ほなさんの汗かき日記

かくれ肥満の解消に50歳を超えてはじめた健康徒歩ゴルフ。登場する個人名、会社名、内容はフィクションである。

狐と狸「合戦始末記」(6)

2015年02月17日 | 日記
予定通り年金が入り、それがスルーパスされてしかも
なお追い金まで要りそうなことへの心配を胸に、寒い
師走の日々を暮らしておりますと、

ふと目が行った先のTV画面が、何重にも人影が写り
どれが本物か判別つけられないことに気づきました。
最近はトント見なくなった奥行きの深いアナログTV
です。大きい、なんとも大きく、マンションの狭い部
屋を占拠しております。

コイツが我が家に来てからもうずいぶん経ちます。急
に悪くなったのではないのですが、我が家のTVは異
常事態である!と気づいたのが、この瞬間でした。

そういえば数年前から、画面端に写るサッカーの得点
が判別できない状態でした。大事な試合は、必ずニュ
ースで確認するようになりましたし、バレーボールは
セットカウントが判りませんので、中継アナウンサー
の話に夫婦で耳を澄ませ、野球に至ってはカウントが
見えないので何年も野球中継を見ない習慣となりまし
た。

2時間サスペンスで犯人役を務める役者が画面アップ
にされた場合など、キザキザ顔の輪郭は5-6本ありま
すから、右から3番目がこの女優の顔だな、と推理し
ながらのTV鑑賞でありまして、二重の謎解きを楽し
むことのできる我が家のTVでありました。

こういう状況でありますから、買い替えの時期は近い
と思っておりましたが、TVは、ほなさん狸の領分で
はありません。お金を払うのは、家計費からであり、
ほなさん狐の担当です。

ある晩、TVを観ながら、とうとうその話題に触れる
ことにしました。貧乏な懐がわかっているだけに、お
金の話をするのは、勇気がいります。


狐と狸「合戦始末記」(5)

2015年02月14日 | 日記
はじめに、、、
地震で厳しい目にあっておられる方々には、心から
すまない「地震余話」になり、申し訳ございません
でした。


話をもとにもどしましょう。

妻こと、ほなさん狐についてのご説明をいたします
と、、、
ほなさん狐の特徴は、金額の高に関係なく、良いも
のは良い、と声高に言います。意思決定がとにかく
早く、買い物によって大きさや機能では迷いますが、
値札がこうだから、懐具合でこっちにしようか、な
どという、普通迷う場面は見たことないのでした。
常に意思決定の連続であります。

ですから、ほなさん狐を「お嬢様」と揶揄したこと
もありました。お嬢様が決めたら、お父様か、お付
の爺やが財布を開けるシーンが想像できます。ほな
さん狸は、爺やの役目をずっとやってきましたので、
買い物には、夫婦で行くことができません。買い物
は妥協の産物だと信じる「安物買い」のほなさん狸
は、何度も、予算オーバーという想定外の辛い思い
をさせられてきたからです。

そういう訳で、買うことをあらかじめ決めておいて
からでないと、ほなさん狐に見てもらうようにすべ
きなのですが、健忘症のほなさん狸は、この小市民
が身を守る術(すべ)を忘れ、過去30数年同じ失敗
をうっかり繰り返してきました。

でも今回は購入するものは決まっておるのです。
ここ一番、見てもらい、張り切って会に行こうと考
えたのです。

それでもやはり読みが甘かった、、。
組み合わせを言われるとは、、、。弱いところをつ
いてこられたのです。そこまで考えておらなんだ、
のでした。

ほなさん狐の追い込みは、それはもう、、すごいも
のでした。
「○○やま」の販売員を手下に使い、マネキンに着
せているものを剥がし、コンピュータ在庫を確認さ
せつつ、シャツやパンツを集め、ほなさん狸に試着
させました。

その手際は鮮やかというか、中堅の男子販売員の手
足を十二分に使う腕前でありました。
さすが、、、です。
ほなさん狸は、なす術(すべ)なく流れに身を任せ
るしかありません。

予算をはるかにオーバーしていく流れに気を失ない
つつも、コートだけはいらん!ということは精いっ
ぱい叫びました。
レジで倒れたほなさん狸の横で、ほなさん狐は、
「よかっただろう、全部いま揃えて買っておかない
 とあかんのよ。いいのがあって良かったわ。」
と満足の表情であります。女は買い物でストレス発
散する、、のでありますね。




地震余談

2015年02月08日 | 日記
ufoさん、地震お見舞いありがとうございました。
みなさまにも、いろいろとご心配をおかけした
ようで、遅ればせながらこの場を借りて、お礼を
申し上げます。

さて、震度5の地震とは申せ、こちらは3であり
まして、幸い何もありませんでした。震源地に近
い小学校?の窓ガラスが数枚割れたとか。
多くの人は
「?」
と思った程度ありました。

再現しますと、こんなもようであります。

ほなさんが軽自動車を走らせ、堤防傍の、とある
老人ホームへ着いた瞬間、

車のTVは、けたたましく鳴り響く警報音!を発し
耳に入れたブルーツゥースのイヤホンは震え、
同時に、携帯も異常な振動をしました。

TV画面にテロップが流れ、突如、アナウンサー
が登場し、
「大きな地震が発生します、身構えてください。」
と何度も繰り返しております。

大変だ、とうとう南海地震がやってきた!
ほなさんの住んでるあたりは、3メートルの津波が
来る地域です。
目の前の出来たばかりの老人ホーム、5階建てに入
ろうか、それとも、この比較的広い駐車場で居たほ
うが安全か、判断がつきかねます。

このまま、ここで居よう。
大きな揺れが収まってから、津波を避けるために建
物に入る、こんな段取りを考え、待つこと数分。
地面はびくともしない。、、、、ぅ全く揺れません。

TV画面の四国地図に、震度が表示されはじめ、
「この地震による津波はありません。」
とアナウンス。

あれっ!
終わっている。
やがて、続々届く、避難を促進するための公的な緊
急メールの数々。

店に帰ってみるとスタッフが、
「揺れたこと自体に気づかなんだわ。」

あの警報って遅すぎるなぁ。
地震関連予測は難しいようですね。
準備もしとかないと、そんなことも思いました。

狐と狸「合戦始末記」(4)

2015年02月06日 | 日記
まだ現役ならば、仕入れのついでに紳士服メーカー
を廻り、買ってくればよかったのだが、そうもいき
ません。
今回は「○○やま」とかいうところに見にいってみ
たところ、「○○やま」のつく店を二軒回って、な
んとかよさそうなのを見つけることができました。

たった一着のジャケットですが、ほなさん狸が選ん
だものは、懐の予算の倍になり、踏ん切りをつけか
ねた代物です。ジャケットが高いのじゃなく、こち
らの懐があまりにもさびしいのです。

それでその場で買おうかどうしようか迷った結果、
ほなさん狐に、
「ちょっとこれで良いかどうか一緒にみてくれない
 か。」
と頼みますと、すぐさま行ってくれることになりま
した。

ダラシナイ夫の姿を、他人に、それも同級生に見ら
れることが耐えられないという理由で。
それでも一緒にみてくれるのは、やっぱり妻だと喜
び勇んでお店に行きました。

ほなさん狐はいろいろ見てくれ、
「やっぱりこれしか無いわね。」
と元から選んでいたジャケットを指差したので、ほ
なさん狸は覚悟を決め、清水の舞台から飛び降りる
つもりで、レジに持っていこうとした時、
「あんた、それだけでどうするの、、。!?」
「シャツは?」
「ズボンは?」
と矢継ぎ早、難しい質問が出たのです。

いけない、これは危険な兆候であります。
予算は、ウルトラマンの胸のピカピカライトのごと
く、騒がしい音を出して、懐の危険水域を知らせて
くれておりました。

おらぁ、これだけでも予算の倍だから、清水を通り
越して東京タワーのテッペンから飛び降りているん
だ。家族旅行を出したから、もう年金の余りは無い
のだぞ、心の中のほなさん狸は悲痛な声で叫んでい
るのです。

でも、ほなさん狐が言い出すのは、それは常に正し
い指摘、、、、それもわかっているのであります。
ジャケットだけ買って帰って、持ち物のパンツとシ
ャツを合わせようとしたって、そんなの合う訳ない。
その光景が目に浮かぶ、、、。

誰かのセリフにあったように、
「服なんて押入れ一杯あるわよ。袖を通していない
 のもたくさん、、、。」
と強く言いつつも、実は古いものばかりで、
「たくさんあるが、ロクなものは一枚も無い!」
これが、我が家の現実です。

ほなさん狐は、ここぞとばかり続けて言いました。
「今ここで合わせなかったら、いったいどこでコー
 ディネートするの?」
(そんな古いものが合う訳ないじゃない、と。)
正しい、実に正しい、、、と思う。

だけどね、あなたの夫はそんなお金持ってないの、
これほど長い歳月を一緒に居てそれが判らないの?
こう言いたい言葉を飲み込んで、、、、。
ほなさん狸は、妻を連れてきたことを後悔し始めた
のでありました。

このあとさらに後悔は深くなるのでありました。
まだ序章、、なのでした。
涙、グスン、、(かすかに嗚咽が聞こえてくるで
はありませんか、あなたにも聞こえていますか。)