シャープ資本増強の可能性は高まる？

17日の東京市場は寄り付きはＮＹ安、円高で100円ほど安いスタートでしたが
終わってみれば前日比15円高と小幅高でした。好業績が伝わった富士重工や
引けにかけて買われたトヨタが活字になっていましたが、スマホ撤退のニュース
が伝わったＮＥＣが業績改善期待から５％高、今期復配が伝わった三菱自動車
が11％高と数字の上では上記の自動車２銘柄を上回る上昇率でした。

材料が出たこのこの２社に共通するのは同業の中での株価の出遅れです。金融
相場から業績相場への移行が市場の一角で言われていますが、現状ではまだ
本格的な業績相場には遠いようです。

スマホ市場の拡大で今期大幅増益予想の村田製作や太陽誘電などの高値圏に
あった電子部品の一部には日経平均が戻りを試す中でも値を崩しているのが気
になります。一方５月高値から戻りの鈍かったパナソニックやシャープが昨日
売買を伴って上昇しています。いち早く戻った銘柄を売ってより出遅れ銘柄にマ
ネーがシフトしているのかもしれません。

見方によっては出遅れ株まで物色範囲が広がったことは今回の上昇相場がそろ
そろいったんピークをつける兆候だとの判断もできます。今のところ外部環境の
急速な変化は見られませんから５月のように急落する可能性は低いと思いますが
６月の１３日の安値から今週は上昇５週目になります。２５日移動平均線から７％
乖離が昨日で７日続いているそうです。５月高値時は９日続いた後で急落していま
すから警戒は必要です。

シャープはこのところ株価のこう着が続いているなあと思ったら昨日突如上昇しま
した。株価は５月高値633円から200円ほど安い水準で低迷していましたから自立
反発期待からの上昇でしょうか。もっとも自己資本比率5.97％と製造業では危機
的な水準です。今期黒字定着が確認できたら大規模な資本増強に打って出るの
ではないかと私は考えています。経済紙にもそのような記述があります。

四半期決算が8月上旬に予定されていますからその結果次第では早ければ中間
決算前の9月にもあるのではないかと私は考えています。株式市場も5月の急落
から戻してきましたから環境面での条件は整っています。そうなると希薄化懸念
で売り込まれるでしょう。もっとも其処が買い場になるかもしれません。
そんなことも考えながら株価を注視していきたいともいます。