kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

春の大嵐

2014-04-12 09:03:56 | 日記
流石に株価ボードを見るのが辛かった1週間でした。思っているよりも東京市場の
体質は脆くなっているようです。下げたとはいえNY市場は1万6000ドル台と水準と
しては高い水準をキープしています。円相場も円高だと騒がれていますが2月4日
の100円74銭を付けた時に比べればまだ1円近く円安です。終値でも1万4000円を
割り込んだ株式市場の下げが目立ちます。

年末に盛り上がった年明け以降の円安の進行と株価の上昇というバラ色のシナ
リオが修正を迫られた反動といえばそれまでですが背景には様々な東京市場特
有の多くの問題があると考えています。まず東京市場のプレーヤーが外国人投
資家の一本柱だということです。2013年のように年間で15兆円も買い越せば稀に
みる上昇率を記録します。

その反面国内投資家の売買シェアは個人投資家を別にすれば微々たる水準まで
低下してしまいました。メインプレーヤの外国人投資家が売りに回れば受け皿に
乏しい東京市場はひとたまりもありません。また外国人投資家でも年金等の中長
期の資金ならまだ短期間にポジションを売りに傾けることはありませんが、昨年の
4月から5月や11月から12月のように短期間の急騰を仕掛けたヘッジファンドの様
な短期資金だとその動きは機敏です。

市場関係者の多くが今週の追加緩和見送りを予想していて例え見送りになっても
相場への影響は限定的だと考えていました。ところが追加緩和見送りで短期筋の
反応は予想外にネガティブなものでした。今週の下げが1000円を超えてしまった
のは外国人投資家頼みの東京市場の投資家層の薄さも原因の一つです。

今週の下げでPERやPBRの投資指標面から割安感を指摘する記事が今日付け
の経済に乗っています。PERは日本(13.7%)米国(15.94%)ドイツ(13.69%)
PBRは日本(1.28倍)米国(1.93倍)ドイツ(1.57倍)配当利回り日本(1.59%)米国
(2.36%)ドイツ(2.67%)少なくとも日本株の割安感は出ています。しかし日本に
は消費税引き上げ後の影響が今ひとつ不透明です。また当面日銀が追加緩和に
踏み切らないとなれば国内からの円安材料はありません。また米国経済の回復
による金利上昇も予想通りには金利上昇がなく円安による企業業績の押し上げ
も当面は期待できません。

そうなるとROEが二桁の欧米株と比べて8%程の日本株の見劣りが目立つように
なりPERの表面上の数字だけでは比べられないことになります。日本では相変わ
らず業界再編が進まず過当競争で十分な利益を確保できないという問題は残った
ままです。配当性向の低さなど株主還元策も欧米企業に見劣りします。異次元の
緩和による株価上昇での資産効果で国内消費が活発になり円安の進行で輸出企
業の業績改善も進み以前からの課題を昨年は覆い隠してしまいましたが追い風が
止まるといっぺんに問題が目立つようになります。

明日の更新はお休みします。
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