不思議がることもないでしょう。

2012-04-16 10:01:09 | 塾あれこれ
大新聞の地方欄で方言を取り上げていました。
広島弁の中で難しい物。

(みてる)
「この前買うた味噌があったろう」
「もう、みてた。ありゃあせん」

容器などに「満ちて」いたものが無くなってしまうと
「みてる」と言います。

間違えやすいとは思いますがミチルとミテルでは言葉が
違いますから、間違える方もそそっかしい。
むしろ自分たちの語彙不足を嘆くべきでしょう。
英語のlayで戸惑う勉強不足と同じですよね。

同音異義語の方で間違えやすいものも多いでしょうから
音が全く違うものを取り上げるのも多少強引だね。

「剥ぐ」と「接ぐ」これは共通語にあります。
音はほぼ同じで意味が反対に近い、どちらも「木をハグ」
などとと使いますからね。

こちらは共通語ですから問題にしない、というなら、
方言に名を借りた差別視が覗いて見えますね。

東京から広島に来て・・・驚いたんですってさ。
へへ、なるほど。


間違える言葉には他にも(さげる)
これは広島には限らず広範囲で使われている語の筈です。

ふつうは「下げる」もしくは「提げる」ですがそれ以外に
広島では机などを持ちあげる時に
「そっちをさげてくれる?」

活字で書くと混乱しやすいように見えます。
かたや↓、かたや↑、正反対ですからね。

でもね、発音では明確に違います。
広島人で間違えるバカはいないでしょう。

四声の中国語を持ち出すまでもなく、日本語だって沢山あります。
橋と箸、席と咳・・・

関東と関西とでアクセントの位置が反対になることがある
などと若干ヤヤコシイですが、一定の言語の使用圏では
間違えることはないでしょう。

「セキをだせ」と言われて、席と言われたのにゴホンと
やるバカもいません。

発音で明瞭に区別がついているものを「間違えやすい」とは
失礼。
知らないほうが悪いのです。

他地域から越してきた人が分からない期間はあるでしょうが
それは別問題です。
来た側が勉強すべきで、方言をしゃべる側に問題はありません。


私が子供のころはまだ方言蔑視がつよく残っていました。

東京で広島弁をしゃべると恥かくぞ、笑われるぞ、ってね。

学校でも折に触れて教えられました。

「と」抜けはいけないとか。

「わたし、イノウエ言います」
・・・と、が抜けた、井上と言います、ですよ。

まあ、笑われても好いのですが、方言だとは知らずに
通用しない言葉を出すのはマズイですよね。
仕事なんかでは特に。

「これ効きますが、ハシルんで・・」
「どこを走る?」
・・なんていう変な会話になります。

理解不能な発信は、するほうが悪いですね。
回りはみんな分からないのですから。


サラリーマンになって東京に出たころです。

方言とは思っていない言葉で、使ったら通じないことが
ありました。

共通語では、此処とあそこ、ですが
「あっこ、にあるよ」と口から出、言われた方が「???」

他にもあったけれど、忘れた。