kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

株主を大事にする会社だけが生き残れる

2012-09-03 07:24:31 | 日記
9月は重要イベントが目白押しです。日本株はその状況次第で波乱に巻き
込まれる事を考えておくべきです。日本企業の株主構成はかつての企業の
大株主だった生保も銀行も持ち株を大きく減らし代わりに外国人投資家が
その受け皿になりました。大株主と言っても日本の生保や銀行と違って株主
として会社に求める要求は利益の追求です。そして株主への還元です。一向
に収益が改善せず株主への還元もままならないならさっさと持ち株を売って
しまうセクターです。国内の安定株主を失った日本株の値動きは外部環境
次第で大きく変動することはこれからも避けられないでしょう。

米国の多くの優良企業は高い利益率と高水準な利益を背景に増配や自社株
買いに熱心です。それに対して日本企業の多くは売り上げは多くても低い利益
率で十分な利益を上げている大手企業は多くありません。当然増配や自社株
買いなど株主還元は余り期待できません。一方日本企業でも高い利益率や
高配当をしている中堅企業は高い株価を維持しています。(ファナックやキー
エンスなどの製造業や小売業の勝ち組など)

またこのところ株価が極端な安値に下落した銘柄にはいくつかの共通点が
あります。それは大幅な希薄化を伴なう公募増資を実施した企業です。トク
ヤマ、日本板硝子、マツダ、NTNなどはここ3年ほどの間に増資を行いその
資金は新工場や設備投資あるいはリストラの原資に充当しました。ところが
巨額の投資が業績向上に結びつかず、かえってお荷物になっているケース
やリストラで身軽になっても収益を支える柱が見当たらず縮小均衡に陥って
いる企業です。

何度も述べていますようにエクイティファイナンスで大幅な希薄を伴なう増資
をしても競争力の低下という構造的な問題を抱えている企業はそれに見合
った収益が期待できないのが現状です。もともと低収益で増資をしないと設備
投資やリストラの資金を確保できない企業に大きな成長を期待するほうが間
違っています。既存の株主の利益を平気で毀損するような会社にはロクなと
ころがありません。

エクイティファイナンスを積極的に活用できる企業は今後の高成長が約束で
きるような企業だけです。低収益にあえいでいる企業は返済の義務がある
社債発行やそれが駄目なら銀行に頭を下げて融資を頼めばいいのです。
大幅な希薄化を伴なうような増資を続けていると最後は投資家にそっぽを
向かれて本当に流通市場が機能しなくなってしまいます。また巡り巡って
そんな企業は後で市場から大きなしっぺ返しを受けるでしょう。

ダイキンのように既存株主に配慮して大型M&Aの資金を増資でなく借り
入れで賄うと言う企業がこれからも市場の信頼を失うことなくそれが長期
的にも株価にも反映されるでしょう。株主を大事にしない企業はビジネス
からもマーケットからも今後信頼されなくなるでしょう。
コメント
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