2020年の終わりに

 あと少しで、今年も終わりとなる。
 このブログでは毎年恒例の、一年のまとめを今年も書いておきたい。

 今年も、一年間で色々なことがあった。それは間違いないのだが、とにかく新型コロナウィルスに振り回されたという印象が強い。
 趣味の事柄だけでも、春のドラえもん映画「のび太の新恐竜」が延期になり、玉突き状態で夏に予定されていた「STAND BY ME ドラえもん 2」まで延期になった。結局、2作とも年内に公開されたが、例年のような盛り上がりに欠ける面は否めなかった。
 コロナのせいで公開が延期になった映画はドラえもんだけではない。多くの作品が、当初予定していた公開日より遅く公開されることとなった。私が今年観た映画で、ギリギリ予定の公開日そのままで公開できたのは「劇場版 SHIROBAKO」くらいだ。この作品にしても、公開自体は予定通りだったが、舞台挨拶が中止になってしまった。舞台挨拶のチケットは当たっていたので、残念としか言いようがない。
 映画だけでなく、テレビアニメも大きく影響を受けた。春開始の作品のいくつかが冒頭の何話かを放送したところで中止となり、夏以降に延期となったほか、夏以降に予定されていた作品でも1クール以上放送予定が遅くなった作品もいくつかあった。NHK総合の深夜枠では、中止になった作品の代わりに『未来少年コナン』のリマスター版が放映されたが、これは思わぬ収穫だった。個人的には、上下カットのなんちゃってビスタサイズでなければなおよかったのだが。
 1クールの深夜アニメだけでなく全日帯のアニメも影響を受けており、『ドラえもん』は半年にわたって新作と再放送のカップリング放送が続いたし、『ヒーリングっど♥ プリキュア』は予定されている放送期間から推測して何話か削減されたであろうことがわかる。
 おそらく、表に出ていなかった計画中の作品も影響を受けたのだろうが、これは確かめようがない。

 個人的な趣味の範囲だけでも、これだけのコロナ影響があったのだし、社会全体が受けた影響は、おそらく計り知れないほどのものがあるだろう。
 幸いにして私は一応普通に生活できているが、世の中にはコロナにかかってしまった人もいるし、かからなくてもコロナの影響で職を失った人もいる。住む家があって生活していけるのは、恵まれた状態なのだと思う。

 趣味の分野での振り返りを続けよう。
 『ドラえもん』に関しては、作品の誕生から50周年と言うことで、記念出版物やグッズなど様々なものが出て、盛り上がりを見せた。
 中でもいちばんの目玉は「100年ドラえもん」であろう。これまで、当ブログでも触れていなかったが、正直言ってこれを買うかどうかは非常に悩んだ。悩みに悩んだ末、とりあえずは買わないことに決めた。色々と理由はあるが、最大は中身が今のてんとう虫コミックスと変わらない事だ。税込77,000円出して、中身がてんコミのものを買うことには、どうしても抵抗があった。豪華特典が付いていても、だ。
 また、単純に置き場所がないというのも理由の一つだ。下手に買うと、「ジャイアンへのホットなレター」のオチののび太の部屋みたいに、自分の居場所がなくなってしまう。ただでさえ、自宅が本であふれそうな勢いなのだ。そこに45冊+3冊が増えるのは、さすがにきつい。
 そんなわけで、「100年ドラえもん」は購入しなかった。もちろん、人間どこで心変わりがあるかはわからないので、ある日思いたって買ってしまうかもしれないが、そこは「あったか~い目」で見守っていただきたい。
 そう言えば、「ドラえもん未来デパート」には、まだ行けていない。そもそも、今年一度も東京に行っていないのだから、未来デパートどころの話ではない。ようやく完成したトキワ荘ミュージアムにだってまだ行っていないのだ。来年は、ぜひこれらの場所に行きたいが、コロナの終息がいつになるやら。これを書いている12月31日の時点で、東京の新規感染者が1,300人超などと言うのだから、全く楽観はできない。
 ドラえもんに関しては、映画のWOWOW一挙放送が私にとって非常に貴重なものだったが、これに関してはすでに当ブログでも取り上げているので、割愛する。

 と、ここまでだらだらと書いてきたが、とにかく来年は事態が少しでもよくなることを願う。
 GO TO トラベルとかは別になくていいから、とりあえず気兼ねなしに普通に東京-大阪間を往来できるようになってほしい。と、言うことはやはりコロナの感染拡大が収まらないと、どうにもならないな。
 願わくば、来年が人類にとって、よい年でありますように。
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映画ドラえもんの原点

 毎年、映画ドラえもんの新作を観るたびに、このブログで感想を書いている。今年はちょっと公開日が変わってしまったが、基本的には毎年3月の年中行事として、すっかり私の中では定着している。

 そんな映画ドラえもんについて、そのはじまりを振り返って書いてみようというのが、本稿の目的だ。
 そんなことを思ったのは、先日発売になった『映画ドラえもん超全集』を読んで、あらためて映画ドラえもんの一作一作について思いを馳せたのが影響している。また、2~3月にはWOWOWでの映画ドラえもん一挙放送があって、藤子・F・不二雄先生の原作がある「のび太のねじ巻き都市冒険記」までは観返しているというのも大きい。やはり、映画は実際に観てこそだと思う。
 そんなわけで、私にとっての映画ドラえもんのはじまりを振り返ってみる。



・ドラえもん のび太の恐竜

 記念すべき映画ドラえもん一作目。同時上映はこの年のみ藤子アニメではなく「モスラ対ゴジラ(短縮編集版)」。
 私が生まれて初めて映画館で観た映画だ…と書きたいところなのだが、これがよくわからない。はっきり言うと、幼すぎてはたして映画館に行ったかどうか、全く記憶にないのだ。なにしろ、私がまだ4歳の時のことなので、無理もない。
 ただ、原作にあたる大長編ドラえもんに関しては、「映画まんがドラえもん のび太の恐竜」のタイトルでカラーコミックスとして刊行されており、これは発売時に買ってもらったらしく、昔から家にあった。だから、「生まれて初めて読んだ大長編ドラえもん」は「のび太の恐竜」で間違いない。おそらく、一冊丸ごとの長編漫画を読んだ最初の体験だと思う。
 このカラーコミックス版をそれこそ数え切れないほどに読みたおしたために、未だにてんとう虫コミックス版での加筆部分に違和感を覚えてしまうのは、困ったものだ。
 なお、テレビ放送のアニメ『ドラえもん』は、すでに観ていたと思う。なぜなら、放送2年目に放映枠が1時間繰り下がって9時30分からになったときに、「これで寝坊しても『ドラえもん』を観られる」と、喜んだ記憶があるからだ。放送1年目も観ていたのは間違いない。
 このように、映画館に行ったかどうかははっきりしないが、おそらく秋のテレビ放送は観ただろうから、「生まれて初めて観たドラえもん映画」だと言っても差し支えはないだろう。
 その後、大人だけのドラえもんオールナイトなどをはじめとして、何度かリバイバル上映を観る機会はあったので、その時にはちゃんと劇場のスクリーンで観ることはできた。やはり、恐竜が動く姿はスクリーンで観てこその迫力だと思う。
 この映画は何度も観ているので、記憶に残っているシーンも数多い。ピー助のタマゴの化石を発見したときののび太のダンス、白亜紀最初の夜のジャイアンリサイタル、のび太たちの乗った恐竜が歩く躍動感あふれるシーンなどなど、挙げていくときりがない。
 この作品に、物心が付いた頃に触れられたのは、幸せな体験だったのだなとあらためて思う。この作品が、藤子不二雄ファンとしての私の生き方を、ある意味では決めたのかもしれない。



・ドラえもん のび太の宇宙開拓史/怪物くん 怪物ランドへの招待

 映画ドラえもん第2作は、豪華な2本立て。『ドラえもん』だけでなく『怪物くん』もテレビに登場して半年で、人気が盛り上がってきていた時期だ。
 この2本立てについては、間違いなく映画館で観た。これは、はっきり記憶しているし、挿入歌として流れた「心をゆらして」とエンディング曲の「ポケットの中に」の2曲に感激して、後日テレビ放送が行われた時にはこの2曲をカセットテープに録音したくらいなのだ。
 映画ドラえもんで一番好きな作品はと聞かれたら、私はこの「のび太の宇宙開拓史」を挙げる。前述の「心をゆらして」が流れるのび太たちとコーヤコーヤ星との別れのシーンが非常に感動的で、強く心に焼き付いているのだ。
 これは原作にも反映されており、てんとう虫コミックスでの加筆時に「心をゆらして」の歌詞の出る場面が足されたのは、映画と同じく別れのシーンだった。藤子・F・不二雄先生も、歌詞を入れるならここしかないだろうと思われたのだろう。
 この作品は、特にクライマックスの部分で原作と映画で異なるところがけっこう多い。一番よく言われるのは、のび太とギラーミンの一騎打ちがなくなっており、ロップルくんがギラーミンを撃つというようになっているところだろう。のび太の格好いいシーンを期待した人から不評なのはわかるが、私は映画版にも思い入れが強いので、映画はロップルくんの物語としてこれはこれでいいのかだと思っている。
 なお、エンディング曲「ポケットの中に」は1番のみが流れるのだが、ビデオ版ではなぜかサビの部分のみ2番に差し替えられており、これが長い間不満だった。現在では、Amazonプライムで観られるバージョンや、WOWOWのリマスター版は1番に戻っている。と言うより、これがオリジナルなのだから聴けて当然だ。
 同時上映の「怪物ランドへの招待」についても触れておこう。先ほど、『怪物くん』はテレビに登場して半年の時期だと書いたが、少なくとも映画を観に行くような層にはすでに大人気だったようで、オープニング主題歌の「ユカイツーカイ怪物くん」が流れると、場内の子供たちの大合唱になって驚いたと、一緒に観に行った母がよく言っていた。
 尺は「のび太の宇宙開拓史」には及ばないものの、それでも75分あるのだからボリュームは十分だ。はじめてお披露目となった怪物ランドでの冒険であり、怪物大王と怪物くんの親子の葛藤、戦怪族とのバトル、ヒロシとの友情など見応えは満点だ。この作品が未だにDVD化されていないのは、全く納得がいかない。テレビアニメのDVD-BOXに同時収録するか、単発でもいいから近い時期に発売すればよかったのにと今でも思う。




 最後に、映画パンフレットと原作にあたるカラーコミックスを紹介しておこう。
 「のび太の宇宙開拓史」のみパンフのサイズが大きく、また切り抜いて遊ぶようになっているため、現在では多少レアになっているらしい。古書店で見かけたら確保しましょう。
 この2作(「怪物くん 怪物ランドへの招待」を入れると3作)については本当に思い入れが強いので、本気で語り出したらいくら字数があっても足りないくらいだ。今回は、簡単にではあるが振り返ってみることで、私にとっての「映画ドラえもん」の原点を再確認することができた。特に2作に限定したのは、本文中にも書いたように「最初に映画館で観た作品」が2作のどちらであるかはっきりしないという事情があったためだ。
 もちろん、「のび太の大魔境」以降の作品についても、色々と思い出は尽きない。いずれまた機会があれば語ってみたいが、とりあえず今回はこれで終わりとする。
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