ほなさんを商人へ導いてくれた恩師は、
「どんな時でも、損得の前に善悪を優先させなさい」
と言ったあとで、
「あなたを食わせてやろうと思って買って下さる
お客様はひとりも居ないよ。だから顧客のために
尽くしなさい。」
といつも教えてくれました。
「善悪優先」「お客様第一主義」です。
ところが坂本先生は、
「まず従業員ありきだ。」
「従業員第一主義だ。」
と言いました。確かにそうです。これだけ日本経済
の地殻変動がおきている中では、まずスタッフを守
らなくてはいけません。スタッフともども生活を継
続できることが一番です。
写真フィルムをつくっていた大企業だって、もうフ
ィルムで食っていける時代はとっくに過ぎ、化粧品
やら医療機器などの分野が主力だとききます。かつ
ての農業国だった日本が工業国となり、今後は、ま
た新しい形に変わっていくことでしょうが、ともに
働く仲間の仕事を確保しなければなりません。
工場を簡単に閉鎖し、従業員を切り捨てていくよう
な企業は、いくら日本を代表する会社だといっても
認められない、と坂本先生は切って捨てました。
そして工場を誘致するために多額の税金を使ってき
ている地元自治体も、大きな企業じゃなく、地元に
役立つ小さな会社を育てなさい、そしてこういう良
い会社というのは、実はあちこちにあるのだ、とお
っしゃいました。
「スタッフとともに長く続くことが良い会社か、、」
と講演会を聴き終わって、ほなさんは思いました。
これを機会に、価値観の順位を新しくしなければな
りませんね。