通でがんす

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原爆をテーマにした漫画「星はみている」の原画が公開されるのはどこ?

2010年01月06日 | 広島の話題

中沢啓治の『はだしのゲン』が、1973(昭和48)年から「週刊少年ジャンプ」に連載されたのは、ご存知の方も多いと思います。
それより16年も早い1957(昭和32)年に原爆を扱った漫画があり、その複製原画や連載誌が公開されることになったそうじゃ。



【問題】
原爆投下から12年後の1957(昭和32)年、原爆をテーマにした漫画「星はみている」が少女雑誌に連載されていました。
その複製原画や連載誌が1月6日(水)から公開されますが、それはどこでしょうか?

1.広島市立まんが図書館  2.まんが図書館あさ閲覧室  3.広島市現代美術館  4. 広島平和記念資料館



【ヒント】
原爆関係じゃけえ、あそこしかないと思うんじゃが…。









【正解】
4. 広島平和記念資料館



【解説】
『星はみている』は谷川一彦が描いたもので、講談社「なかよし」の1957年1月~12月号に連載された。

原爆投下の日に父が行方不明になり、12年後に母も病死した少女が主人公の冒険劇で、父は大やけどを隠しながら生きていたという設定。
原爆ドームや広島駅などが写実的に描かれ、親友が原爆症で死ぬ場面もある。

谷川は広島県安村(やすむら。
現・広島市安佐南区)出身。
遺族によると、原爆投下の日、爆心地から10キロ近く離れた自宅で、放射性物質が含まれた「黒い雨」が降ったのを目撃した。
市内中心部に出勤していた父親は行方不明になった。

「昭和30年代に原爆を扱った漫画があった」とのうわさを聞いた原爆資料館啓発担当の菊楽(きくらく)忍さん(51)が全国の図書館や古書店に問い合わせ、約2年前、大阪府吹田市の府立国際児童文学館(閉館)で「星はみている」が載った「なかよし」を見つけた。
菊楽さんは漫画収集家らの協力も得て別作品の希少な原画も借り受け、資料展でまとめて紹介することにした。



「投下12年後の原爆漫画、広島平和記念資料館が「発掘」」朝日新聞社)








「原爆まんがの一番星-谷川一彦資料展-」

期間:1月6日(水)~1月31日(日)
場所:平和記念資料館 東館地下1階ロビー(展示室(4)前)
展示資料:谷川の漫画掲載誌(複製)約20点、原画(複製)16点他

(「広島平和記念資料館メールマガジン No.78 2010/1/4」広島平和記念資料館)


↓「星はみている」の詳細を知りたい方は、こちら↓
「『星は見ている』全2巻」くだん書房



というわけで、探せばあるもんじゃのう。
今までは、『カムイ伝』などで知られる白土三平氏が1959(昭和34)年に発表した『消え行く少女』が、原爆を描いたものでは最も古いとされとった。

それはともかく、ぜひ見たいもんじゃ。



谷川一彦は、『青い空を白い雲がかけてった』で有名な、あすなひろし(東京生まれ、広島育ち)とも交流があったといわれとります。



谷川の主な経歴は、以下のとおり。



1936(昭和11)年、広島県安村(現広島市安佐南区)に生まれる。

1945(昭和20)年8月6日、米軍による原爆投下後、広島市鷹匠町(現広島市中区本川町)の勤め先で父が行方不明となる。
可部の自宅で黒い雨が降るのを目撃。

1950年代以降、広島県立可部(かべ)高等学校在学中から、『漫画少年』、『冒険王』などに「山鳩物語」「森の仲間」などの漫画を発表。

1952(昭和27)年に『冒険王』で「千万弗そうどう」で雑誌デビュー。

1957(昭和32)年、『なかよし』1月号から12月号で原爆で両親を失う少女を描いた漫画「星はみている」を連載。
『少女』2月号に同じく原爆が題材となっている「ほくろが3つある!」発表。

1958(昭和33)年、原爆が題材となっている「海はしってる」『なかよし』掲載。
この頃、上京する。

1960(昭和35)年、初めての単行本「星は見ている」を兎月書房より刊行。

1961(昭和36)年に創設された虫プロダクションに入社、テレビアニメ『鉄腕アトム』などの作画等を担当した。

1965(昭和40)年『鉄腕アトムクラブ』新年号掲載の「大都会メトロポリス」(原作・手塚治虫、文・郷のりやす)の作画担当。
同年放送の『W3(ワンダースリー)』の第4話「くすのき物語」で作画担当。

1970年代に広島に戻る。

2008年6月、死去。

「谷川一彦」ウィキペディア)




中沢啓治は昨年末、原画や関連資料を広島平和記念資料館に送り、今年の2月に原画所有権を移す文書を市と交わす予定じゃそうな。
ということは、今回のように中沢の原画展が開かれることもあるんじゃろうの。
こちらも、期待しときましょう。



今日は、「星はみている」と谷川一彦について勉強をさせてもらいました。
今日もひとつ勉強になったでがんす。



ほいじゃあ、またの。

コメント
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