ほなさんの汗かき日記

かくれ肥満の解消に50歳を超えてはじめた健康徒歩ゴルフ。登場する個人名、会社名、内容はフィクションである。

誕生日プレゼント(終)

2018年05月22日 | 日記
「大事なハンケチ」は、コタツの下にあった!
のです。

えっ、なぜ?どして?

というキラキラ瞳の処女か、童貞時代のほなさん
であれば、そのハンケチをじっと見つめて問いか
けるでしょうが、おしっこの切れが悪くなり、時
折失敗する「本物の男」になってかからは、疑問
符は浮かべど、無駄な追及はいたしません。

己が体のなすことに「絶対」とか「正確」さを求
めることが、もうすでに不確実そのものであるを
知りました。それが違いのわかる大人の男なので
す。他人の失敗を追求できるのは、おのれ自身へ
の信頼があってこそ、今日の昼飯のメニューさえ
あいまいな状態で、永年連れ添った女房のミスを
咎めようものなら、老後の行く末は悲惨な日々で
あろうと覚悟せねばなりませんので。

ともかくハンケチは出てきたのですから、これほ
どいい気分はありません。無くしたのではな見つ
からないだけだったことの証明になりました。

この夜、ほなさんは女房殿の鼻先で、かのハンケ
チで何度も手を拭いてみせました。その様は、マ
ジシャンがするがごとく、でありました。
すると、
「あら、あったのね。」
と妻は言いました。

この声の中に落胆の気持ちが入っていたかは、不
明のかぎりでありますが、これによってほなさん
夫婦における力関係は、元の均衡を取り戻したの
でありました。

「赤い糸 探したあの日を 悔みます」
               作者 不詳

「運命を 信じた事が 間違いよ」
               作者 ほなさん
 

誕生日プレゼント(4)

2018年05月05日 | 日記
事なかれ主義の夫に対し、「妻」という女性は、
家庭を切りもりするためとあれば、どうやって
主導権をとっていけばよいかを細胞レベルで知
っています。それは「人の弱みを握る」ことが
最も有効であるのは世の常でありました。
そしてそれは家庭内での夫の位置をも揺るがす
ことなのです。

「大事な大事なハンケチを無くした!」
と責める女房に対し、ほなさんは、
「無くしてはいない、見つからないだけだ。」
と正確に答えるのが精いっぱいでありました。

弱みを見せない「官僚的答弁」からヒントを得
たものであります。この1年、国会での官僚答弁
はたいへん勉強になりましたが、結局のところ
あの程度では我が家では通じるものでありませ
ん。

自民党と公明の与党が、圧倒的多数だから、
「黒をグレーと言い換えることができる」ので
あって、我が家のような夫が万年弱小野党であ
っては、もとより通じないのは当たり前であり
ました。

そういう力関係でありますから、陰でほなさん
は、ハンカチを探しておりました。なにせ洗濯
後、畳む責任者は私であり、部下もおりません。
私がこの手で2つ折りを二度したことを覚えて
おり、いつもの定位置に置いたのですから。

そして、それは、思わぬところで見つかった!
のでした、、、。




誕生日プレゼント(3)

2018年05月03日 | 日記
プレゼントの「ハンケチ」が見当たらないという
重大な「事実」を、ほなさんはひとりその小さな
胸のうちに秘めておりました。

ところが妻の臭覚は、その立場がそうさせるので
しょうが、我が家の週刊文春は、夫の失敗と隠し
事には的確に反応するのでありました。

「?」
という妻の鋭く小さな疑問は、憶測と推理を呼び、
そして大事な大事な、夫の存在そのものをも上回
る娘の旦那からのプレゼント品を無くしている、
という事実へ見事に結論を見出してくるのであり
ます。

なぜに女房殿は、ここまで凄いのでしょうか。
それは夫婦生活を円満に送るための「心構え」に
男と女では差がありました。

「お金がないわ」という妻の言葉と裏腹に、女房
殿が持つ服は「確実」に増えてきてますが、「家
庭円満」にする旦那の務めは「ここは見て見ぬフ
リ」であると、洗濯ものを畳む役目を頂戴してい
る私は、黙ってたたむ日々であります。

日々の洗濯物が30点だとすれば、共通のもの10点
、奥様のもの16点、夫のもの4点というところでし
ょうか。日によっては私のものが全く無いことがあ
ったりして、私の仕事は最後のタタミだけだからと
思いつつ「ご奉仕ご奉仕」といい聞かせても、
ついひとこと言いたくなって、
「今日はオレのは無かったぞ。」
と言うと、
「毎日出さないあなたが悪い。」
と妻の返事でありました。

日々の洗濯物が多いから大変、、と嘆いていたのは
奥様、あなたじゃなかったの、と言いたいのぐっと
我慢した、冬の夜でありました。