東海中学「茅原実里の"めぐり逢い"」

 本日、東海高校・中学校「サタデー・プログラム」の一つとして開催された公開講座「茅原実里の"めぐり逢い"」を聴講してきた。
 名古屋に声優が来て、しかも1時間半も話が聞ける機会はそうそうないので、非常にありがたい。そう思っているのは私だけではないようで、講堂の1階席は埋まって2階に立ち見まで出た盛況ぶりだった。事前のアンケートによると、宮城県や福岡県からの参加希望者もいたそうだ(実際に来たかどうかは不明)。

 この「サタデー・プログラム」は東海高校・中学の生徒が中心となって企画しているもので、今回の講座も、司会進行役の二人の生徒が「自分たちがファンだから呼びました」と、実にわかりやすい理由で開催された事を最初に明かしていた。
 実際、司会のS君とK君は最初の説明の時こそ「茅原実里さん」と呼んでいたが、本人が登場したら緊張しつつも舞い上がって「みのりん」と呼ぶなど、見ていて実に微笑ましかった。その後も、最後まで呼び名は終始「みのりん」だった。


 講座の内容は、


 ・中学・高校時代の思い出
 ・なぜ、声優になったのか
 ・作品別に、みのりん自身が選んだ名場面を上映し、作品について語る
 (「天上天下」第1話より棗亜夜の初登場、「涼宮ハルヒの憂鬱」第10話より長門対朝倉、「みなみけ」第10話より千秋と「山田」の出会いと別れ)
 ・受講者からの質問コーナー


以上の内容で構成されていた。

 みのりんと言うと、最近は「残念な子」のイメージが強かったのだが、さすがに中学生相手なのでしっかりお姉さん役として、舞い上がって妙な受け答えをする司会二人を上手くフォローしていた。
 何しろ、1時間半近くにわたった講座なので、とても内容はまとめられない。以下、個人的に印象的だったコメントを紹介しておく。まずは、アニメ3作品についてのコメントから。


・「天上天下」第1話の棗亜夜登場シーンは、本人のセリフは入っていない。それでもこの場面を選んだのは、デビュー作で声をあてたキャラの初登場で思い入れがあるから。また、録音時には息を入れるなど演技をしていたが、オンエアを観たらまるっきり声が入っていなくてショックだった。それでも、アニメは声優だけで作るものではないので、スタッフの判断の結果でああなったのだろうと今では納得している。

・「涼宮ハルヒの憂鬱」長門対朝倉の戦闘は、当初から長門の最大の見せ場だとスタッフから聞いていたので、特に力を入れて演じた。基本的に長門は感情を込めない話し方でと指導されていたが、絵の方で結構感情が入っているように見えるので、それに引きずられる事もあって難しかった。

・「みなみけ」で山田を蹴っていたシーンは、自分にも道に落ちている物を拾って名前を付けたりする事があるので、共感した。千秋も役が決まった時は難しいと思ったが、実際に演じてみるとサンタを信じていたりぬいぐるみのふじおかを可愛がっていたりと、結構小学生らしい面もあって、今では大好きなキャラクター。山田のシーンでは、普段より可愛らしさを意識して演じた。


 3作品共に、ここに紹介した以外にも色々と話していたが、特に「天上天下」はデビュー作だけに思い入れが強いようだった。尊敬する声優としても、この作品で共演した久川綾の名前を挙げていた。
 ただし、対照的に司会の二人は「ハルヒ」以降のファンらしく、「ハルヒ」に話題が移った時には「天上天下」の時と比べてあからさまにハイテンションになっていた。「ハルヒ」第5話(「涼宮ハルヒの憂鬱III」)の長門の長ゼリフが大変だったと言う話題の時には、司会の一人が「僕も覚えようと挑戦しましたが、大変でした」と言い出して、なぜか意気投合(?)したみのりんと握手をする一幕まであった。これは完全に役得だろう。

 また、さすがにファンが企画した講座だけあって、「ハルヒ」の名場面上映では教室に戻った後の「WAWAWA忘れ物~」の場面までしっかり入れるなど、ネタとしてのツボを押さえた編集になっていたのはよかった。
 「ハルヒ」の話の時に、準備中だった(と、思われる)「みなみけ」の映像がチョロっと流れてしまった時も、司会のS君がフォローのつもりか「千秋もいいですよね~」と、実に楽しそうに話しており、見ているこちらも楽しくなってしまった。
 とにかく、司会の二人の発言やリアクションは、一々面白かった。冷静に見ればグダグダな進行であり、素人の中学生だからこそ許された事だろうけど。


 「みなみけ」と言えば、「無印と「おかわり」は制作会社から違って絵もガラッと変わりましたが、演じる側としてはどうでしたか」と言う際どい質問もあり、どう答えるかとちょっと心配してしまったが、さすがにそこは大人の対応で、「絵が違うとイメージも微妙に変わってきて、最初はとまどいましたが、「おかわり」はオリジナルキャラも出てきて無印とは違う趣向ですし、千秋は千秋なので基本的に変わらず演じました」と、両方を立てるコメントだった。
 個人的には「みなみけ」は無印が好きなので、本人が選んだ名場面が無印の方だったのは嬉しかった。
 そう言えば、「「おかわり」ではバカ野郎度がアップしたキャラもいて…」とも言っていたが、あれは夏奈の事だったのだろうか。それとも内田あたりか?


 質問コーナーでは、

・好きなチロルチョコは?→即答で「きなこもち味」。工場見学もしたとの事。今日の控え室にもチロルチョコが山盛りになっていたらしい。
・何か毎日している事は→寝る前にダンスをする。どんなダンスかは秘密、そのうちブログに書くかも。
・アフレコ時にキャラによって服装を変えたりしますか→千秋の時はランドセルをしょっていました。嘘です(笑)。
・保坂先輩をどう思うか→気持ち悪い

などの応答があった。
 さらに、全然「質問」ではないが、「千秋の「バカ野郎」をお願いします」とのリクエストに応えて、「今日は最高に楽しいぞ、このバカ野郎!」と、生で千秋声を披露。この講座でのキャラ声はこの千秋だけだったが、「みなみけ」ファンとしては嬉しかった。


 1時間半弱の長丁場だったが、時間を感じさせられず、終始楽しい講座だった。それに、この講座を通して、自分の中のみのりんへの好感度もかなり上がった。このエントリで「みのりん」と呼んでいるのも、そのせいです。
 最初の方にも書いたが、名古屋でこのような機会は滅多にないので、中学生が今回の講座を企画して実現させたのは素晴らしい事だと思う。私は行けなかったが、前回の第12回サタデー・プログラムでは白石稔が呼ばれているので、今後も「ハルヒ」声優の登場が期待できるのだろうか。メインキャラの声優で地元出身者が二人もいるのだから、ぜひ呼んで欲しい。



6/29 追記

 ダンスの件については、約束通りさっそくブログで触れられている
 あと、このエントリでは念のため司会の二人をイニシャルにしておいたが、こちらも昨日の更新で思いっきり名前が出ていますな。それにしても、アフレコの見学にまで行ったとは、うらやましい。もちろん、今回の講座の開催自体は大変だったんだろうけど。
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19時台のローカルアニメ放送

 「はなバルーン倶楽部」内の「東海地方アニメデータ集」を、久々に少し更新した。


 今回の更新は、「その6 全国ネットからの枠移動事情」へのデータの追加。
 東海テレビ(フジテレビ系)に「ぼく パタリロ!」「チックン タックン」「ふたり鷹」「DRAGON QUEST」、テレビ愛知(テレビ東京系)に「ホワッツマイケル」の事例を加えた。
 以前に更新した時に、もうこれで終わりかとばかり思っていたのだが、まだ漏れがあった。なぜ、これらの作品を見落としていたかというと、ローカル枠は夕方だけでなく19時台にも存在すると言う当たり前の事を、すっかり失念していたからだ。


 今回取り上げた作品以外でも、東海地区において19時台のローカル枠放送で影響を受けたアニメは結構あった。ここから先はそんなローカル編成の思い出話を書いておく。
 そう言った事例が多いのは、やはり東海テレビだ。「北斗の拳」シリーズは5ヶ月遅れだったし、前番組の「らんぽう」や後番組の「魁!!男塾」に至っては未放送だ。「ゲゲゲの鬼太郎 地獄編」も同時ネットはなく、第3作の本シリーズに続けて、再放送枠で初めて放映された。
 「男塾」は東海テレビでは一度も放映されず、数年遅れで中京テレビ夕方の再放送枠でようやく陽の目をみた。おそらく、東海テレビで「北斗の拳2」が終了する頃にはフジテレビで「男塾」の打ち切りが既に決まっていたのだろう。もし、「男塾」が「北斗の拳」なみにアニメもヒットしていたら、東海テレビも引き続き半年遅れで放送したのではないだろうか。今さら言っても仕方のない事だが。

 このように、東海テレビは19時台のローカル枠にアニメを流したがらない傾向があっただけに、2003年~2004年放映の「ASTRO BOY 鉄腕アトム」を地上波で唯一月曜19時のゴールデンタイムに放送したのには驚いた。
 尺の都合でEDは短縮され、しかも特番の都合でたびたび月曜16時に飛ばされており、これならもっと安定した枠の方がよかったのではないかと思ったが、日曜9時台はローカル番組で埋まっていたし、平日夕方だともっと悲惨な事になっただろうから、あれはあれで一つの試みとして評価すべきなのかも知れない。実際、視聴率はどれくらい取れたのか気になるところだ。


 その反面、テレビ愛知はローカル枠19時台のアニメ放送(火曜19時~20時、土曜19時~19時30分)が結構多かったが、あれはおそらく他に流す枠がなかったせいなのだろう。アニメ再放送枠「まんがのくに」のせいで、平日18時30分からの5作品を別の枠で放送しており、朝に行くか夜に行くかが運命の分かれ道だったのだが、時刻表示が入っても放送が安定している分、朝の枠の方がよかった気がする。
 「東海地方アニメデータ集」では「宇宙の騎士テッカマンブレード」の例を取り上げたが、この作品に限らず19時台の放送はプロ野球中継で潰れる事が多く、火曜や土曜の夜の野球中継だけではなく、「水曜夜に野球中継」→「水曜夜のレギュラー番組を土曜夜に振り替え」→「土曜19時のアニメと「土曜スペシャル」休止」と言ったスライド式による休止もあったくらいだ。
 今のように公式サイトや掲示板で放送情報を確認する事も出来ず、テレビ情報誌と放送中の告知テロップのチェックは欠かせなかった。大部分は見逃さずに追っていたが、「夏休みの朝10時台に連日放送」などの無茶な編成もあり、よく付いて行けたものだ。今だと間違いなく挫折してしまうだろう。


 現在は、東海テレビ・テレビ愛知ともに、19時台のローカル枠でのアニメ放送はない。
 それどころか、両局とも全日帯のアニメは、ほとんどが同時ネットになった。例外は、東海テレビの「ONE PIECE」とテレビ愛知の「しゅごキャラ!」の2本だけだ。ネットで他地域の人と一緒に盛り上がる事が出来る点で同時ネットはありがたいが、昔のような無茶な編成がなくなったのは、少々寂しい。

 その代わり(?)、今やローカル編成&遅れ放送は深夜アニメで嫌と言うほどある。毎日、寝る前に放映時間変更の確認は欠かせない。さすがに、深夜アニメが同時ネット化することはあり得ないだろう(特にU局アニメ)から気を付けるしかないのだが、なるべく奇抜な編成は避けて欲しいものだ。
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「とびだせ! マシーン飛竜」#01-02 感想

・とびだせ! マシーン飛竜 第1話「ナンデス高原 大爆走!」
(脚本/吉野次郎、演出/布川ゆうじ・原征太郎、作画監督/なし)
・とびだせ! マシーン飛竜 第2話「黒こげ! 火の海大レース」
(脚本/陶山 智、演出/西久保瑞穂、作画監督/なし)



 今週から、東映チャンネルで「とびだせ!マシーン飛竜」の放映が始まった。

 東映(本社)+タツノコプロという珍しい組み合わせで作られており、「東映テレビアニメ主題歌大全集」で観たOP・EDから、タイムボカンシリーズと「マッハGOGOGO」を合わせたような作品だろうと想像していたのだが、CSですらなかなか再放送されず、今回初めて本編を観る事が出来た。


 で、その感想なのだが、率直に言ってしまうと、あんまり面白くない。
 話の中身は概ね想像していたとおり、レース物でタイムボカンシリーズ的ノリのギャグをやっているのだが、そのギャグのテンポが悪くて笑えない。悪役側レーサー・オッカナビッチがなぜか七五調でしゃべるのは上手く活かせばいい味を出すかも知れないが、2話まで観た限りでは、会話のテンポが悪くなって面白さを消しているように感じる。

 肝心のレース本編も、映像からスピードを感じられない点がレース物としては致命的だ。
 「マッハGOGOGO」とは違ってシリアスなレースではないからスピード感は要らないと言う判断なのかもしれないが、スピード感がない割には追いつく時にはあっと言う間にトップに躍り出るような強引な展開で、「デッドヒート」と言える、熱くなれる場面がないのは寂しい。
 話の展開も、2話までは基本パターンをとりあえずなぞってみただけとしか思えず、もし今後もこのまま続くのなら、かなりつらい。まあ、タイムボカンシリーズも初期話数は似たようなものだが、この作品はレースに話が限定されているだけに、単なるマンネリではない話を続けるのは難しそうだ。

 結構期待していた作品なので、実際に観てこんなにガッカリするとは思わなかった。一応、全話観てみるつもりだが、どこまで付き合えるか不安だ。


 ちなみに、主人公側・悪役側それぞれのチーム編成を見てみると、悪役側のゼニゼニチームが家族で構成されている(夫妻と娘)点が、面白い。
 風貌としては、ドロンボーで言えば夫のオッカナビッチがトンズラー、妻のイカリーヌがドロンジョっぽい顔だが、イカリーヌはメカ設計もこなすので、ポジションとしてはイカリーヌがドロンジョ+ボヤッキー(メカ設計担当部分)、オッカナビッチがトンズラー+ボヤッキー(メカ操縦担当部分)と言ったところか。娘のツンツンは三悪の誰にも該当しない。強いてタイムボカンシリーズと対比させるなら、コマロ王子やミンミンのような第4の悪役キャラポジションか。
 一方、主人公側のキャラ構成は、「マッハGOGOGO」を彷彿とさせられる。弟キャラに加えて猿までいるあたりは、そのまんまだ。

 とは言え、さすがに声優はタイムボカンシリーズとはほとんど被っていない。ボカンレギュラー声優は、ガッポリン会長役のたてかべ和也氏くらいだ。
 一方、メインスタッフはチーフディレクター・原征太郎、キャラクターデザイン・天野嘉孝、メカニックデザイン・大河原邦男と、ほぼタイムボカンシリーズと共通している。特に、原征太郎は本作のために「タイムボカンシリーズ ヤッターマン」から抜けており、そう言った意味でも本作はボカンシリーズの兄弟作品と言える。
 しかし、作画レベルはかなり低くて、天野絵からかけ離れたキャラクターになってしまっており、その点は勿体ない。旧作「ヤッターマン」の作画もあまり褒められた物ではないのだが、本作はそれよりさらに下だ。まあ、作画監督が不在なので、こうなるのは当然かもしれないが。また、OPアニメの半分近くが第1話本編の流用であり、そのためさらにチープに感じてしまう。
 色々な点で残念な作品と言わざるを得ない。これから面白くなるといいのだが。


 最後に、どうでもいい豆知識。
 本作は2クール・全26回の放映だったが、全話数は21話しかない。なぜかと言うと、後半になって新作と再放送を交互に放映するようになったからだ。第15話の翌週からその形式になっている。と言う事は、最後まで1話完結の形式が続くのだろう。
 あと、「東映テレビアニメ主題歌大全集」に収録されていたOP・EDは製作に東映とタツノコプロしか名前が出ていないが、今回の東映チャンネルでは製作に東京12チャンネルもクレジットされた本放送版となっているので、ちょっと貴重だ。
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「娘フロ。」とマクロスシリーズ

 遅ればせながら、「マクロスF O・S・T・1 娘フロ。」を購入。現在、繰り返し聴いている。

 最近のアニメサントラは、OPやEDはテレビサイズで収録しておいて、フルはシングルで聴いて下さいと言うパターンが多いので、今回OP・ED共にフルサイズで入っていたのはちょっと意外だった。さすがに、音楽に拘るマクロスシリーズだけの事はある。「ニンジーン Loves you yeah!」が入っているのも嬉しい。
 マクロスシリーズは、初代テレビ版「超時空要塞マクロス」から、一貫してビクターが音楽を手がけており、今回も当然それは変わらないので、安心感がある。もちろん、管野よう子の曲自体がいいからこそ安心して聴けるのだが。

 そう言えば、タイムボカンシリーズも旧「ヤッターマン」以降はずっとビクターが担当で、初のCD「タイムボカン名曲大全」のドラマでもトンズラーが「(新作を作るなら)レコード会社はビクターで決まりや!」と言っていたほどだったが、現在放映中の新作「ヤッターマン」には関わっていない。せいぜい、便乗で旧作版「ヤッターマンの歌」のシングルを出した程度か。
 まあ、純然たる「新作」だった「タイムボカン2000 怪盗きらめきマン」はしっかりビクターが関わっていたのでトンズラーの言葉も嘘ではないのだが、やはり「ヤッターマン」の現状は少々寂しい。


 マクロスに話を戻すと、「マクロスFRONTIER」放映に合わせて、過去作品のCDがものすごい勢いで復刻されているが、果たしてどのくらい需要があるのだろう。
 特に「マクロス7」関連CDは長年にわたってBOOK OFFの「250円~750円」コーナー常連になっており、わざわざ新品で買おうとする人がどのくらいいるか、非常に疑問だ。
 ちなみに、今家にあるCDを見てみたら、「マクロス7」関連は「GALAXY NETWORK CHART」「LET'S FIRE!!」「SECOND FIRE!!」「ドッキングフェスティバル」「ミレーヌ・ジーナス シングス リン・ミンメイ」の5枚が確認できた。結構持っていたんだなあ。本放送当時は学生だったので金に余裕が無く、レンタルCDをカセットテープにダビングして聴いていた。今、持っているCDは全て後から中古で買ったはずだ。だからこそ、BOOK OFFで安くなっていたのはありがたかった。新品がとっくに品切れの時期だったから、中古で買った事も気にならなかったし。
 なお、初代「超時空要塞マクロス」関連のCDは「超時空要塞マクロス SONGコレクション FOREVER」の1枚のみ持っている。OP・EDと挿入歌のほとんどが網羅されているが、リン・ミンメイ版「ランナー」(最終話ED)が漏れているのが残念だ。


 自分は、「超時空要塞マクロス」も「マクロス7」も本放送を見ていたが、さすがに「超時空要塞」の時は幼かったのであまり内容は理解できておらず、後から再放送で補完した。東海地区では系列のCBCにアニメ再放送枠が少なかったせいで、あまり再放送は多くなかったが、それでも3回ほどは再放送されているはずだ(CBC・名古屋テレビ・テレビ愛知で各1回確認済み)。
 だから、本放送当時の思い出としてはアニメ本編よりも友達から誕生日プレゼントに貰ったバルキリーのプラモが上手く作れなかった事が強く記憶に残っている。どうやってもアニメ本編や箱の写真のように組み上がらなくて、結局投げ出してしまった。

 意識して本放送を観ていた点では、初代より「マクロス7」の方が馴染み深い。
 「7」の時は、大好きな「疾風!アイアンリーガー」のアミノテツロー監督が手がけるとあって、放映開始前から、かなり期待していた。実際、熱気バサラと「アイアンリーガー」のマグナムエースは、直接傷つけ合う戦いを好まない生き方がかなり似ていると思う。だからこそ、バサラが直接攻撃に出そうになった時のガムリンのセリフ「お前は歌うんじゃなかったのか」は、今でも印象に残る。アミノ監督らしい「マクロス」で、一年間楽しませてもらった。逆に、今回の「F」は河森作品らしさが強く感じられて、こちらはこちらで今後の展開が楽しみだ。
 また、「ぴちぴちピッチ」ファンとしては、「ピッチ」のふじもと監督が第1話・最終話をはじめとして要所の演出を担当して、2クール目からは助監督としてクレジットされている点も見逃せない。「マクロス7」は、歌で敵を倒す「ピッチ」の原点なのだろう。
 「マクロス7」はシリーズ最長の全52話(本放送分49話+未放映3話)もあるだけに、掘り下げて語るのなら書きたい事は色々あるが、きりがないので今回はこれくらいにしておく。



 それにしても、初代・「7」ともに放送は日曜日の全国ネットだったので、今回の「マクロスFRONTIER」が深夜枠10局のみと言うのは寂しい。名古屋では放送は全国2番目(MBSから65分遅れ)で、関東より早く観られるのは有りがたいが、「マクロス」すら全国ネットに出来ないテレビアニメの現状は、実に厳しいものだと思う。
 ギアスR2と枠が逆の方がしっくりきそうな感じだが、今の日曜17時枠だとOP・EDがタイアップ丸出しになりそうで、それも嫌だ。



追記

 本文ではテレビシリーズにしか触れなかったが、「マクロス」シリーズは劇場版やOVAでも何本か作られている。自分はどのくらい観ていたかと確認してみたところ、


 (OVA)
 ・超時空要塞マクロスII
 ・マクロス プラス
 ・マクロス ダイナマイト7

 (劇場版)
 ・超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか
 ・マクロス7 銀河がオレを呼んでいる!


と、ここまでは観ていた(ただし「II」はテレビせとうち枠の地上波放映版)。
 あまり意識して追っかけてはいなかったのだが、結果的に大部分は観ていた訳で、自分でもちょっと意外だ。
 OVA最新作の「マクロス ゼロ」は未見だが、「F」本編中でも映画としてネタにされた事だし、近い内に観ておきたい。
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ゲゲゲの鬼太郎[第5作] #60「働け!! 妖怪バリバリ」感想

・ゲゲゲの鬼太郎[第5作] 第60話「働け!! 妖怪バリバリ」
(脚本/吉田玲子、演出/土田 豊、作画監督/藪本陽輔)


 ここ一ヶ月ほど、このブログはすっかり週一更新ペースが定着してしまった。
 ブログを書く時間がない…わけではなく、どちらかと言うと不足しているのは体力の方。時間はあっても、体が疲れていては、気合いを入れてのブログ更新には、なかなか手が出せない。
 そんな訳で、どうしても週末の休みにしか更新できないようになってしまう。当面は、この状況が続きそうだ。


 さて、今回の「鬼太郎」は、第2作・第21話「心配屋」をリメイクしたエピソード。
 第2作の非鬼太郎原作話をリメイクするのは、現シリーズでは初めての試みだ(第35話「死神の極楽ツアー」は第2作の最終話「死神のノルマ」のリメイクと言って差し支えない気もするが、他の死神話の要素も入っており、単独エピソードとしてのリメイクは今回が初だろう)。元祖「心配屋」と併せて観てみると、展開の違いが時代の違いを表しており、実に興味深い。
 ボンクラな息子を心配した父親が、ねずみ男のすすめで妖怪バリバリの卵を息子に飲ませる基本展開は共通しており、息子のキャラクターデザインも、両作とも出っ歯メガネのいわゆる「山田顔」で、同じ。

 異なるのは、父親が息子に対して抱いている「思い」だ。
 元祖「心配屋」では、父親はあくまで息子を自分の会社の跡取りとして、会社の将来を重視していた印象がある。だから、息子が非凡になった事が、かえって会社の為にならないとわかったら手の平を返しており、親としては冷たい感じだった。
 それに対して、今回は鬼太郎親子との対比させることで父と子の愛情が効果的に描かれており、息子がダメだったのも父が息子を思うあまりに萎縮させていたとする事で、話全体に優しい雰囲気を感じた。

 ほぼ原作に忠実な元祖「心配屋」も好きな話だが、今回の話もモーレツ化する人間達や、最後までドライなねずみ男の描写など原作テイストを盛り込みつつ、今の時代ならではの親子の愛情を描いており、よくできていた。
 また、今回は息子そっくりの山田顔の亡母や、ごく自然に商店街にいる目玉親父、それに鬼太郎役・高山みなみの出演作を意識したと思われる「日之出食堂」など、細かいネタも面白いものが多かった。
 それにしても、いかにも少年漫画の王道と言った感じでベアードと大バトルを繰り広げた次の回に、鬼太郎の戦闘がなく目玉親父がバリバリを説得するだけの話をやるあたり、第5作は歴代「鬼太郎」の中でもっともバラエティ豊かなシリーズだと思う。

 ちなみに、今回の第60話放送日の夜に、元祖「心配屋」を観返したのだが、「薬の副作用で、また病気が増えるというような事が、新薬の開発となって我々の産業の発展になるのだよ」なんてセリフは、危なすぎる。薬害が大きな問題となっている現在では絶対に使えないだろうが、本放映当時は特に問題はなかった訳で、これも時代を表している部分だろう。


 第2作の非鬼太郎原作話のリメイクは、第3作でも「妖怪やまたのおろち」「津波妖怪 猛霊はっさん」「マンモスフラワーと山男」「雨神ユムチャック伝説」など何本か試みられているが、シリーズの個性を反映してアクション描写が強化された印象を受ける。
 もちろん、それはそれで面白く出来上がっており、「妖怪やまたのおろち」では呼子の「山彦の術」で分身した鬼太郎とやまたのおろちとの戦闘は見応えがあったし、「マンモスフラワーと山男」での怪獣映画っぽい山男と妖怪戦車との対決も迫力だった。

 それに対して、今回の話は戦闘がほとんど無く人間の描写を中心としており、どちらかと言うと第2作の路線を踏襲した印象を受ける。これは、バラエティ豊かで話によって雰囲気の変わる本シリーズだからこそ出来たのだろう。
 この調子で、他の非鬼太郎話もリメイクしたら、面白いエピソードが出来るのではないだろうか。人間の醜さを描く話としては、「縁切り虫」や「幸福という名の怪物」などを観てみたい。
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大山版「ドラえもん」をDVD-RAMへ(ひとまず終了)

 今日の「アキバで対決!コードギアス祭り」は、ひどい番組だった。
 先週の予告を観た時点で、ろくなものじゃないだろうとは予想できたので、17時に自宅にいたにもかかわらず、あえてリアルタイムで観ずに17時30分から早回し再生で観たのだが、そうしておいて正解だった。正味1分ほどの次回・次次回の紹介(通常の予告ではない)以外に、全く見どころがない。いくら急場しのぎででっち上げた(お、思われる)番組だからと言って、ここまで作品本編と関係ないのはあんまりだ。
 こんなものを流すのだったら、1期のように総集編「TRUN 8.5」にしておいた方がよかった。いっその事1期全体の総集編を流せば、2期からの新規視聴者(はたしてどれくらいいるのか疑問だが)にはありがたかっただろう。それとも、総集編を作るよりも今回の番組の方が安上がりだったのだろうか。

 全く観返したいとは思わない番組だが、これだけひどいと本放送限りで闇に葬られる可能性もあるので、ネタとして残しておこう。1期の総集編も昨年9月以降の遅れ放送地域では飛ばされたようだし、今回は総集編と違ってDVDの映像特典としても需要はないだろう。
 それにしても、今回の番組に出ていた芸能人のギャグやネタは全然面白くなかったが、今のお笑いは皆こんなレベルなのだろうか。だとしたらあまりに悲しいので、たまたま私の笑いのツボにはまらなかったのだと思いたい。



 前振りが長くなってしまったが、ギアス特番ネタだけで別エントリにするには短い気がするので、あえて「前振り」の位置にしておく。
 ここからが本題。昨日でようやく大山版「ドラえもん」VHS録画のDVD-RAMへの移行作業が、1996年放映分は全て完了した。放送4回分をDVD-RAM1枚に入れていったら、1年で全15枚になった(大晦日特番は2枚に分割)。同じ条件で保存した昨年(2007年)1年分は12枚で済んでおり、最近は「ドラえもん」の放送も休止が多くなったものだ。


 今回、久しぶりに1996年放映分の「ドラえもん」をざっと観返したところ、あらためて一つ気が付いた事があった。1997年以降、特番の大げさなタイトルや無茶な編成が顕著になっていったが、その兆候は1996年夏にはあらわれていたのだ。
 その最初は、1996年8月16日放映の特番「夏だ!元気だ!!超合体!!! ドラえもん&クレヨンしんちゃんスペシャル」の予告だった。久しぶりにこの回の予告を観て、大山さんのナレーションに思わず笑ってしまった。それを、紹介しておく。


 ぼく、ドラえもんです。
 ぼくとクレヨンしんちゃんがペアになった史上最強の1時間番組が、テレビに初登場!世界で初めての面白さ。「夏だ!元気だ!!超合体!!! ドラえもん&クレヨンしんちゃんスペシャル」。
 楽しみに待っててね!


 以上、文面だけではどうって事も無いように思われるかも知れないが、これをドラえもんの声で普段の予告通りに喋られると、「史上最強」や「世界で初めての面白さ」などの煽りが妙に大げさで、笑えてくる。
 実際の番組は通常放送と同じ尺の新作+ブリッジアニメ少々+プレゼント企画があった程度で、予告は明らかに誇大表現だと思う。JAROに通報されても文句は言えないのではないだろうか。

 そして、続く9月20日(F先生の生前最後の放送)の特番は、いつのもパターンなら「秋だ一番!ドラえもん祭り」のはずが、「秋一番!ドラえもん!! 1時間まるまるスペシャル!」と、微妙にタイトルが長くなっている。大晦日は「大晦日だよ!ドラえもん 3時間まるまるウルトラスペシャル!!」で、さらに長い。
 F先生が亡くなってから歯止めが利かなくなって特番の構成がおかしくなったとよく言われるが、F先生が亡くなる少し前からその兆しは出ており、もしF先生がご健在でも、特番は同じように変化していったのかも知れない。
 もちろん、原作者の不在が特番の変化に拍車をかけた可能性も、否定はできない。実際、特番でOPが付かなくなり、新作ショートアニメにドラえもんズが出るようになったのは12月23日のクリスマス特番以降であり、F先生が亡くなって番組スタッフに遠慮が無くなったと言う見方もできる。


 ただ、少なくとも1996年内は、特番の変化はタイトル程度にとどまっていて、番組自体の構成は良心的だった。翌年以降は再放送でCM挿入による話のぶった切りを行うようになるが、この年のクリスマス特番では逆にCMを挟まない2話連続放送があったし、大晦日特番も新作ブリッジアニメはきちんと年越しネタが描かれている。
 1996年はアニメ「ドラえもん」の古き良き時代最後の年であり、かつ、翌年以降の変化の始まりとなった年と言えるだろう。それを自分の目で再確認できた点で、今回の作業は大きな意義があった。私にとって1996年は、今後アニメドラを考察する時に、大きな意味を持つようになるだろう。

 今回、「ドラえもん」1年分だけでもDVD-RAMに移すには思ったより手間がかかった。
 ひとまず、これで区切りとしよう。1997年以降は、また時間の余裕を見て、1年単位くらいで少しずつやって行きたい。また、「ドラえもん&クレヨンしんちゃんスペシャル」のようなネタが出てくるといいのだが。
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