kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

買うなら今でしょう

2020-02-27 13:53:58 | 日記
27日午前中から軟調だった東京市場で午後の取引では2時現在
2万2000円を割り込み21800円台で推移しています。市場から
は東京オリンピック中止説まで飛び出しています。完全に売り
方ペースの展開で売りが売りを呼んでいるようです。

もっとも相場の急落は新型肺炎の感染者対策で中国政府が武漢
を封鎖した1月下旬には覚悟しておかなければならなかったの
かもしれません。2次感染者から3次感染者への広がりは兆しは
否定できなかったことで、いずれ中国以外への感染者が広がり
パニック売りが発生することはある程度予想されたことです。

SARSやMARSの時の経験から感染症の流行で相場が崩れたケー
スはなかったということが独り歩きしつい最近まで欧米市場は
強き相場を続けてきました。過去の感染症の流行時よりも相場
の調整が少なかったことが、ここにきて一気に相場を逆回転さ
せました。

本来は中国の春節明けに上海市場が開いた時にもっとガス抜き
をすべきでした。過去のケースと現在では中国や世界経済を取
り巻く環境は大きく違います。もっとも大きな違いはSARS発
生時よりも大きく違うのは中国がサプライチェーンの中心にな
ったことと、中国からの人々の往来がビジネスだけでなく観光
旅行という膨大な需要が出来たことです。

おそらく2003年当時、訪日観光客は1000万人に届かず中国から
の観光客は昨年の3割の20分の一くらいの数ではだったでしょう。
観光客が急増すればそれに合わせヒトやモノなど受け入れ態勢を
増やします。ぱんぱんに膨らんだ時に一気に需要が消滅すれば
どんなことになるか想像できます。

ビジネスの危機は急激に伸びた需要があっという間に消えた時が
ほとんどです。以上のことを考えるとインバウンドに関係するビ
ジネスへの逆風は強く本格回復には時間がかかることも覚悟しな
ければなりません。

市場の話に戻りますが、今週の暴落相場の中でキャノン株の株価
が底堅いのが目につきます。現在株価は先週末に比べて1%程度の
高い水準です。その背景には子会社が新型肺炎の新らしい検査シ
ステムの開発を始めたというニュースもあるでしょうが、それ以
上に500億円の自社株買いが影響しているようです。

時価総額が3兆7000憶円のキャノンですから1.8%程度と決して大
きな金額ではありませんが、買い手不在の市場では好感される材
料です。日本企業は以前から内部留保をため込み過ぎているとい
った批判が海外のファンド筋から聞こえていました。経済が混乱
したと時には経営者としては少しでも厚く手元に現金を確保して
起きたいところですが、必要以上に内部留保が厚い企業は多いよ
うです。有事の自社株買いは何よりも株主重視の姿勢を示します。
買うなら「今でしょう」
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新型肺炎があぶり出すもの

2020-02-27 06:21:56 | 日記
26日の東京市場は前日のNY市場が3%を超える大幅な下げだった
だけに2万2000円をはさんだ展開も予想されましたが意外と底堅
かった印象です。2万2100円割れ寸前まで下げましたが11時過ぎ
から急激に上昇し午後は2万2400円を挟んだ小動きでした。結局
大引けは0.8%の下落と小幅でした。

日本株が下げ率が米国株よりも低かったのは新型肺炎が広がって
以降も上昇を続けていた欧米市場に追随できなかったことも影響
しているようです。VIX指数が低水準だった欧米市場はリスクパ
リティの強く受けたようです。

日本株の騰落レシオは26日現在64%となり売られ過ぎを示してい
ます。また13週移動平均もマイナス5%を越えました。テクニカル
的には一両日中にも反発しても不思議ではありません。最も当面
は売り方の買戻しが大半でしょうから買戻し一巡後は再び下値模
索も予想されます。

大きな値幅で上げ下げを繰り返す状況が3月末まで続くのか或いは
もっと長引くのか、お隣韓国やイタリアのケースを持ち出すまで
もなくあっという間に感染者が広がるのが今回の新型肺炎の特徴
です。今後米国で感染が広まると米国経済の大黒柱の個人消費が
大きな影響を受けます。

今後の注意点は米国で感染が広がるのかがポイントなるかもしれ
ません。少し先のことになりますが、新型肺炎の終息の見通しが
強まれば勿論株価は反転するでしょう。しかし企業業績に不安が
あるのは何も新型肺炎での混乱だけではありません。影響が長引
く業界もありまた比較的早い時期に回復軌道に乗るところもある
でしょう。

このところの暴落相場では全面安でしたからあまり目立ちません
でしたが個別企業によっては構造的な問題を抱えているとこもあ
ります。そんな銘柄は市場が落ち着いても戻りは限定的なものに
なるかもしれません。

好況期よりも経済が混乱した時の方が企業間格差は広がるもので
す。いずれ新型肺炎が巻き起こした世界的な市場の混乱や経済の
下押し圧力は企業の明暗をはっきりさせるでしょう。インバウン
ド特需でここ数年大きく上昇した銘柄や相対的に企業体力が低い
銘柄は新型肺炎が終息した後も低迷する可能性は高そうです。

新型肺炎の失われた需要がすぐに元に戻る保証はありません。肺
炎騒動がキッカケになり市場構造が変化する可能性もあり、これ
までの延長線上でものを考えてはいけないかもしれません。過去
の動きは忘れもう一度よく精査して銘柄を選ぶ必要があります。
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