ほなさんの汗かき日記

かくれ肥満の解消に50歳を超えてはじめた健康徒歩ゴルフ。登場する個人名、会社名、内容はフィクションである。

恐怖の「うめうめ」(3)

2007年10月07日 | 日記
かつて読んだ松本清張さんの著書などには、これらの
事件が克明に描かれ、当時の新聞や世論に多大の
影響を与えました。ほなさんは清張好きで、100冊
以上読んだと思います。清張の読んでも読んでも追い
つかないの筆の速さに、読破することは諦めました。

ほなさんの小学生の頃は、これらの事件から10年経
ち、犯人とされた人たちが警察の一方的な取調べによ
ってデッチ上げられたという疑惑が、先の文化人らの
行動で明らかになりつつあり、世論も騒然としていま
した。
なんにしても、列車が転覆脱線している写真は、子供
心にセンセーショナルでありました。
だから、「みたか」事件=世にも恐ろしく怖いこと
という図式が出来上がっていたのだと思います。

ほなさんの小学校は、木造校舎を取り囲むように道が
あり、その外側がコンクリートの塀になっていました。
うらぶれた裏門へと通じる道が、ほなさんらの持ち場
となっていたのでした。雨に濡れたいちょうの葉は、
土にへばりつき、低学年の私たちには大きすぎる竹箒
で、それらを地面から剥がすようにかき集めたもので
した。どんなに寒い日でも、掃除が終わる頃には、顔
を真っ赤にして息が荒くなるのでした。

銀杏並木の掃除が終わる頃、一年上の週番がきて、
ほなさんらの点検をしたあとで、みんなを集めました。
そして、みんなをしゃがませ、額をくっつけるように
して、小声で
「みたか事件を知っている?」
と尋ねました。
「み・た・か・じ・け・ん」と耳にしただけで、ほ
なさんは尋常なことでないと、もうすでに十分震え
ていました。