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今の世の中を見てみれば その11

2020年10月01日 | ブログ
半沢直樹

 国民的番組となった感のあるTBS日曜劇場「半沢直樹」が10話終了した。今回の後半は、航空会社再建がらみで、半沢が政界のドンと対峙する。半沢の敵となる政権党幹事長役の柄本明さんの演技力にも絶賛の声が上がる。

 このテレビドラマは原作や脚本の素晴らしさもさることながら、出演者の舞台のような大仰な表情、しぐさ、気の利いたアドリブも多いという渾身の演技が際立つ。出演者が持ち前のキャラに加え、その演技力を競い合った相乗効果で盛り上げていた。

 主役の堺雅人さんを知ったのは、2004年のNHK大河ドラマ「新選組」だった。同じく大河の「篤姫」での将軍家定役、さらに草刈正雄さんを再ブレークさせた「真田丸」。そしてガッキーや里見浩太朗さんと組んだ「リーガーズハイ」なども毎回楽しませて貰った。そしてその存在は、どんどん大きくなった。しかし大御所然とならないところがいい。

 ドラマの多くは架空の物語であるが、政治家や警察、検察、大病院などの暗部を描いたドラマはほとんどが「火のないところに煙は立たぬ」現象で、事実無根ではなかろうと思う。

 「半沢直樹」は中国でも人気という。中国では、庶民が政治家などの腐敗を暴くことは絶対に無理で、ドラマでストレス解消しているとの論があったが、今や与党独裁国家のわが国も同様ではないか。ワイドショーのコメンテーターに与党崇拝者を送り込み、大衆を欺く様がみっともないテレビ局があり、政権の不都合の深部を徐々に報道しにくくさせた安倍長期政権の暗部は継承されている。

 今回の「半沢直樹」の結末もドラマが故のこと。現実に現役の大臣が幹事長に逆らって不正を暴く側にまわるなど、今のこの国の自民党政権では考えられない。

 しかし、国民は政治家も企業のトップも角栄やゴーンのごとく金に纏わる腐敗は現実のものであることを知っている。そして今も権力者は人々の血税を分からないように私物化する。

 ドラマの作り手は、江戸時代に先端技術での武器製作を封じられる制度の中、職人が「からくり人形」を作り紛らわせたように、ドラマだよと言いながら、政界の暗部を照射して見せる。

 権力者に媚びることで、出せる範囲の情報を他より早く入手する似非ジャーナリストや政権や関係者を「よいしょ」することで、密かに民間からの大臣ポストを狙うがごとくの弁護士さんなど、権力に媚びることは、結局民意を低下させることで、民主主義に反することであることを忘却している。まさに「恥を知りなさい!」である。

 何でも批判することが正しいと言っているのではない。ジャーナリストや政治評論家などの肩書を持つ人々は、自身の損得抜きで、常に国家権力を正しく監視する側に居なければならない。権力は誰が手にしようと腐りやすいものであるから。

 半沢直樹の不正に対する飽くなき挑戦への称賛は、大衆の潜在的であれ、権力の横暴を警戒する意識がそうさせるものなのであろう。



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