kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

電力政策と国際競争力

2012-02-15 08:17:28 | 日記
韓国は日本以上に電力不足が深刻なようです。背景には国策で電力料金
を日本の半分の水準に据え置いていることで灯油やガスなどの暖房から割
安な電機を使った暖房に需要がシフトしているからとニュースで伝えていま
した。今年の冬は韓国も寒波に見舞われて電力不足の懸念からオフィスの
設定温度も低く抑えられています。韓国ではオフィス内でもコートを着込んで
勤務している様子がテレビに映っていました。

昨年の大規模な停電時には日本の節電政策を見習えという記事も紹介され
ました。自国市場の小さな韓国では輸出主導による経済成長がどうしても必
要です。そのためには安価な電力が競争力を維持するためにも必要なのか
もしれません。それを可能にしているのは日本と違い韓国の電力を一手に供
給しているのは韓国電力公社という国有企業だからです。株式の51%を韓
国政府が握っていますから電力料金の決め方も日本とはずいぶん違うの
かもしれません。

東電の公的管理に向けた東電と国による攻防が激しくなっています。原発事
故被害の賠償問題や原発の再稼働それに料金値上げ問題など複雑に絡ん
で今後の展開も二転三転が予想されます。4月からの大口料金の値上げに
ついて伝えるニュースを見ていたら某知事が国民に節電の協力を呼びかけ
多大な迷惑をかけた挙句今度は値上げなんて到底容認できないと発言して
いました。情論ではその通りかもしれませんが、原発停止による燃料費の増
加はもはやいち民間企業がどうにかできるレベルではありません。東電には
料金値上げの前提となる詳細な算定基準をきちんと示してもらうことは当然で
す。しかし電力事業者として重要なインフラである電力の安定供給を考えれば
値上げやむなしでしょう。問題の解決には原発の再稼働しかありませんが、そ
のハードルはまだまだ高いのが現状です。

いずれにしろ国際競争力上からみても電力料金が与える影響は業種によっ
ても大きく違います。4月からの値上げで国内立地に赤信号がともる業種も
出てくるでしょう。原発の再稼働の見通しがいまだに立たない日本では円高
もあり企業によっては真剣に海外立地を考えるところが出てくるでしょう。もっ
ともまだ海外に工場を作れる企業は幸せなのかもしれません。海外に工場を
移転したくても体力の弱い中小企業などは日本を脱出することもままなりませ
ん。原発の長期停止はこれから産業立地に大きな影響を与えることも考えら
れます。電力政策の安全性と経済性、相反する課題に今後も日本企業は翻
弄されそうです。

今週の東京市場は調整局面で下値固めという事前の予想に反して2日間で
100円上昇で高値追いという展開です。PERの割高感、短期的な過熱感など
市場を取り巻く環境は必ずしも良好とは言えませんでしたが日銀の予想外の
追加緩和も飛出し相場の基調は思いのほか強いのかもしれません。慎重さも
必要ですが、あまり弱気になるとチャンスを失うかもしれません。引き続いて
好業績銘柄の押し目買いで対処したいと思います。
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