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ジョーゼフ・キャンベル『神話の力』

2024年06月30日 | まんが・テレビ・映画
「古今東西の「名著」を、25分×4回=100分で読み解いていく番組が、NHK Eテレの『100分de名著』。2024年7月に紹介する名著は、ジョーゼフ・キャンベルの『千の顔をもつ英雄』じゃ」

「ジョーゼフ・キャンベル? どっかで聞いたような…」

「むかし、『神話の力』って、テレビ番組を録画したビデオを見せたことがあるんじゃが、覚えとらんかいの?」

「忘れた!」



↓『100分de名著』については、こちら↓

「100分de名著」NHK





「今日は、ジョーゼフ・キャンベル『神話の力』についての話でがんす」





「最初に、ジョーゼフ・キャンベルについて紹介しとこう。
ジョーゼフ・キャンベルは1904年、アメリカはニューヨーク州の生まれ。サラ・ローレンス大学で教職に就くかたわら、世界各地の神話の比較研究に多くの業績を残し、第一人者として活躍する。主な著作に『千の顔を持つ英雄』、『神の仮面』、『神話の力』などがある。1987年没」

「そのキャンベルを知ったのが、テレビで放送された『神話の力』じゃったん?」

「『神話の力』は、今から35年くらい前、NHK教育テレビ(現在のEテレ)で放送された。ジャーナリストのビル・モイヤーズと行った対談がテレビで放送されて、そのあとに書籍化されたんじゃの」



モイヤーズ「なぜ神話には英雄の話がこんなに多いのでしょう?」

キャンベル「語られるだけのものがそこにあるからです」

(ジョーゼフ・キャンベル+ビル・モイヤーズ、飛田茂雄:訳『神話の力』早川書房、1992年、220ページ)




「キャンベルは、世界各地の神話の比較研究するうちに、英雄伝説の基本構造を発見した」

「英雄伝説に基本構造ってのがあるんじゃね」

「キャンベルの考えに影響を受けたのが、ジョージ・ルーカス。彼は映画『スター・ウォーズ』の初期3部作(エピソード4~6)に取り入れることで大成功を収めた、というのは有名な話じゃ」

「ところで、英雄伝説の基本構造って、なに?」

「英雄の旅には、ある共通する行動パターンがあって、英雄は旅立ち、成し遂げ、帰還する、というもの。古今東西の英雄たちは、この3つの段階を経て、英雄となるそうじゃ」

「英雄は旅立ち、成し遂げ、帰還する…」

「英雄はまず、日常世界から超自然的な領域へと冒険の旅に出かける(=旅立ち)。
旅の途中で数々の困難と出会うが、最終的にはそれに勝利する(=成し遂げ)。
そして、そこで得たもの(有形・無形を問わず)を持って、冒険の旅から日常世界へと帰ってくる(=帰還する)」

「試練を乗り越えて、成長した英雄が、元の世界に戻ってくると」

「この「行って帰ってくる」というのがポイントで、行って、目的を達成するだけではダメ。元いた世界に戻ってくることで、日常を再発見することになるそうじゃ」

「ほぉ」

「神話といわず、今までに読んだ・聞いた物語の登場人物たちの話をこれに当てはめてみると、「なるほど!」と納得してもらえると思うぞ」

「なるほど!」

「ちなみに、『100分de名著』7月1日(月)放送の第1回は、「神話の基本構造「行きて帰りし物語」」じゃそうな」





「以下、余談」


「ジョージ・ルーカスが『スター・ウォーズ』に応用して成功したということは、ほかの作品でも使った人もおっていうことよね?」

「たとえば、「『千の顔をもつ英雄』実践ガイド」なるマニュアルが作られて、それを元に作られた映画もあるそうじゃ」

「ほぉ」

「そのマニュアルを作ったクリストファー・ボグラーは、『神話の法則』という本も書かれとってんじゃの」





↓ジョーゼフ・キャンベル『神話の力』についての関連記事は、こちら↓

英雄は旅立ち、成し遂げ、帰還する





「今日は、ジョーゼフ・キャンベル『神話の力』についての話をさせてもろうたでがんす」




写真左手前、ジョーゼフ・キャンベル、ビル・モイヤーズ、飛田茂雄:訳『神話の力』 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2010年)
写真左奥、同上(早川書房、1992年)
写真右、ジョーゼフ・キャンベル、倉田真木・斎藤静代・関根光宏:訳『千の顔をもつ英雄〔新訳版〕下』 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫、2015年)


「わしゃ『神話の力』は読み通したが、『千の顔をもつ英雄』は、何度かチャレンジして、そのたびに挫折してきとるんじゃ」

「この機会に、最後まで読んでみるかね」

「おぉ、やってみるで。ほいじゃあ、またの」

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