タイムボカンシリーズの映像ソフトが揃った

 先日、『タイムボカンシリーズ 逆転イッパツマン』DVD-BOX2を入手した。
 これで、長年集めていたタイムボカンシリーズ(昭和放送の作品)の映像ソフトを全て揃えることができた。と言っても、全てを『タイムボカンシリーズ DVDコレクション』で揃えたわけではなく、『ヤッターマン』は後から発売された廉価版だし、『タイムボカン』に至ってはレーザーディスクだが。





 とりあえず、全部集めて記念撮影してみた。こうやって並べると、やはり気分がいい。

 思えば、私が初めてタイムボカンシリーズに触れたのは、幼稚園児の時だった。当時本放送中だった『タイムパトロール隊 オタスケマン』を何とはなしに観るようになって、その後『ヤットデタマン』『逆転イッパツマン』『イタダキマン』と、シリーズ作品に次々と触れていき、すっかりファンになったのだ。
 なお、『タイムパトロール隊 オタスケマン』本放送中に東海テレビでは朝の時間帯に『タイムボカン』も放送しており、シリーズ第1作に触れることができたのは幸運だった。
 もちろん、『ヤッターマン』『ゼンダマン』も何度も再放送されていたので、そちらで観ることができた。

 そして、次なる段階は放送の録画だ。VHSビデオがわが家になってきてからもタイムボカンシリーズは頻繁に再放送された。なかでも『ヤッターマン』がいちばん多かっただろうか。それらの再放送を可能な限り録画して、手元に残しておくようにしたのだ。『ヤッターマン』『ゼンダマン』『逆転イッパツマン』『イタダキマン』は全話の9割方録画できたが、『タイムパトロール隊 オタスケマン』『ヤットデタマン』は一部の話数しか録画できなかった。
 また、名古屋では幼少時に観たとき以来、第1作『タイムボカン』の再放送がなかったので、これをなかなか再見することができなかった。そんなわけで、1990年代当時の私は、ぜひ『タイムボカン』をもう一度観たいという思いが強かった。

 そんな私の願いが叶えられたのは、大学生の時だった。
 当時、既に発売していた『タイムボカン』のLD-BOXを購入したのだ。当時の映像ソフトは今より価格が高く、この『タイムボカン』の場合は税込みで88,000円だった。よく憶えていないが、おそらく定価で買ったと思う。大学生で大して裕福でもなかったのに、よく買ったものだ。それだけ、『タイムボカン』を観たい思いが強かったのだろう。
 LDでは『ヤッターマン』『ゼンダマン』も発売されていたが、ほぼ全話録画が手元になることもあって、さすがにそれらは買えなかった。

 さらに時代は流れて、映像ソフトはDVDが主流となり、パイオニアLDCより、タイムボカンシリーズの全話をBOX化した『タイムボカンシリーズ DVDコレクション』の発売が発表された。
 このDVDシリーズは連動購入特典などもあったのだが、発売当時は全部は買うことができなかったので、思い入れが強く、かつ手元に録画が残っていない『タイムパトロール隊 オタスケマン』『ヤットデタマン』を新品で購入するにとどめた。その後、『ヤッターマン』は2BOXの廉価版(初回版は3BOX)が発売されたので、それを新品で購入した。
 その後は、『ゼンダマン』『イタダキマン』のBOXを中古で購入して、さらに『逆転イッパツマン』のBOX1も買い、最後に『逆転イッパツマン』BOX2が残った状態だったのだが、今回ようやくそれを手にすることができた。『逆転イッパツマン』も再放送の録画が手元にあるので、DVDの購入優先順位が低かったのだ。
 さらに言えば、時代がDVDからBDに変わったのも大きかった。DVDをまだ持っていない時点で『逆転イッパツマン』のBD-BOXが出てしまったので、どっちを買うかと悩んだこともあった。結局DVDにしたのは、なるべく『タイムボカンシリーズ DVDコレクション』を優先したいという気持ちと、BD-BOXには解説書が付いていないという事実による。

 今回、ようやくタイムボカンシリーズの映像ソフトがひととおり揃ったが、そうなるとさらに欲は生まれるもので、『タイムボカン』もDVDで揃えて並べたくなってきてしまった。さらに言えば、『ヤッターマン』も初回版のBOXがほしい。廉価版には解説書がないのだ。
 もし、それらを果たしたら、今度はBD-BOXが欲しくなるんだろうな。私の考えることなど、簡単に想像が付く。とにかく、今は揃ったことを喜びたい。
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タイムボカンシリーズの映像を発掘

 先週、実家の物置を整理して、名古屋に移る時に片づけた物を引っ張り出してきた。
 その中に、1980年代後半に録画したタイムボカンシリーズ諸作品再放送のビデオテープがあった。ここ何年か、「どこかにあるはずだ」と自宅と実家を探していてなかなか見つからなかったが、物置を奥までほじくり返して、ようやく見つける事が出来た。

 録画の中で一番気になっていたのは、以前にこのブログでも触れた、『ヤッターマン』の中期版OP(「歌は「ヤッターマンの歌」のままで映像の一部をヤッターキング等に差し替え)だった。
 当時は、テープ代をケチって120分テープに1話目以外はOP・EDをカットして3倍モードで16話も詰め込んでいたので、使用期間の短かった中期版OPは残っていない可能性もあったが、運良く該当する第54話のOPが入っていた。





 テープのラベルには録画日が書き込んであり、それによると1989年6月に名古屋テレビで再放送されたものだった。3倍モードで20年も前のテープなので画質は良くないが、この中期版OPはDVDでも特典扱いでノンクレジット版しか収録されていない「幻の映像」なので、スタッフクレジットの入った本来の映像を再び観る事が出来ただけでも十分に嬉しい。

 ところで、この中期OPをDVDのノンクレジット版と比べると、クレジットの有無以外にも異なる点があった。それは冒頭の効果音で、DVD収録版は初代OPと全く同じ効果音&ヤッターワンの声なので映像と音が合っていないのだが、今回発掘した第54話のOPは映像に合わせて新たな効果音とヤッターキングの声が付いていた。
 と言う事は、厳密に言えば中期版OPは効果音の異なる二種類が存在するのだろうか。それとも、DVD収録版は絵しか残っていなくて、それに初代OPの音声を合わせて作ったのか。新たな謎が生じてしまった。今更ながら、放送当時に各話のOP・EDをカットしていた事が悔やまれる。中期版に変わった当初の録画が残っていればよかったのだが。
 近年刊行された各種のタツノコ関係の資料でも、『ヤッターマン』は本放送版OPが散逸しているせいでメインスタッフの正確な担当話数が一部不明となっている。こんな状態では、もはや中期OPの謎を解明する事は不可能なのかもしれない。


 他には、東海テレビで放送された『逆転イッパツマン』の録画も見つかった。
 やはり以前にこのブログで触れているのだが、『逆転イッパツマン』はDVD-BOX1では未完成版の初期OP(最後にムンムンのセリフが入っていない)が全話に付けられてしまうミスがあったので、本来は何話でOPが完成したのか確かめたかったのだ。
 この東海テレビでの放送は15分枠だったので、OP+AパートもしくはOP+Bパートと言う変則的な放映形式で、Bパートの放映日には本編冒頭に「後編」としてサブタイトルを改めて表示していた。





 こんな状態では各話に対応したOPが付いている事は期待できないかと思ったのだが、東海テレビの担当者はDVDの制作スタッフより丁寧な仕事をしており、第1話のみ未完成版OPで第2話からはムンムンのセリフが入った完成版OP、さらに新イッパツマン登場後は三冠王バージョンの後期OPへと、きちんと各話に対応したOPが付いており、未完成版OPは本来第1話のみのものだったと確認できた。


 この二つが確認できたのは、今回の物置探索の大きな収穫だった。
 他にも、1992年にテレビ愛知-テレビ東京系で放映されたアニメランド枠での『ヤッターマン』(なぜか第1話からOPが「ヤッターキング」)や、同じくアニメランド枠でOP・EDと本編まで一部カットされた悲惨な状態で流れた『ヤットデタマン』なども見つかった。
 あらためてこれらの変な状態での再放送を観ると、DVDで全話が観られる現在はなんと幸せなのだろうと思ってしまう。


 ちなみに、タイムボカンシリーズ以外にも、1989年にCBCで再放送された『ふしぎなメルモ』が6本ほど見つかったのも収穫だった。現在、『ふしぎなメルモ』は音声を入れ替えたリニューアル版しかDVD化されていないので、一部とは言え本来の音声で観られるのは嬉しい。やはり、ワレガラス先生の声は北村弘一氏がしっくりくる。メルモ役の武藤礼子さんもいい。この二人とも既に故人なのは残念だ。
 昔はCBCではあまりアニメの再放送は行われておらず、1989年の夏休みに突如として『メルモ』を放送したのだが、前年に同局で放映された『テレビ探偵団』の手塚特集で『メルモ』がリクエスト第1位だったことを受けてのことだったのだろうか。
 1990年代に入ってCBCはさらにアニメに力を入れるようになり、テレビアニメやOVAの放送が増えて、さらには自社制作作品を全国ネットで流すようになるが、そのきっかけがこの『メルモ』だったのかもしれない。


 それにしても、昔のビデオテープは再生してみないと何が入っているか分からず、つい見入ってしまう。まだ中身を確認していないテープが何本かあるので、思わぬ映像が残っていないかどうか、見てみるのが楽しみだ。
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元祖「ヤッターマン」廉価版DVD-BOX発売

 先週、「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」DVD-BOX1が発売された。
 以前にも「タイムボカンシリーズ DVDコレクション」の中の一作として3BOXでDVD化されていたが、今回は新作アニメ&実写映画公開にあわせての再販で、2BOXにまとめ直して値段も下がった。前BOXを揃えると定価税別で35,000×3=105,000円だったが、今回は28,000×2=56,000円なので、ほぼ半額だ。
 以前のBOXは既に品切れになっており、買い逃していた私にとってはありがたい。


 今回は廉価版なので、以前のBOXとの違いが気になっていたが、ようやくBOXが手元に届いたので、さっそく中身をチェックしてみた。

 まず、今回「ヤッターマン」単独の再販なので、以前の「タイムボカンシリーズ DVDコレクション」からBOXデザインが変更されて統一感が無くなるのではないかと心配していたが、基本的には前BOXのデザインを踏襲しており、安心した。これなら、「タイムパトロール隊 オタスケマン」「ヤットデタマン」のBOXと並べてもあまり違和感はない。




左・ヤットデタマン、右・ヤッターマン(再販)



 また、中身はディスク9枚組なので、1枚ずつトールケースに入った無駄に大きいBOXが届いたらイヤだなあと思っていたのだが、この点も全く問題ない。大きいどころか「ヤットデタマン」DVD-BOX1(ディスク4枚組、24話収録)よりわずかに小さいくらいだ。
 BOX内にケースが2つ収められており、1巻目にはDisc1~5、2巻目にDisc6~9が入っている。その気になれば、ここまでコンパクトになる物なのか。当然ながら、ケースのジャケットも2種類しかないので、描き下ろしだった旧BOXのジャケットイラストの残りが埋もれてしまうのは残念。一応、メニュー画面で小さい絵を見る事は出来るのだが。




BOXの開口面側。ディスクケースが全然違う



 気になる本編ディスクは、どうやら前BOXと全く同じ内容のようだ。
 前回の「ヤッターマン」DVD-BOXそのものは観た事がなかったが、今回のBOXの方を見てみたところ、メニュー画面のスタイルは私の持っている「タイムパトロール隊 オタスケマン」「ヤットデタマン」と全く同じ形式で、前述のように、各巻に対応するジャケットイラストがメニュー画面に表示される点も、同様だ。
 収録話数も全く同じなので、収録映像の変更はないのだろう。


 前BOXと同じ内容であるとわかって安心したが、同時に一つだけ残念な事があった。それは、OP映像が全て「ヤッターマンの歌」初代版に統一されたままと言う点だ。

 「ヤッターマンの歌」のOP映像は2種類存在しており、2代目の映像は本編でヤッターキングが登場してから、OP主題歌が「ヤッターキング」に変更されるまで、第47話~第57話のごく短期間だけ使われたレアバージョン。映像中のヤッターワン登場場面がヤッターキングに差し替えられたほか、いくつかの場面が変更されている。
 この2代目OP、1980年代の再放送までは確かに流れており、私も何度か目にした。しかし、1990年代以降は再放送で見かける事もなく、幻のOPと化していた。「タツノコプロ インサイダーズ」やサントラCD解説書の放映データによると、現在は「本放映当時のフィルムが部分的にしか現存しない」そうで、いつのまにか行方不明になってしまったようだ。

 そのため、DVDでは第47話以降も初代OPを使っており、今回の廉価版でも、それは同様だ。まあ、歌の方は「ヤッターマンの歌」に違いないのだから、「ヤッターキング」の映像を付けるよりは妥当な措置だろう。ただ、主力メカの交代と主題歌変更の微妙な時期のずれによって生まれた「移行期OP」と言うべき映像を、当時のままで観られないのは残念だ。
 ただし、この2代目OPのノンクレジット版は現存しており、旧BOXでは最終巻に映像特典として収録されたので、おそらく今回も9月発売のDVD-BOX2で観る事は出来るだろう。
 今回のBOX発売までにクレジット入り2代目OPが発見されて、該当話数が正規のOPに差し替えられれば一番よかったのだが、さすがに無理だったか。


 肝心のアニメ本編は、久しぶりにヤッターワン大破が観たかったので、第45話「雪女の秘密だコロン」、第46話「アイアムテルは勇者だコロン」を続けて観た。第45話のメカ戦は、何度観ても衝撃的だ。個人的には「逆転イッパツマン」の第30話「シリーズ初!悪が勝つ」よりも、こちらのほうが衝撃度が大きい。
 シリアス路線だった「イッパツマン」の主人公の死(に見える場面)よりも、完全ギャグ路線の「ヤッターマン」で主役ロボの最期(にしか見えない。「お世話になりました」とか言っているし)の方が、よりギャップが大きいため、そう感じてしまうのだろう。この第45話だけオモッチャマのタイトルコールが無いのも、その後の展開を暗示しており、ちょっと不気味さを感じる。

 それにしても、あらためて旧作を観てみると、やはり面白い。
 ギャグとしては、爆笑させられるようなネタばかりが仕込まれている訳ではないが、三悪やヤッターマンのやりとり、会話の一つ一つのテンポがよくて、観ていると楽しくなってくる。メカ戦のネタも回を追うごとにひねりが加えられてきており、「どうせドロンボーが負けるんだろう」とわかっていても、いや、わかっているからこそ「今回はどうやって負けるのか」と、期待してしまう。
 もう、子供の頃から何度と無く繰り返し観ているのに、今観てもこれだけ楽しめるのだから、恐ろしい作品だ。もっとも、何度も観ているからこそ作品のノリが体に染みついてしまっており、今でも楽しく観られるのかも知れないが。


 放映2年目に入ると、スタッフ・声優陣も悪ノリしてきて、更に面白かった。今から、BOX2で2年目のエピソードを観るのが楽しみだ。「ヤッターキング」のOP映像も最近観ていなかったので、こちらも早く観たい。
 旧作をあらためて観た事で、放映中の新作「ヤッターマン」は、完全に頭から消えてしまった。あれはあれで、ぜひ今の子供たちの心に残る作品になるように作っていただきたいものだが、個人的には旧作BOXが手元にあれば、一生繰り返し観て楽しめると思う。
 BOX2が出れば、タイムボカンシリーズ7作のうち4作までがDVD-BOXで揃えられる事になる(ただし「タイムボカン」はLD-BOX)。こうなれば、残り3作も何とかして入手したいものだ。
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新作「ヤッターマン」は4話で視聴停止

 今週で第10話までが放映された新作「ヤッターマン」だが、第1話の感想OP主題歌騒動の件以降、当ブログではこの作品をとりあげていない。
 実は、録画は続けているが、すでに観なくなっているのだ。第4話を最後に視聴停止してしまった。


 以前にも書いたが、タイムボカンシリーズは放映開始から何話か過ぎて、作品中の人間関係やお約束がある程度確立されてからが本番だと思っている。ワンパターンギャグで笑えるのは、その基礎となる設定・世界が出来上がっていてこそだろう。
 だから、今回の新作「ヤッターマン」も最初の1クールはきちんと観た上で作品の出来を見極めようと考えていたのだが、残念な事に私にとっては第4話の出来が酷すぎた。

 第4話「北の国キャラ2008だコロン!」は、ドラマ「北の国から」のパロディネタだったが、私が「北の国から」をよく知らないせいもあって、ゲストキャラの「~なわけで」の口癖が鬱陶しく感じてしまい、それに加えてアイちゃんは相変わらず「○パー」を連発して、更にはナレーターまで「~なわけで」口調で喋りはじめて、まずセリフで非常にいらつかされてしまった。
 何か一つが引っかかると、他の部分も気になってしまうもので、三悪の声の衰え(特にボヤッキー)や、おだてブタの喋り方、戦闘で流れる変な新曲BGM(「アーウー・オジャママン」アレンジ?)など、これまであえて目をつぶっていた部分が一気に「欠点」として感じられてしまい、これまでは「新作だからキャラが変わってもいいのでは」と思っていたヤッターマン1号の情けなさも、ただただ鬱陶しく感じた。
 本編の後にタイアップEDでとどめをさされたせいもあり、第4話終了後は苦痛な30分と言う印象しかなかった。たとえ「ヤッターマン」の新作であっても、いや、「ヤッターマン」であるからこそ、この内容で毎週観続けるのはつらいと思ったのだ。

 と、言う訳で、すっかり観続ける気がなくなってしまい、第5話以降は録画したっきりだ。自分でも、こんなにも早く見切りを付ける事になるとは思っていなかった。
 8年前の「怪盗きらめきマン」の時も、1ヶ月を過ぎたあたりで「期待していたけど、なかなか面白くなって来ないなあ」と感じていたのだが、新たに投入されたギャグなどに光るものはあったし、何より観ていて不快になることはなかった。
 それと比べると、今回の新作「ヤッターマン」は、色々な仕掛けや新設定があざとすぎて、どうしても鼻につく。


 新作「ヤッターマン」を観なくなってから、今はどうしているかと言うと、DVDで「タイムパトロール隊 オタスケマン」を最初から観返している。
 「オタスケマン」はタイムボカンシリーズ中で私が一番最初に本放送で観た作品であり、DVD-BOXは発売時に買っていたのだが、これまでは気になる話を何本か観たのみだった。何度も観た作品で、しかもいつでも観られるとなると、かえってなかなか観なくなるものだ。
 しかし、新作「ヤッターマン」に失望して、タイムボカンシリーズはこんなにつまらない作品だったのかを自分にとっての原点である「オタスケマン」で確かめたいと思い、あらためて1話から観てみたのだ。

 結論としては、「やっぱりタイムボカンシリーズは面白い」と声を大にして言いたい。
 「オタスケマン」も第3話くらいまではぎこちなさが感じられたが、第4話でゲキガスキーが登場してからどんどん面白くなっていった。
 タイムパトロール隊基地での日常のやりとり、三悪とトンマノマントの掛け合い、トンマノマントの主張する変な歴史、毎回色々な人物がモデルになる顔メカ、そして締めの「愛の特訓」と、本編はたった20分程度しかないのにネタが満載で、どの話も笑って観ているうちにいつの間にかエンディングまで来てしまう。
 特に、顔メカに面白いものが多く、個人的には「宮村義人君メカ」(出演声優の顔メカ)や、聖徳太子メカ(破壊されるともっと細かいお金の人物が中から出てくる)、それにオタスケマン1号&2号メカ(ナナちゃんがわざわざヒカルの顔を攻撃する→ヒカル「ブレー」)などが笑えた。

 現在、第17話まで視聴完了。週に2話ずつ観ているペースで、新作「ヤッターマン」の放映話数を追い越してしまった。正直なところ、今改めて「オタスケマン」を観て面白くなかったらどうしようと少し心配だったのだが、杞憂だった。これだけアイディア満載で精一杯視聴者を楽しませようとしている作品が面白くならないわけがないし、実際に今観ても十分に楽しめる。時事ネタも結構多いが、元々リアルタイムで観ていた作品なので問題ない。


 とりあえず、今後はこのまま「オタスケマン」を観続けていきたい。新作「ヤッターマン」は、一応録画保存は続けるが、元祖タイムボカンシリーズとの違いをはっきり確認してしまっただけに、今後も観る事はなさそうだ。今の「ヤッターマン」は、現代の子供が観て楽しめるのであれば、それでいいと思う。
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「ヤッターマン」復活から一日経って

 新作「ヤッターマン」第1話が放映されてから一日が過ぎたが、公式サイトのBBSが凄い事になっている。
 作品本編については比較的好評だが、「面白かったです。でもOPの歌は…」と、ほとんどの書き込みにOP・ED曲(特にOP)への否定的意見が含まれているのだ。


 私自身は、最初から「期待しない」姿勢で視聴したので、OPについても「「ヤッターマンの歌」なだけまだマシ」と思っていたが、公式BBSの書き込みを読む限り、OPがあのような曲になると知らずに観てショックを受けた人が多いようだ。
 考えてみれば、これは当たり前の事だ。昔、元祖「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」を毎週楽しみに観ていた人が皆、「ヤッターマン」新作情報を仕入れた上で視聴するとは限らない。むしろ、そんな人の方が少数派だろう。自分で言うのも何だが、いい歳してアニメを観ている人間の方が珍しいのだ。
 多くの人は、「おお、「ヤッターマン」がまた始まるのか。せっかくだから観てみよう」とチャンネルを合わせたら、いきなりあのOPが流れて衝撃を受けたのだと思われる。

 もちろん私だって、原曲と今回の音屋吉右衛門バージョンのどちらがいいかと聞かれたら、迷い無く原曲と答える。今回の曲はヒーローソングのは欠かせない「燃え」の要素がアレンジによって失われてしまっており、盛り上がりに欠ける。
 それでも原曲の完成度が高いから個人的には何とか聴けるレベルだが、子供の頃に観た「ヤッターマン」と同じ「熱さ」を期待した人から文句を言われても仕方のない出来だと思う。

 1990年代後半、読売テレビの19時枠アニメは「金田一少年の事件簿」「名探偵コナン」の探偵アニメ二連発になった頃から本格的にタイアップ曲まみれになっていったが、それ以前の時期も含めて、過去の有名作のリメイク作品はなかった。
 だから、あの枠を取り仕切っている人達は、長年愛されてきた曲を下手にいじったらどうなるかには考えが及ばなかったのだろう。不幸にも「ヤッターマン」が、その犠牲第一弾になってしまったわけだ。原曲の魅力と作品全体に占める位置づけを理解しているならば、あのアレンジでお茶を濁す事は考えられない。

 「ゲゲゲの鬼太郎」だってリメイクされる度に主題歌のアレンジと歌手が変わり、現在放映中の第5作で4代目になるが、それぞれの曲がシリーズごとの作風に合っており、作品の「顔」としてしっかり機能している。作品の内容と方向性を理解したアレンジであれば、歌手が変わろうが問題はないのだ。
 タイムボカンシリーズの主題歌も、山本正之が全て歌ってきた訳ではない。「ゼンダマンの歌」「ヤットデタマンの歌」などは、山本氏は作詞作曲のみで、別の歌手が歌っている。だから、今回も方向性さえおかしくなければ、誰が歌っても支持される余地はあっただろう。つくづく、あの枠で放映された事が不幸だとしか言いようがない。


 製作サイドは公式BBSの声にどう答えるのだろう。それとも、見なかった振りをして完全に黙殺するのだろうか。少なくとも1/15付けの諏訪プロデューサーの日記では不評の声には一切触れていない。
 今後の対応がどうなるのか、非常に楽しみだ。
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ヤッターマン #01「ヤッターマン誕生だ コロン!」感想

・ヤッターマン 第1話「ヤッターマン誕生だ コロン!」
(脚本/高橋ナツコ、絵コンテ/しぎのあきら、演出/剛田隼人、作画監督/井口忠一、アクション作画監督/鈴木清崇)


 とうとう始まった、新作「ヤッターマン」。
 幸いにも今日は休日なので、リアルタイムで観る事が出来た。二日前にさんざん不安を述べた手前、第1話の感想は書いておかなければならない。
 とりあえず、旧作「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」全108話を度重なる再放送と録画で何度も観返して、完全に頭に染みついてしまっている人間の感想だと言う事を前提においた上で、読んでいただきたい。


 まず、全体としては、思ったよりは悪くなかった。
 インチキ商売→ドクロベエの指令→ドクロリング争奪→メカ戦→おしおき、と言う旧作で確立されたパターンは完全に踏襲しており、安心して観る事が出来た。12日深夜に放映された事前特番でもほとんど旧作の紹介に終始していたので、おそらく話の展開でひねってくる事はないだろうと思っていたが、ここまで徹底して前作通りだと、清々しさを感じる。インチキ商売にコロッと騙される人達の行動まで旧作通りだったのは笑えた。
 話の展開と言えば、ヤッターマンの二人がいきなり何の説明もなく路上で変身したのには驚いたが、旧作でも変身メカニズムに特に説明はなかったし、思い切りよく開き直って話を進めたのはむしろよかったと思う。高橋ナツコクオリティが早くも発揮された感じだ。
 三悪のかけあいやヤッターマンとの戦いでのギャグは弱く感じたが、これはタイムボカンシリーズの開始当初ではよくある事。今回は「怪盗きらめきマン」での失敗を反省してか、アドリブが解禁されているようなので、徐々に声優陣がノッてくれば面白い掛け合いも飛び出すかも知れない。

 今回、三悪&ドクロベエに関しては声優も旧作と同じで、キャラ的にも特に変化は見られないが、その代わり主人公サイドのキャラクターについてはアレンジが加えられており、ガンちゃんがやる気のない性格となっている。
 このキャラ付け、第1話では話の展開上必要だった事はわかるが、主人公は積極性があったほうが動かしやすいのではないだろうか。今後、話作りの足かせにならなければいいのだが。あえて大きく性格を変えた以上、その点は考えていると思いたい。
 そして、もう一人のヤッターマン、アイちゃん。新たに「○パー(%)~~」という口癖を使うようになっていたが、はっきり言って寒く感じた。最初は、何と言ったのかもよくわからず、この口癖を連発していたのでようやく飲み込めたが、これはいらないだろう。伊藤静の演技はいつものお姉さん系よりは若干かわいらしい感じになっていて、悪くない。

 声優の演技について触れたが、ガンちゃん役・吉野裕行の声は心配したとおり、演技力以前にあの顔からあの声が出る事自体、まだ受け付けられない。三悪の声優を変えず、冒頭で「久しぶり」と言わせるなど、明らかに子供だけでなく旧作世代もターゲットにしているのに、ガンちゃんだけこのような違和感バリバリの配役にする意図がわからない。吉野裕行が前番組の「結界師」にも出ていたは知っているが、全く異なるキャラで声優を引き継がせると言う事は無いだろうし。
 山ちゃんのナレーターはなかなかの名調子で、もちろん富山さんの声とは違うが、聴いていて特に違和感はない。ヤッターワンとの二役も問題なし。おだてブタはちょっと違う感じがしたが。


 そして、もう一つの不安要素だった「歌」だが、OPについては曲がりなりにも「ヤッターマンの歌」であり、何度か聴いていれば耳に馴染みそうだ。OPアニメは今までのタイムボカンシリーズとは違う方向性だが、歌のアレンジとイメージは合っている。
 EDは、思った通りに問題外。曲の善し悪し以前に、EDだけ別世界になってしまっていて、全く「主題歌」とは言えず、ぶち壊しだ。よりによって本編ラストから曲がかぶる仕様になっているので、たちが悪い。せめて本編終了後にCMで分断されていればいいのだが。EDアニメの方は、キャラと状況のミスマッチさで不覚にも笑ってしまった。


 ともかく、旧作ファンとしてはそれなりに観られる作品だった。少なくとも、「怪盗きらめきマン」のようにギャグが古すぎて笑うに笑えないと言う最悪の事態は避けられたようだ。お約束パターンを踏襲しつつ、いかに現代に合うように発展させていくかが今後の課題だろう。まず、最初の1クールは様子を見たい。
 できえば、2クール目からはEDを三悪の歌に変更して欲しいものだ。
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「ヤッターマン」新作への不安

 三が日があけてから昨日までずっと仕事だったので、今週は疲れた。今日は、ようやく休日。この三連休でしっかり体を休めなければ。


 さて、前回のエントリで触れた「昨年からの「宿題」」第1弾として、放映開始が二日後に迫った「ヤッターマン」新作について、思うところを書いておく。

 まず、新作に対しては基本的に「期待せずに観る」姿勢で視聴するつもりだ。思えば、「タイムボカン2000 怪盗きらめきマン」の時は、「17年ぶりのタイムボカンシリーズ新作」としてあまりに期待しすぎており、それだけに本編が残念な出来で非常にがっかりさせられた。
 今回の「ヤッターマン」も、笹川ひろし総監督をはじめとするメインスタッフ(キャラクターデザインの天野喜孝を除く)及び悪玉側のメインキャスト(三悪&滝口順平)が旧シリーズから継続して参加している点は「怪盗きらめきマン」とほぼ同じなのだから、「今の時代ならではの「ヤッターマン」」を期待するのは難しそうだと思っている。

 ただ、「怪盗きらめきマン」と違う点として、脚本家が小山高生&ぶらざあのっぽの面々から、高橋ナツコと武上純希に変わっているので、面白くなるかどうかは別として、少なくとも旧作のコピーとは違う新たなテイストの話が観られそうだ。それは、第2話「ナニワのたこ焼王決定だコロン!」、第3話「バカデミー賞を獲るのだコロン!」と言うサブタイトルからも伺える。
 また、「怪盗きらめきマン」が「タイムボカンシリーズ第8弾」としての完全新作だったのに対して、今回の「ヤッターマン」は「タイムボカンシリーズ」の冠を外したリメイク作品であり、基本設定は出来上がっている分、安定した作りが出来そうだ。


 しかし、スタッフはともかくとして、現時点で私が最大の不安要素と感じているのは、ヤッターマン1号の声優と主題歌だ。
 大山ドラ末期のセワシ役を聴く限りでは、現在の太田淑子に少年役はつらそうなので、善玉側のキャスト一新は仕方がないと思うが、あえて男性声優を選ぶところが理解できない。三悪&ドクロベエは旧作と同じ面々が演じるだけに、ヤッターマン1号の違和感が特に強調されそうだ。実際、番宣映像で聴いた声にはかなり無理を感じてしまった。
 ただ、ヤッターマン2号とオモッチャマは、結構合っていると思う。オモッチャマはたかはし智秋だと聞いて驚いたのだが、番宣を観ると善玉側では一番旧作に声のイメージは近く感じる。ナレーターに山寺宏一も非常に妥当な人選だろう。選ばれるなら、この人か堀内賢雄(「平成タイムボカン」でナレーターを担当)のどちらかだと思っていた。今回はナレーターとヤッターワンを兼任するようだが、これは「タイムボカン王道復古」からの流れだろうか。

 そして、主題歌。EDについては、このmihimaruGTのコメントを読んだ時点で諦めた。そもそも「主題歌」と呼べる歌では無さそうだ。「自分は「ヤッターマン」を全然知りません」と言っているのと同じで、わざわざこんなコメントを出す事自体、理解に苦しむ。それにしても、どんなEDアニメになるのか気になってしまう。まさか、「恋愛をテーマに書いた歌詞」の歌に合わせて三悪がバカをやるとも思えないが。
 OPに関しては、カバーではあるが「ヤッターマンの歌」なので多少は期待できるが、新年早々オリジナル歌手・山本正之のサイトに、主題歌決定の経緯について暴露とも言えるコメントが掲載され、それを読んでガックリきてしまった(現在、コメントは削除済み。1/12の時点ではGoogleキャッシュで読む事が出来る)。
 山本サイドの言い分を全面的に鵜呑みにすべきではないとは思うが、コメントを読む限りでは少なくとも諏訪プロデューサーと山本氏の間でしっかりした意志疎通は出来ていなかったようだ。その事実自体も残念だし、こんな事をわざわざ放映開始直前にバラしてしまう山本氏の行動にもがっかりだ。何十年か後に思い出話として語るならともかく、今言うべき事ではないと思う。
 いずれにせよ、読売テレビ月曜19時枠ではOP・EDはあくまでタイアップの場としか扱われていないことが、あらためてよくわかった。旧作の「ヤッターマン」を含めたタイムボカンシリーズでは、主題歌は言うに及ばず数々の挿入歌も効果的に本編で使われており、歌が全てではないにせよ、決しておろそかに出来る要素ではない。その「歌」が期待できないとあっては、作品全体としても期待する事は難しい。


 以上、新年早々思っていたよりも長くなってしまった。
 念のために書いておくが、私は別に新作「ヤッターマン」に対してネガティブキャンペーンを行うつもりはない。上では期待しないと書いたが、実際に観てみて面白ければ、もちろん大いに応援したい。「タイムボカンシリーズ」の冠こそ外れたものの、久々のシリーズ新作である事には変わりなく、シリーズのファンとしてはやはり面白い作品になって欲しい。
 とりあえず、中京テレビでは本日深夜に放送開始前特番が放映されるので、そちらを観て放映開始に備えておこう。
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読売テレビ月曜19時は「ヤッターマン」新作

『ヤッターマン』、生誕30周年でゴールデンタイムに復活!(ORICONSTYLEより)


 読売テレビ月曜19時の枠は、来年1月から「ヤッターマン」のリメイク版に決定した。
 以前、「ヤマト」やら「ルパン三世」やら「ハイジ」のリバイバルをやりたいと言っていたのは何だったのだろう。そして、この企画は一体いつから動いていたのか。読売テレビ+タツノコプロの組み合わせも、「ヤッターマン」の復活自体もあまりにも唐突な事で、「タイムボカンシリーズ」ファンとしてもコメントに困る。

 それに、今回はあくまで「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」のリメイクであり、新キャラクターによる「タイムボカンシリーズ」の完全新作では無いという点が、引っかかる。
 完全新作としては、2000年にテレビ東京系で放映された「タイムボカン2000 怪盗きらめきマン」が不発に終わっており、この作品は現時点でDVD化すらされていない。
 1990年代末からのアニメ雑誌を見ると「きらめきマン」はかなりの時間をかけて準備していた事が伺える。それだけ力を入れて作った新作がコケてしまったのだから、今度は一番知名度が高い「ヤッターマン」をもう一度と考えたくなるのは理解できる。


 しかし、最近のタツノコプロはリメイク作品でも芳しい成果を出していない。
 その典型的な例が1997年に放映された「マッハGOGOGO」のリメイク版で、今の「ポケモン」と同じテレ東木曜19時枠で始まったものの、半年で水曜18時30分枠に移動となり、何故か「タイムボカンシリーズ」的な時間旅行物にテコ入れされたあげく、枠移動後は1クールで終了になってしまった。1990年代後期のタツノコプロ迷走を象徴する作品にだったと思う。
 この「マッハ」新作の後にタツノコが制作した地上波テレビシリーズ作品は、前述の「怪盗きらめきマン」のみで、BSやCSの短期シリーズやOVAはいくつか制作しているものの、21世紀に入ってからタツノコの名はほとんど他社制作作品の下請けとしてしか見かけなくなってしまっていた。「タイムボカンシリーズ」から入って1980年代を中心にタツノコ作品に親しんでいただけに、寂しい状況だった。

 そこへ、今回の「ヤッターマン」リメイク版の話が入ってきたのだが、正直言ってどんな作品になるか、非常に不安が大きい。
 読売テレビの月曜19時枠は、OP・EDは作品と関係のないタイアップ曲まみれの時間帯であり、その体制が続くとすれば、山本正之による主題歌はまず期待できない。
 次に、登場キャラが変わらないとして、声優はどうなるのか。キャラと声の知名度から考えて、おそらく三悪の声優はオリジナルのまま、それに滝口順平氏は「きらめきマン」にも出ていたのでドクロベエも続投は期待できるが、ヤッターマン1号・2号やオモッチャマなどは総入れ替えになりそうだ。
 また、ナレーターの富山敬氏は故人であり、どうしても新しい人を起用するしかない。「きらめきマン」では滝口氏が黒幕のドグリンと二役でナレーターを務めていたが、「ヤッターマン」となるとドクロベエのイメージが強すぎるので、ナレーター兼任は難しいだろう。

 さらに、オリジナル版が放映された1977~79年と、現代との表現規制の違いも問題になりそうだ。
 昔のような景気のいい爆発やドクロ雲、ドロンジョのオッパイポロリなどが、現代ではどのような描写になるのか。また、タイムボカンシリーズに不可欠な時事ネタやアドリブ満載の掛け合いは可能なのか。個人的には、アドリブを廃した事が「きらめきマン」失敗の最大の要因だと思っているので、ぜひ復活させて欲しい。


 そして、一番気になるのは、軌道に乗るまで読売テレビが我慢できるかどうか、だ。
 タイムボカンシリーズのどの作品にも言える事だが、序盤1クールを過ぎる頃まではスタッフ・声優とも試行錯誤が続く時期でギクシャクしているところもあり、本格的に面白くなるのは2クール目に入ってからだ。「ヤッターマン」は2年1ヶ月も続いた作品なので、2年目に突入してからはスタッフ・声優ともさらに悪ノリして、抜群に面白くなっていた。
 だから、半年で放映が終わった「イタダキマン」と「きらめきマン」は、真価を発揮する前に終わってしまった不幸な作品だと言える。もちろん、短期終了するにはそれなりの理由はあり、特に「イタダキマン」2クール目の迷走っぷりは、観ていて痛々しく感じるほどなのだが。
 ともかく、本気で現代のこの時間帯に「ヤッターマン」をヒットさせたいのなら、最低でも1年(実質放映話数は40話弱くらいか?)は我慢する必要があると思うが、「結界師」の左遷を目の当たりにすると、読売テレビにそんな忍耐力があるとは考えにくい。



 いきなりのニュースにどう反応してよいかわからず、とりあえずは思った事をとりとめもなく書いてしまった。
 まだ、メインスタッフ・キャストも明らかになっていないので、新作への不安と期待については、詳細が判明してから改めて書きたい。
 願わくば、表面的に旧作をなぞったようなリメイクではなく、旧作のいいところを活かした上で現代ならではの趣向を盛り込んだ、素直に楽しめる作品となって欲しい。これがコケたら、今度こそタツノコに後は無さそうだし。
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「タイムボカンシリーズ」サントラCDが完結

 昨年8月に、第1弾の「タイムボカン オリジナル・サウンドトラック」が出て以来、2ヶ月に1枚のペースで発売されてきた「タイムボカンシリーズ」のサウンドトラックCDシリーズが、7月5日発売の「逆転イッパツマン オリジナル・サウンドトラック」をもって、めでたく予定通りの6作全てがCD化された。
 当ブログでは、「ゼンダマン」以降は特に取り上げていなかったが、もちろん私は全て買い続けていた。今回、完結によってジャケット背のタイムメカブトンも完成したので、CDを並べて眺めているだけで、いい気分になる。


 せっかくだから、あらためて好きな曲をあげてみようかと思ったが、どう考えてもきりがないので、やめておく。ただ、個人的に、本編のラストシーン向けに作られたOP主題歌のアレンジ曲(「ヤットデタマン」81トラック(M-31)や、「逆転イッパツマン」97トラック(M-46)など)は特に印象的だったので、あらためてじっくりと聴くことが出来て、嬉しい。主題歌と同じメロディーにもかかわらず、哀愁のあるアレンジが心に強く残っており、曲だけを聴いていても、頭の中には自然とナレーターの名調子が聞こえてくる。
 他にも、ギャグ調の曲、アクションシーンの曲など、いずれも名曲揃いで、しかも本編を何度観たか分からないほど観ている作品なので、曲を聴いていて、本編の場面やキャラクターのセリフが、すぐに頭に浮かんでしまう。ここまで脳内にしっかり刻まれてしまったアニメBGMは、私にとっては本作と大山のぶ代版「ドラえもん」くらいだ。


 今回、タイムボカンシリーズのBGMがCD化されただけでも十分嬉しいのだが、「タイムボカン」から「逆転イッパツマン」までの6作は、本編で使われた曲はもちろんの事だが、未使用曲も音源が残っている限り全て収録されて「完全収録」にこだわっている点が素晴らしい。実際、「逆転イッパツマン」に付いてきた「総音楽リスト」を見ると、歌の入っていない純然たるBGMについては完全収録を達成しており、まさに壮観だ。

 さらに、最後のリリースとなった「逆転イッパツマン」は2枚組で、1枚が丸々ボーナスディスクとなっている。ここでは、これまでCD化されていなかった劇中挿入歌「アターシャ」や「嗚呼!三冠王」に加え、「逆転イッパツマン」のデモヴァージョンまで収録されている。他にも、放送用に編集された次回予告BGMもようやくフォローされており、単品売りしていないのが不思議なくらい非常に豪華な内容だ。


 さて、ここまで述べたように、「タイムボカンシリーズ」サウンドトラックは素晴らしい内容なのだが、残念な点もあった。それは、シリーズ第7作の「イタダキマン」BGMが単品で完全盤としてリリースされなかった事だ。
 「イタダキマン」はシリーズで唯一、本放送当時に音楽集がリリースされており、その音楽集が「タイムボカン ぶたBOXこれっきり」の1枚としてCD化されている。そして、前述のボーナスディスクには「音楽集」未収録BGMの大半が収録されているので、ほとんどの曲は聴けるのだが、OP主題歌「いただきマンボ」及び、そのアレンジBGMが未収録となってしまった。おそらく、作曲家が異なるための権利問題があったのだろうが、次回予告BGMや、前述の「本編のラストシーン向けに作られたOP主題歌のアレンジ曲」イタダキマンバージョン(「総音楽リスト」掲載のM-44か?)が入っていないのは痛い。最終話の空作が去っていくシーンでの使用が特に印象深く、シリーズ全体の締めくくりとしても重要な曲だと思うので、残念だ。
 また、テレビサイズ主題歌のうち「ヤッターマン」の「ヤッターキング」「ドロンボーのシラーケッ」、「タイムパトロール隊 オタスケマン」の「がんばれオジャママン」、「ヤットデタマン」の「ヤットデタマン ブギウギ・レディ」が収録されていない事も少々残念だが、こちらはその気になればDVDで聴けるから、まあいいだろう。

 このように、いくつか気になる点はあったが、それでも最善を尽くした結果なのだろう。「イタダキマン」にしても、「総音楽リスト」を見る限りでは、OP関連以外の曲は、ほとんど収録されている。少々面倒くさいが、「音楽集」と今回のボーナスディスクを合わせて編集すれば、オリジナルの「イタダキマン BGMほぼ収録サウンドトラック」を作ることも出来るのだ。
 だから、未収録曲が出たことを非難するよりも、むしろよくここまで入れてくれた、と言いたい。


 それにしても、今回のCDを聴いて、根強いファンが付いている旧作アニメのサントラCDやDVD-BOXなどを商品化する時は、その作品にこだわりを持ったスタッフを絶対に参加させるべきだと、つくづく思った。ライナーノートの解説を読めば、このCDに関わったスタッフが「タイムボカンシリーズ」と、そのBGMに惚れ込んでいる事はよくわかったし、安心してCD化を任せられると思ったものだ。
 もちろん、CDやDVDを発売する会社に、そのアニメに詳しい人間がいない方が普通なのだろうが、それならば外部からでも「わかっている」人間を招聘すべきだと思う。いちいち作品名はあげないが、いかにもやっつけ仕事という感じの残念なCDやDVDも、実際に存在する。個人的に思い入れのある作品であればあるほど、ショックは大きい。



 ともかく、この一年間、1枚発売される毎にタイムボカンシリーズの世界に浸り、また次のリリースが待ち遠しくて仕方がなかった。それが終わってしまって少々淋しいが、これで「タイムボカンシリーズ」ほぼ全ての曲を、いつでも好きな時に聴けるようになったのだ。あらためて、このCDを企画・制作されたスタッフの方々には、お疲れさまでした、ありがとうございましたと言わせて頂きたい。
 あとは、全巻収納BOXの到着が楽しみだ。まあ、これは早くても9月になるのだが。
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「ヤッターマン」サントラついに発売

 タイムボカンシリーズのサントラ第2弾「タイムボカンシリーズ ヤッターマン オリジナル・サウンドトラック」が、昨日ようやく発売された。当然、昨日購入したのだが、寝るまでずっと聴きっぱなしだったので、ここで取り上げるのが今日になってしまった。

 ともかく、とうとう「ヤッターマン」のBGMがCD化された。既に何度も繰り返し聴いているが、ほとんどの曲は耳にすっかり馴染んでしまっていて、頭の部分を聴いただけで、その後のメロディーが頭に浮かんで、さらに対応する場面やセリフに、すぐに結びついてしまう。改めて「ヤッターマン」において、音楽がいかに大きな割合を占めていたかを、認識されられた。

 全部で99トラックもあるので、とても全ての曲について語る事は出来ないが、とくに馴染みの深い曲、印象的な曲を取り上げてみる。



トラック1 テレビサイズ初代OP。実際の放送版とは違い、冒頭でヤッターワンの吠える声は入っていないが、フルサイズと比べると、確実にテレビサイズの方が多く聴いているので、CDで聴けるようになって本当に嬉しい。

トラック3 本編冒頭、ドロンボーのインチキ商売でいつも流れる曲。ボヤッキーとトンズラーの声が、どこからか聞こえてくるようだ。

トラック5 こちらも本編冒頭によく流れたが、トラック3とは違ってガンちゃん・アイちゃんの登場時に使われる事が多かった。いずれにしても、導入部には欠かせない曲。

トラック9 「ドーレ、ひかえるダベェ~」と、ドクロベエ登場シーンの曲。

トラック13・14 事件発生→正悪のドタバタという流れでよくかかっていた。

トラック16 ヤッターマン登場シーンの曲。当然、1号・2号の笑い声は欠かせない。その後、「ヤッターマンがいるかぎり、この世に悪は栄えない!」と、続く。

トラック18・19 ドロンジョのお色気シーン定番曲。ちょっと大人のムード。

トラック20 場面転換でお馴染みの曲。「ヤッターマン・ロック」のアレンジだと知ったのは「タイムボカン名曲大全」を聴いてから。

トラック24 神秘的なムードの曲。なぞめいた事件発生などの場面でよく使われていた。

トラック33 正悪の直接戦闘でよく流れていた。40秒弱と短い間に戦いの決着が付いてしまうのがすごい。

トラック34 これも「ヤッターマン・ロック」のアレンジ。どちらかというとメカ戦向けの曲だっただろうか。

トラック35 これも場面転換でお馴染み。三悪が怪しげな行動を取った時によく使われていた。

トラック39・40 ヤッターマンピンチの場面で、よく流れていた。トラック40の方ではピンチから逆転する流れも。

トラック43 これもピンチの場面、特にAパートラストでBパートへの「引き」に多用された。

トラック47 戦い終わってめでたしめでたし、ゲストキャラのエピソードに落ちが付いた場面で使われていた。

トラック55 これも、どちらかというと正義側のピンチでよく聴いた。トラック43同様、Aパートラストに使われた事も多かった。

トラック78 メカ戦が緊迫した状態で流れていた。この曲から、ビックリドッキリメカの登場につながる。

トラック90 ゾロメカ行進曲と言えば、分かる人には分かるだろう。この曲を聴かなかった回は、一度としてないはずだ。

トラック91 メカ戦大詰め、ドロンボーピンチの展開。この曲が流れると、もうそろそろ戦いも終わりだなと、思ったものだ。

トラック93 「運命」。つまり、「オシオキダベェ~」の曲。「ミュージック!」も忘れずに。

トラック94 ドロンボーが負けて、エッホエッホと自転車で逃げるシーンでお馴染みの曲。「ドクロベエさまに捧げる歌」のアレンジ。

トラック97 ラストシーン定番曲。富山敬のナレーションも懐かしい。シリーズ途中から、この曲に歌詞を付けてナレーターが歌うという驚きの展開があった。「今日も行く行く、夕陽の中を~」から始まるこの曲、今でもきっちり覚えている。このメロディーに逢わせて歌える日が来ようとは。

トラック99 初代EDのテレビサイズ。こちらも、テレビ版の方が耳に馴染んでいる。テレビではフェードアウトしてしまった部分も聴けるので、ちょっとお得。

 以上、簡単に済ませるつもりが、結構長くなってしまった。これら以外も、みな懐かしい曲ばかりだが、他のシリーズでよく聴いた記憶のある曲もあったので、特に「ヤッターマン」劇伴としての印象が強い曲を取り上げた。


 これだけ一気にBGMを聴いてしまうと、久しぶりに本編も観たくなってくる。全話録画したビデオはあるが、かなり古くなって視聴に耐えない物がほとんどだ。やっぱり、DVD-BOXを買うべきか。「タイムボカンシリーズ」他作品も含めて、全部揃えたいものだ。

 さて、このサントラCDは素晴らしいのだが、残念なところもある。まず、2代目OP・EDのテレビサイズが収録されていない。解説書には「諸般の事情」で入れられなかったとあるが、後続のCDでフォロー可能ならば、何とかして欲しい。
 また、今回は全185曲中、特に劇中使用例が多い106曲が優先的に収録されたので、かなり収録漏れがある。しかし、こちらについては解説書に、後続CDでフォロー予定としっかり書かれているので、まあ問題はない。

 現在は「ヤッターマン」だけでお腹いっぱいの状態だが、第3弾「ゼンダマン」サントラは、早くも12月21日発売予定。このまま、2ヶ月に1枚ずつリリースされるとしたら、夢のような状況だ。「逆転イッパツマン」まで6作分出揃うのは、来年6月になる。揃ったら、全部ぶっ続けで聴きっぱなしになりそうだ。
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