乖離は縮まるか広がるかが決まります。多くの企業では消
費税引き上げや円相場の見通しが不透明な状況でいつも以上に期初の段階で
は慎重な見通しになりそうです。

この時期厄介なのは増益でも市場予想に届くか届かないかで株価が天国と地獄
に分かれることです。市場予想に届かない見通しを出した企業の株価は短期筋
の売りのターゲットになってしまいます。増益予想なのにあたかも減益予想を出
したかのように大量の売り注文を浴びます。決算次第でどっちに転ぶか分から
ない値頃からの押し目買いも余程注意しなければなりません。

顕著な例が安川電機。21日に今期純利益見通しを3%増の175億円(アナリスト
市場予想平均は203億円)と発表した安川電機は101円安(10.1%安)1227円と
急落し年初来安値1225円(3月25日)に迫る場面がありました。大引けは68円安
の1260円とやや戻して終わりましたが安値圏での大幅下落でした。

この時期会社発表前に経済紙による観測記事が出ることもありその内容を巡っ
て一喜一憂する場面が多くなりそうです。22日には市場期待の日本電産の決算
発表と来期の見通しがでました。どちらの市場予想には届かなかったようですが
さて株価はどんな反応をするのでしょうか。
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大きくて潰せない

2014-04-22 08:49:44 | 日記
「大きくて潰せない」とはリーマンショックで多くの金融機関が経営不振に陥った
時に盛んに使われた言葉です。再建見込みの薄い金融機関の不良債権問題を
先送りして延命を図ることは最終的に経済の回復に妨げになると言われていま
したがその経営不振の金融機関が合併や買収で巨大化している場合余りにも
経済への悪影響が大きくて潰すに潰せないというジレンマが起こるというもので
した。巨大金融機関罪悪説なるものも当時ニュースになりました。

そこで米国政府は金融機関が過大なリスクを伴ったビジネスを規制するという
方向でリーマン・ショックの様な金融危機を二度と起こさないということを目的に
米国の銀行によるデリバティブや商品先物の取引を規制し、未公開株ファンド
やヘッジファンドなどへの出資も制限する2010年夏にボルカー・ルールが成立し
2015年7月に完全実施される予定です。市場の一部にはFRBの緩和縮小とボル
カー・ルールによる実施で世界の余剰マネーの変調が顕在化して金融市場に
大きな影響を与えると危惧する見方も出ています。

現在世界経済の懸念材料の一つとして浮上しているのが中国リスクです。世界
の粗鋼生産の半分の8億トン近くを占めると言われる中国で過剰設備は1億トン
ともそれ以上とも言われています。深刻な需給ギャップは安価な中国製鋼材が
アジア市場に流入することにより市況低迷に拍車をかけます。合併効果で世界
の鉄鋼企業の中でも収益力がアップした新日鉄住金が年初から日経平均を下
回るパフォ-マンスなのはアジア市場の鋼材市況が影響しているとも見られて
います。

また3月に中国需要が世界の4割を占めると言われる銅相場が中国社債市場で
初めのデフォルトを引き金に急落して一時金融市場が混乱しました。このように
景気の実態を表す商品市場は中国リスクに過敏に反応します。中国政府が目
先の成長率維持よりも構造改革を優先する姿勢を強めていることも将来的には
プラスでも目先の波乱要因として受け止められます。

鉄鋼や銅に象徴されるように余りにも中国一国での需要が大きすぎるために他
の国では代替が効きません。中国経済が輸出や投資に偏重した経済成長から
個人消費を主導とした成長に切り替えられるか世界は注目しています。その過
程で徐々に持続可能な成長率に下げていくのがベストなシナリオです。

かつて日本も輸出主導の成長で欧米諸国と摩擦を引き起こし内需主導の成長を
目指すように世界から注文を付けられていました。皮肉なもので今回の景気回復
は国内の消費が盛り上がり内需主導での成長でした。その一方1年半で20円弱
円安が進んだにも拘らず輸出数量が伸びないというこれまでのJカーブ効果が起
こらない不思議な現象も生んでいます。

中国景気の変調はアジア諸国の経済に大きな影響を与えます。そのアジア経済
との結びつきの深い日本経済にも影響は波及します。こらからも中国発のリスク
には注意が必要です。
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ハズレ続きの週間見通しですが

2014-04-21 06:05:59 | 日記
先週の東京市場は週間で556円上昇しました。先週の下落分1103円のほぼ半分
上昇した計算になります。事前の予想は3月期企業の決算発表が本格化するの
を控え目先は様子見気分も強く、安値圏で一進一退の値動きとなりそうだと言う
ものでしたが週明け14日も小幅安で4月SQ値(13982円)を終値で割り込まずに
済んだ事がその後の大幅反発に繋がったのでしょうか。14000円割れの期間も3
営業日だけだったこともあり当面の底値割れは回避出来ました。

振り返ってみると経済紙などの週間株価見通しとは大きく外れています。4月第
1週に15000円を回復したことを受けて第2週の予想は高値も見合いで大幅な下
落は見込んでいませんでした。ところが実際は連日大幅に落して週間では1100円
と大幅下落で1週間を終えました。追加緩和がなかったということが大幅下落の
背景ですが事前予想では追加緩和の可能性はほとんどないというのが市場のコン
センサスでした。

また翌週の週間見通しでは前週の日経平均が14000円を割り込んだことで下値
模索というのがメインシナリオでした。ところが週明けの14日の小幅下げ(49円安)
以外は17日のほぼ変わらずを挟んでほぼ堅調に推移しました。そして前週の下
げ幅の半分戻して1週間を終わりました。

「今週(21~25日)の日経平均株価は企業決算をにらみ、一進一退の展開か」
と言う見通しになっています。さて今週は見通しどおり一進一退の展開で推移
するのか。また個別銘柄では引き続いて決算に絡んだ好悪材料に敏感に反応
しそうです。
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格安スマホ市場

2014-04-19 09:13:51 | 日記
今週の東京市場は556円上昇しました。先週の急落を受けて14000円を挟んだ
下値模索という事前予想もありましたが結果は先週の下落分の半分を取り戻し
た格好です。16日に420円と大幅上昇して14000円台半ばまで上げたことにより
急速に下値不安は後退しました。結果的に4月SQ値の13892円が下値目処とし
て機能したようです。

テクニカル的には騰落レシオが77%(4月14日)から91%(4月18日)に上昇し同
じく空売り比率も35.1%(4月14日)から31.1%へと低下して空売りの買戻しが上
昇の原動力だった可能性が高そうです。取り敢えず追加緩和見送りによるショッ
ク安は収束したようです。もっとも18日に98円上昇したにも拘わらず東証1部の
売買代金は1年4か月ぶりの低水準である1兆1502億円でした。真空地帯の上昇
には先物主導での売りで大幅安という懸念がついて回ります。現状ではこのまま
15000円回復というシナリオは描きづらいのが正直なところです。

売買代金も低迷して主力株が動きにくい状況で市場の物色は材料のある中小型
株に向かっています。市場のテーマとして浮上してきたのが格安スマホ関連です。
日本通信やインターネットイニシアティブ(IIJ)は今週大幅に上昇しました。流通
大手のイオンが日本通信と提携して格安スマホ市場に参入したというニュースも
話題になり格安スマホはホットな話題です。材料難の東京市場では数少ない旬な
テーマです。

消費税引き上げや円安で電力料金の上昇、食料品の値上がりなど国民負担は
増える一方です。生活防衛を図るとしても家計の出費を抑えることは容易では
ありません。スマホの普及で高額なデータ通信料が家計を圧迫しているという
ケースは多いでしょう。節約志向もありスマホ料金を抑えたいというニーズは
高いでしょう。

航空業界にLCCの波があっという間に押し寄せたようにスマホ市場にもMVNO
業者による格安スマホサービスは今後急激に普及する可能性を秘めています。
通信大手3社のほぼ寡占状態でしかもスマホの急激な普及でデータ通信料の高
どまりで好収益を謳歌してきた3社の業績や株価に今後どのくらい影響が出てく
るのか注意が必要です。ソフトバンクやKDDIは業績も株価もこの2年で大きく
伸びました。指数への影響も大きくその行方に関心が集まります。
明日の更新は休みします。
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ソフトバンク相場

2014-04-18 08:29:18 | 日記
東京市場は先週の1万4000円割れから1万4400円まで戻し先週広がっていた
下値警戒感は後退しつつあるようです。もっと指数への影響力のある先物御
三家は明暗が分かれました。今期業績を下方修正したファーストリティリング
は自律反発はしましたが戻りは鈍く当面下値模索が続きそうな状況です。

一方ファナックは日経平均が1万4000円割れた時でも高値圏で底堅く推移して
1月高18980円更新も期待できそうです。両銘柄ともPERは40倍を超えていて
日本を代表する好収益企業としてかなりのプレミアムで評価されています。
やはり株価を明暗を分けたのは業績見通しの違いでしょうか。主力の国内事業
が大きく伸びている海外事業でもカバーできず下方修正をしたファーストリティリ
ングに対して今期業績の改善が見込まれるファナックへの期待が株価に反映
されているようです。

そして御三家のもう1社で何かと材料豊富なソフトバンクは市場の注目度という
点でやはり3社の中では一番でしょうか。株価は12月27日に9320円まで駆け上
がり年初から下落基調を強め2月4日には6655円の安値を付けた後反発25日に
は8137円まで上昇しましたが3月4日には7333円まで再び下落その後は3月19日
の8432円まで上昇でした。

そして今週14日の6751円の安値を付けてから急反発17日には7690円まで上昇
僅か3日で1000円近く上昇しました。きっとこの値動きの激しさが短期資金を引き
付けるのでしょう。もっとも対応を一歩間違うとあっという間に含み損の拡大という
厳しい現実が待っています。

年末からずっとソフトバンクの後を追うように日経平均が推移しています。日経平
均が高値(16291円)を付けたのはソフトバンクが高値を付けた1日後の大納会の
30日そして安値(13955円)を付けたのはやはり1日後の2月5日。25日(15094円)
には同時に高値を付けています。3月3日(14443円)にはソフトバンクより一日早く
安値を付けました。3月高値だけは10日(15266円)と日経平均が先行して高値を
付けました。

しかし4月には14日にソフトバンクも日経平均(13885円※11日と同じ値段)の安値
を付け17日には14500円まで日経平均も上昇しました。個別銘柄でここまで指数と
同じような値動きをするのはソフトバンクだけかもしれません。ソフトバンクの値動
きイコール指数の動きといっても過言ではありません。ソフトバンク1銘柄の動きが
市場のセンチメントも反映しているようです。ソフトバンクの株価は業績よりも米国
での携帯事業の行方や大口出資先のアリババのIPOなど材料重視で株価形成さ
れています。

今月下旬から日本企業の決算発表がスタートします。前期業績以上に注目され
る来期見通しを市場はどう評価して株価がどんな反応を示すのか。指数がソフト
バンク離れを出来て独自の動きができるのかどうかまず注目です。
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