『藤子・F・不二雄大全集』第1回配本の発売から二日が経ち、ようやく少し気分も落ち着いてきた。
とは言っても、この二日間、全集の3冊を眺めたり本を開いたりしてニヤニヤしてしまう状態が続いている。待ちこがれた全集の実物を手にとって読める喜びは、何にも代え難い。
とりあえず、今回の3冊は、事前に準備していた本棚に収めた。
しかし、ご覧のように『ドラえもん』が分厚いせいもあって、これだけのスペースでは3ヶ月で埋まってしまう。早急な課題として、更なる本棚スペースの確保を行わなければ。
せっかく出た大全集なのだから、この機会に各作品をじっくり読み返そうと思い、今日は『オバケのQ太郎』第1巻を読んだ。
昨日も書いた事だが、初期『オバQ』は、昭和30年代藤子ギャグ漫画のテイストが色濃く、特に一度目の連載終了後までの最初期作品にそれを強く感じた。
Qちゃんのキャラクターはともかくとして、大原家の人達との関係も確立しておらず、友達もほとんど出てこない。正ちゃんのパパがQちゃんをペット扱いしているあたりは最初期ならではだろう。これはいわば「作品世界の構築段階」であり、まだ作品として完成していない状態だったと言える。それがだんだんと面白くなっているのに9回で連載終了となったのだから、藤子両先生もさぞかし残念だったのではないだろうか。同様に読者も残念だったからこそ、連載再開されたわけだが。
さて、この第1巻を読んで強く感じたのは、主人公としてのQちゃんのキャラクターの素晴らしさだ。
連載再開したころから、Qちゃんのとぼけ具合にどんどんと拍車がかかって、「いじわる。おくれよ!」とか、会話で何度も爆笑させられた。『オバQ』には面白いキャラクターがたくさん登場するが、やはり作品の面白さを支えているのは主人公のQちゃんなのだと再認識させられた。第1巻ではドロンパはもちろんの事、木佐くんすらまだ出てきていないが、それでも十分に面白い。
ちなみに、木佐くん絡みでは『新オバQ』に傑作エピソードが多い。「偉人キザ夫伝」「木佐くんは自殺するのだ」「王さまの耳はロバの耳」など、どれも爆笑必死なので、未読の方は全集第2期以降をお楽しみに。
また、Qちゃん以外のキャラクターも、ポジションが確立してどんどんと面白くなっている。
Qちゃんが大原家の一員として扱われだしたのは、「ハイキングに行こう」あたりからか。この回は、ウメボシのネタなどパパが特に面白い。
このように、作品の変遷を実感できるのは、発表順通りに漏れなく収録されているおかげだ。
第1巻収録作品の大部分は、すでにFFランドで読んでいたが、今回の全集で結構印象が変わった。「傑作選」だったてんコミ版は論外としても、FFランドは収録作品数はがんばっていたが、一度目の最終回「名画をかこう」が17巻に入っているなど、収録順にはいい加減なところがあった。
今回の全集は今後も発表順の収録になるから、続けて読むのが楽しみだ。今までは、どちらかというと『新オバQ』の強烈なギャグの方が好きだったのだが、旧作のとぼけた味わいは『新』とは違った面白さで、こちらもいい。これだけ面白いギャグ漫画が今まで長らく絶版だったとは、あらためて勿体ない事をしてきたものだと思ってしまうが、それも昔の事。これからは、誰でも手軽に『オバQ』を楽しめるのだ。素晴らしい時代になった。
最後に、写真を一枚。何となく、F全集とFFランドを並べてみた。こうして見ると、FFランドも悪くはないし愛着もあるが、やはり今回の方がより「全集」らしい。
それに、『オバQ』のカバーイラストは、昔の絵がFFランドで描き直されている事がわかって、なかなか興味深い。
とは言っても、この二日間、全集の3冊を眺めたり本を開いたりしてニヤニヤしてしまう状態が続いている。待ちこがれた全集の実物を手にとって読める喜びは、何にも代え難い。
とりあえず、今回の3冊は、事前に準備していた本棚に収めた。
しかし、ご覧のように『ドラえもん』が分厚いせいもあって、これだけのスペースでは3ヶ月で埋まってしまう。早急な課題として、更なる本棚スペースの確保を行わなければ。
せっかく出た大全集なのだから、この機会に各作品をじっくり読み返そうと思い、今日は『オバケのQ太郎』第1巻を読んだ。
昨日も書いた事だが、初期『オバQ』は、昭和30年代藤子ギャグ漫画のテイストが色濃く、特に一度目の連載終了後までの最初期作品にそれを強く感じた。
Qちゃんのキャラクターはともかくとして、大原家の人達との関係も確立しておらず、友達もほとんど出てこない。正ちゃんのパパがQちゃんをペット扱いしているあたりは最初期ならではだろう。これはいわば「作品世界の構築段階」であり、まだ作品として完成していない状態だったと言える。それがだんだんと面白くなっているのに9回で連載終了となったのだから、藤子両先生もさぞかし残念だったのではないだろうか。同様に読者も残念だったからこそ、連載再開されたわけだが。
さて、この第1巻を読んで強く感じたのは、主人公としてのQちゃんのキャラクターの素晴らしさだ。
連載再開したころから、Qちゃんのとぼけ具合にどんどんと拍車がかかって、「いじわる。おくれよ!」とか、会話で何度も爆笑させられた。『オバQ』には面白いキャラクターがたくさん登場するが、やはり作品の面白さを支えているのは主人公のQちゃんなのだと再認識させられた。第1巻ではドロンパはもちろんの事、木佐くんすらまだ出てきていないが、それでも十分に面白い。
ちなみに、木佐くん絡みでは『新オバQ』に傑作エピソードが多い。「偉人キザ夫伝」「木佐くんは自殺するのだ」「王さまの耳はロバの耳」など、どれも爆笑必死なので、未読の方は全集第2期以降をお楽しみに。
また、Qちゃん以外のキャラクターも、ポジションが確立してどんどんと面白くなっている。
Qちゃんが大原家の一員として扱われだしたのは、「ハイキングに行こう」あたりからか。この回は、ウメボシのネタなどパパが特に面白い。
このように、作品の変遷を実感できるのは、発表順通りに漏れなく収録されているおかげだ。
第1巻収録作品の大部分は、すでにFFランドで読んでいたが、今回の全集で結構印象が変わった。「傑作選」だったてんコミ版は論外としても、FFランドは収録作品数はがんばっていたが、一度目の最終回「名画をかこう」が17巻に入っているなど、収録順にはいい加減なところがあった。
今回の全集は今後も発表順の収録になるから、続けて読むのが楽しみだ。今までは、どちらかというと『新オバQ』の強烈なギャグの方が好きだったのだが、旧作のとぼけた味わいは『新』とは違った面白さで、こちらもいい。これだけ面白いギャグ漫画が今まで長らく絶版だったとは、あらためて勿体ない事をしてきたものだと思ってしまうが、それも昔の事。これからは、誰でも手軽に『オバQ』を楽しめるのだ。素晴らしい時代になった。
最後に、写真を一枚。何となく、F全集とFFランドを並べてみた。こうして見ると、FFランドも悪くはないし愛着もあるが、やはり今回の方がより「全集」らしい。
それに、『オバQ』のカバーイラストは、昔の絵がFFランドで描き直されている事がわかって、なかなか興味深い。