昨日、葬儀が終わりました。疲れました。
死亡欄に名前がたった一行載ることは、大変な
内容を含んでいると、再確認した日でした。
人生には50の苦労と50の幸せがあり、その比率を、
49対51にするために努力するのが人生であるとか、
有名な方がおっしゃっていたと記憶していますが、
ある日突然その終わりがくるのは、やはり辛いで
すね。
火葬場へのバスの中で、新しく持参した数珠の太
い糸が切れ、玉がバラバラと零れ落ちました。
落ちた玉を拾い集めると、1個だけ足りません。
義兄が何か伝えようとしていたのか、骨になった
遺体を見ることができませんでした。
漁師の家庭に育ち漁師になろうとして、時代の流れ
から銀行員になった義兄は、有名な逸話があります
ので、ここに書きます。
勤務する支店の近くに大きな橋があり、そこは坂道
となっています。ある日の昼休み、義兄がみている
と、ボロ買いのおばあさんがリヤカーにいっぱいの
荷を積んで、橋の坂道を登ろうとするのですが、折
からの雪で、すべって重くて登りきれないでいます。
昔は行商のおばさんや、こういう光景があたりまえ
にありましたが、そのおばあさんは、言葉通りに、
「まっくろになって働く」貧しい身なりでしたから、
この時代でも、近寄るには勇気がいりました。
義兄は思わず手伝い、なんだ坂こんな坂と汗を流し、
なんとか橋を乗り切りました。
数日後、義兄が外回りの途中、支店から呼ばれ帰る
と、窓口係りの若い女性担当者が、こんな感じの若
い行員がいるだろうとたずねてきた「おばあさん」
がきています、と報告がありました。
そしてそのおばあさんは、持参の袋からくしゃく
しゃになった五百円札、千円札、一万円札を出し、
これを貯金してくれ、と言ってると、窓口係りは
驚きながらもどうしたものか、困っているようです。
新しい札は、一枚もありません。数えてみると約1千
万円もありました。事件性があってはいけませんし、
老人性なんとかの病気でも困ります。貯金するから
といって、なんでもよいのではないというわけです。
支店長と義兄はこのおばあさんのお宅に伺い、定期
預金をしてもらったといいます。ひとり住まいの粗末
な家だったそうで、全財産、爪に火をともして貯めた
1千万円であることは間違いなかったそうです。
他人は信用ならないと銀行に預けることもせず、じっ
とタンス預金をしていた、と言い、そして手伝ってく
れた、この若い行員ならとお礼もかねて貯金したと言
いました。
あの雪の日、おばあさんは、手伝ってくれた後、橋の
上から義兄が支店に戻るのをみていたようです。
嘘のようですが、本当の話です。
近頃の義兄は、孫たちに海水浴をさせたいと、海の
清掃に汗を流していたそうです。当初は、義兄ひと
りでしたが、最近はボランティアの方々も多くなっ
てきていたそうで、ずいぶん海もきれいになってい
います。このこと、ほなさんは近くにいながら知り
ませんでした。
こういう人柄の義兄でした。
こうもあっさり逝かれると、なんともいえませんね。
死亡欄に名前がたった一行載ることは、大変な
内容を含んでいると、再確認した日でした。
人生には50の苦労と50の幸せがあり、その比率を、
49対51にするために努力するのが人生であるとか、
有名な方がおっしゃっていたと記憶していますが、
ある日突然その終わりがくるのは、やはり辛いで
すね。
火葬場へのバスの中で、新しく持参した数珠の太
い糸が切れ、玉がバラバラと零れ落ちました。
落ちた玉を拾い集めると、1個だけ足りません。
義兄が何か伝えようとしていたのか、骨になった
遺体を見ることができませんでした。
漁師の家庭に育ち漁師になろうとして、時代の流れ
から銀行員になった義兄は、有名な逸話があります
ので、ここに書きます。
勤務する支店の近くに大きな橋があり、そこは坂道
となっています。ある日の昼休み、義兄がみている
と、ボロ買いのおばあさんがリヤカーにいっぱいの
荷を積んで、橋の坂道を登ろうとするのですが、折
からの雪で、すべって重くて登りきれないでいます。
昔は行商のおばさんや、こういう光景があたりまえ
にありましたが、そのおばあさんは、言葉通りに、
「まっくろになって働く」貧しい身なりでしたから、
この時代でも、近寄るには勇気がいりました。
義兄は思わず手伝い、なんだ坂こんな坂と汗を流し、
なんとか橋を乗り切りました。
数日後、義兄が外回りの途中、支店から呼ばれ帰る
と、窓口係りの若い女性担当者が、こんな感じの若
い行員がいるだろうとたずねてきた「おばあさん」
がきています、と報告がありました。
そしてそのおばあさんは、持参の袋からくしゃく
しゃになった五百円札、千円札、一万円札を出し、
これを貯金してくれ、と言ってると、窓口係りは
驚きながらもどうしたものか、困っているようです。
新しい札は、一枚もありません。数えてみると約1千
万円もありました。事件性があってはいけませんし、
老人性なんとかの病気でも困ります。貯金するから
といって、なんでもよいのではないというわけです。
支店長と義兄はこのおばあさんのお宅に伺い、定期
預金をしてもらったといいます。ひとり住まいの粗末
な家だったそうで、全財産、爪に火をともして貯めた
1千万円であることは間違いなかったそうです。
他人は信用ならないと銀行に預けることもせず、じっ
とタンス預金をしていた、と言い、そして手伝ってく
れた、この若い行員ならとお礼もかねて貯金したと言
いました。
あの雪の日、おばあさんは、手伝ってくれた後、橋の
上から義兄が支店に戻るのをみていたようです。
嘘のようですが、本当の話です。
近頃の義兄は、孫たちに海水浴をさせたいと、海の
清掃に汗を流していたそうです。当初は、義兄ひと
りでしたが、最近はボランティアの方々も多くなっ
てきていたそうで、ずいぶん海もきれいになってい
います。このこと、ほなさんは近くにいながら知り
ませんでした。
こういう人柄の義兄でした。
こうもあっさり逝かれると、なんともいえませんね。