「未来ロボ ダルタニアス」全話視聴完了。AT-Xでの放送は2月に終わっているので時期はずれだが、色々あってためていた録画を、ようやく全て観終えたのだ。そんな訳で、まとめと感想を書いてみる。ネタばれありなので、ご注意いただきたい。
「ダルタニアス」を語るとなると、「コン・バトラーV」「ボルテスV」「闘将ダイモス」と続く長浜ロマンロボ3部作を踏まえるべきなのだろうが、私はこの3作は、まともには観ていないので、ここでは触れたくても触れられない。CSでも複数の局で再放送されている作品群だが、私の契約していないチャンネルばかりだったので、これまで観る機会がなかったのだ。
そんな、ろくに長浜ロボットアニメを観ていない私が「ダルタニアス」を観る気になったのは、「動画王」vol.1などで紹介されていた設定やストーリーが非常に魅力的だったからだ。また主題歌・音楽が私の好きな小林亜星・筒井広志コンビだったことも要因の一つだ。
さて、実際に本作を観た感想だが、期待に違わぬ出来だった。本作は、ザール星間連合軍の攻撃により、焦土と化した日本で、エリオス星の王子ハーリンの息子・楯剣人をはじめとする少年少女が、ロボット・ダルタニアスでザールに立ち向かうと言うストーリー。剣人たちは焼け跡の世界でも元気いっぱいで、観ていて気持ちがいいし、剣人のお目付役的立場だったアール博士も、いわゆるロボットアニメの「博士」とはひと味違った印象的なキャラクターだった。
主役ロボットのダルタニアスはアトラウス、ガンバー、ベラリオスの三体から成り、メカライオンのベラリオスの顔が中心に来る合体は非常にインパクトがある。アトラウスとベラリオスはそれぞれ単体での活躍も印象深いのだが、ガンバーはもっぱら援護射撃ばかりで印象が薄く、ちょっと残念だ。そう言った位置づけのメカだから仕方がないのだろうが。
シリーズ前半は、ザールとの戦闘を繰り返しながらも、主役の子供たち一人一人にスポットを当てたエピソードが続き、どこかほのぼのした印象がある。そして、クレイタス、ガスコンなど宇宙歴戦の戦士が来訪するエピソードを経て、月面のザール基地への攻撃、剣人の父・隼人(ハーリン王子)の帰還、クロッペンの(偽りの)正体の暴露など中盤で話が一気に進み、息もつかせぬ展開の連続となる。私はここで完全に「ダルタニアス」の世界に引き込まれてしまった。
クローンを単なる「生体部品」として蔑み、差別すると言う現在でも通用する設定を、1979年に子供向けロボットアニメで既に使っていたことには驚かされたし、当初は総司令官クロッペンがオリジナルで、ハーリンの方がクローンだと思わせておいて、途中でひっくり返す展開も見事だ。特に、自らがクローンと知った後のクロッペンの心情とその変化の描写は非常に丁寧で、実に見応えがあった。クローンの設定については、最終2話で更にもう一捻りあるのだが、ここは未見の方のために伏せておく。ともかく、中盤以降は観始めたら途中で止められなくなる事は請け合いだ。最終話まで骨太のドラマが続き、だれることがない。
ところで、知っている人もいると思うが、この「ダルタニアス」は、監督が途中で交代している。長浜忠夫が「ベルサイユのバラ」の監督を引きうけたために、第27話以降は佐々木勝利が監督を務めているのだ。アニメで監督交代となると、作品の雰囲気や方向性が変わってしまうケースも見受けられるが、本作は監督交代前に既に最終話までの物語が作られており、また第33話まで長浜忠夫が脚本監修を行ったことで、監督引き継ぎが上手くいったようで、「ダルタニアス」は全体としてまとまった作品となっている。
また、本作が長浜ロマンロボ前3作と比べると、どうもマイナー感が漂うのは、放映局がテレビ朝日から東京12チャンネル(現・テレビ東京)に変わって放映局が減ったためだとばかり思っていたが、手元にあった「アニメージュ」1980年2月号で「ダルタニアス」の放映局をチェックしてみると、キー局の東京12チャンネルを含めて全国23局で放映されている。「ダルタニアス」に限らず、民放4局以下の地域でも12チャンネルのアニメは比較的多く放映されており、テレ東系6局ネットのみに限って系列外で放映されないアニメの多い現状を考えると、「昔はよかった」と思わざるを得ない。
ともかく、私にとって「未来ロボ ダルタニアス」も、心に残る作品となった。機会があれば、「コンV」「ボルテス」「ダイモス」の3作も、きちんと観返して、もっと多くの長浜作品に触れてみたい。それにしても、長浜監督が既に故人であるのは、本当に残念なことだ。
(ふと思い出したので追記)
「マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ」の各話演出で「佐々木勝利」の名前を何度かみかけたが、本作後半の監督だった佐々木勝利氏と同一人物なのか、非常に気になる。どなたか、ご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報下さい。
「ダルタニアス」を語るとなると、「コン・バトラーV」「ボルテスV」「闘将ダイモス」と続く長浜ロマンロボ3部作を踏まえるべきなのだろうが、私はこの3作は、まともには観ていないので、ここでは触れたくても触れられない。CSでも複数の局で再放送されている作品群だが、私の契約していないチャンネルばかりだったので、これまで観る機会がなかったのだ。
そんな、ろくに長浜ロボットアニメを観ていない私が「ダルタニアス」を観る気になったのは、「動画王」vol.1などで紹介されていた設定やストーリーが非常に魅力的だったからだ。また主題歌・音楽が私の好きな小林亜星・筒井広志コンビだったことも要因の一つだ。
さて、実際に本作を観た感想だが、期待に違わぬ出来だった。本作は、ザール星間連合軍の攻撃により、焦土と化した日本で、エリオス星の王子ハーリンの息子・楯剣人をはじめとする少年少女が、ロボット・ダルタニアスでザールに立ち向かうと言うストーリー。剣人たちは焼け跡の世界でも元気いっぱいで、観ていて気持ちがいいし、剣人のお目付役的立場だったアール博士も、いわゆるロボットアニメの「博士」とはひと味違った印象的なキャラクターだった。
主役ロボットのダルタニアスはアトラウス、ガンバー、ベラリオスの三体から成り、メカライオンのベラリオスの顔が中心に来る合体は非常にインパクトがある。アトラウスとベラリオスはそれぞれ単体での活躍も印象深いのだが、ガンバーはもっぱら援護射撃ばかりで印象が薄く、ちょっと残念だ。そう言った位置づけのメカだから仕方がないのだろうが。
シリーズ前半は、ザールとの戦闘を繰り返しながらも、主役の子供たち一人一人にスポットを当てたエピソードが続き、どこかほのぼのした印象がある。そして、クレイタス、ガスコンなど宇宙歴戦の戦士が来訪するエピソードを経て、月面のザール基地への攻撃、剣人の父・隼人(ハーリン王子)の帰還、クロッペンの(偽りの)正体の暴露など中盤で話が一気に進み、息もつかせぬ展開の連続となる。私はここで完全に「ダルタニアス」の世界に引き込まれてしまった。
クローンを単なる「生体部品」として蔑み、差別すると言う現在でも通用する設定を、1979年に子供向けロボットアニメで既に使っていたことには驚かされたし、当初は総司令官クロッペンがオリジナルで、ハーリンの方がクローンだと思わせておいて、途中でひっくり返す展開も見事だ。特に、自らがクローンと知った後のクロッペンの心情とその変化の描写は非常に丁寧で、実に見応えがあった。クローンの設定については、最終2話で更にもう一捻りあるのだが、ここは未見の方のために伏せておく。ともかく、中盤以降は観始めたら途中で止められなくなる事は請け合いだ。最終話まで骨太のドラマが続き、だれることがない。
ところで、知っている人もいると思うが、この「ダルタニアス」は、監督が途中で交代している。長浜忠夫が「ベルサイユのバラ」の監督を引きうけたために、第27話以降は佐々木勝利が監督を務めているのだ。アニメで監督交代となると、作品の雰囲気や方向性が変わってしまうケースも見受けられるが、本作は監督交代前に既に最終話までの物語が作られており、また第33話まで長浜忠夫が脚本監修を行ったことで、監督引き継ぎが上手くいったようで、「ダルタニアス」は全体としてまとまった作品となっている。
また、本作が長浜ロマンロボ前3作と比べると、どうもマイナー感が漂うのは、放映局がテレビ朝日から東京12チャンネル(現・テレビ東京)に変わって放映局が減ったためだとばかり思っていたが、手元にあった「アニメージュ」1980年2月号で「ダルタニアス」の放映局をチェックしてみると、キー局の東京12チャンネルを含めて全国23局で放映されている。「ダルタニアス」に限らず、民放4局以下の地域でも12チャンネルのアニメは比較的多く放映されており、テレ東系6局ネットのみに限って系列外で放映されないアニメの多い現状を考えると、「昔はよかった」と思わざるを得ない。
ともかく、私にとって「未来ロボ ダルタニアス」も、心に残る作品となった。機会があれば、「コンV」「ボルテス」「ダイモス」の3作も、きちんと観返して、もっと多くの長浜作品に触れてみたい。それにしても、長浜監督が既に故人であるのは、本当に残念なことだ。
(ふと思い出したので追記)
「マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ」の各話演出で「佐々木勝利」の名前を何度かみかけたが、本作後半の監督だった佐々木勝利氏と同一人物なのか、非常に気になる。どなたか、ご存じの方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報下さい。