Voice in the Live ~2006 Summer~ 夏の終わり

 毎週書いてきた8月の遠征シリーズ最終回、その目的地は東京だった。

 昨年に引き続いて、アニメ「マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ」の出演声優による自主企画イベント「Voice in the Live ~2006 Summer~」が26日に行われたので、昨年と同様ケデラッタ(TOJHO)さんと二人して、今年も参加してきたのだ。ケデラッタさんとは、元々ドラえもん・藤子不二雄ファンとして知り合ったのに、なぜか二人ともピッチにはまってしまい、2年続けてライブに参加しているのだから、人の縁とは不思議なものだ。

 さて、今年のライブ出演者は昨年から二人減って、石塚さより・小暮英麻・小島めぐみ・土屋実紀の4人。下屋則子が抜けてBBSが揃わないので、パワー不足になりはしないかと少し心配していたのだが、蓋を開けてみたら全くの杞憂で、昨年同様に思いっきり盛り上がった素晴らしい時間だった。

 まずは、歌われた曲目を紹介しておこう。


 1 七つの海の物語~Perals of Mermaid~(全員)

 2 夢のその先へ(土屋実紀)
 3 暗黒の翼(石塚さより・小島めぐみ)
 4 Star☆メロメロHeart(小暮英麻)

 5 サンサンサンバ~ファインばーじょん★(小島めぐみ)《「ふしぎ星の☆ふたご姫」より》
 6 陽だまり電脳少女(石塚さより)《「ToHeart2」より》
 7 未来への鍵(土屋実紀)《「太鼓の達人 とびっきり!アニメスペシャル」より》
 8 FLY IN TO THE NIGHT(小暮英麻)《「ナイトウィザード」より》

 9 恋はなんだろう(石塚さより)
 10 花と蝶のセレナーデ (小島めぐみ)
 11 オーロラの風に乗って (小暮英麻)
 12 黒の協奏曲~concerto~(全員(メインは土屋実紀))

 13 希望の鐘音~Love goes on~(全員)

 14 Legend of Mermaid(アンコール・全員)


 以上。特記無き場合は全て「マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ」および「マーメイドメロディー ぴちぴちピッチピュア」の曲。トークやコント、ゲームなどの企画が行われた部分では、一行あけておいた。


 今回は、2回目という事もあってか、前回以上に出演者も観客もノリノリ。なにしろ、最初にあった「前回も来てくれた人はいますか?」との質問には、ほとんどの人が手を挙げていたくらいだ。ピッチの本放送が終了して既に1年半以上経っているのだから、今から新しくファンになったという人は、あまりいないのだろう。キッズステーションでも無印しか放送していないのはもったいない。やはり、ピュアも含めて全91話を観てこそのピッチだと思う。

 それはともかく、みんなノッていたので、トークやコントは昨年以上に快調だった。元々仲のよいメンバーが集まってのライブなので当然だが、4人の息はぴったり。特に、英麻様とこじまめが完全に主従関係になっていたのはおかしかった。基本的に4人ともトークは素でやっていたように見えたが、英麻様に限ってはキャラとイメージがだぶりまくって、どちらがキャラで、どちらが中の人だったか、いつのまにか分からなくなってしまった。土屋さん、石塚さんは、相変わらず綺麗だった。

 まず、歌の前に幕間のネタについて触れておこう。トーク以外では病院を舞台にしたコントが行われたのだが、これがツンデレお嬢様あり、メイドあり、妖しい女医さんあり、甲子園決勝ネタありと、実に詰め込み過ぎ…いや、盛りだくさんな内容だった。脚本担当の石塚さんによると、ツンデレについては「最近知ったので、入れてみたかった」、メイドは「こじまめにメイド服を着せたかった」との事。更には、英麻様にセーラー服を着せる計画もあったのだが、拒否権が発動されてボツになったとの事。実に残念だ。
 なお、石塚さん自身は英麻様演じるお嬢様に慕われる男子役だったが、なかなか板に付いた演技だった。石塚さんの男の子役と言うと、ピッチの時の幼い海斗役くらいしか思いつかないが、こちらの路線で行っても売れるのではないだろうか。

 他に、幕間企画では早口言葉勝負や、公式ブログで募集していた「すごい質問」の当選と質問への返答発表、サインボールのプレゼントがあった。サインボールはぜひとも欲しかったが、残念ながらゲットできず。私のすぐ近くにいたケデラッタさんは見事にキャッチされており、非常にうらやましかった。


 ここからは、メインの歌について書いておく。「七つの海の物語」で開幕した後、前半は各人が持ち歌以外のピッチソングを歌う趣向で、意外性があってなかなかよかった。特に、英麻様の「Star☆メロメロHeart」のはまりっぷりは異常なくらいで、新たな可能性を垣間見せられたような気がした。よく考えたら、かれん様以外にロリキャラの芽流役も担当していたのだから、芽流が歌っていると思えば違和感はないのだが、ついついキャピキャピのかれん様を、脳内にイメージしてしまう。
 水妖&御使いコンビの「暗黒の翼」も、本家以上にダークな感じが出ていてよかったし、土屋さんの「夢のその先へ」も、意外な取り合わせが面白かった。何でも、シェシェ役で出演が決まった頃に、初めてピッチを観て印象深かった曲だとか。

 続いて、各人がピッチ以外で、この一年間で歌った曲を披露した。知らない曲が多かったが、4人それぞれの、最近の活躍ぶりを確認する事が出来て、なかなか新鮮だった。特に、土屋さんの「未来への鍵」は気に入ったので、CDを探してみようと思っている。

 そして、後半は基本的にピッチソングより各人の持ち歌が歌われた。ただし、残念ながらイズールの歌はないので、石塚さんは「恋はなんだろう」、そしてBBSが揃わないので土屋さんの「黒の協奏曲~concerto~」は、残り三人もサブで参加した。
 今回、リアルで「恋はなんだろう」のかけ声「ヘイ!」を入れる事が出来たのは、非常に嬉しかった。途中で石塚さんがちょっと歌詞を忘れるハプニングはあったが、これはご愛敬。「花と蝶のセレナーデ」では、間奏部分で4人によるネタ(?)トークがあり、かれん様の「撲殺するわよ」発言も飛び出して、場内大爆笑だった。「オーロラ」は、昨年同様に観客のかけ声もばっちり。「黒の協奏曲」は、4人によるコンビネーションがよかった。

 最後に「希望の鐘音~Love goes on~」と、アンコール曲の「Legend of Mermaid」で、ライブは終了。本当に、あっという間の2時間あまりだった。放映終了から1年半以上経ったアニメで、製作側からでなく出演声優の自主企画によってイベントが行われ、それがここまで盛り上がるなんて事は、そうそう無いと思う。出演者も視聴者も、ピッチのことが本当に好きだからこそ、2度目の奇跡が実現したのだろう。あらためて「ぴちぴちピッチ」を好きになってよかったと思う。


 さて、こうなると来年もぜひ開催を…と思ってしまうが、公式ブログのこの記事には、土屋さんが「こういう形でのライブは最後になるかも?」「あの歌達がメインになるライブは最後かもしれない」と、書かれている。
 あらためて考えると、番組が終了して1年半あまりが経っており、出演者の皆さんはそれぞれ新たな仕事で活躍されている。新作が作られでもしない限り、ピッチは確実に「過去の作品」となっていくのだ。もちろん、私にとってこれからもピッチは心に残っていくアニメだし、今回のライブ参加者にとっては、皆そうだろう。
 だからこそ、ピッチに関する活動が途切れるのは寂しいが、今回のライブに全力で参加して楽しんだ思い出はずっと残るのだ。もし、ライブが今年で終わりだとしても、昨年・今年の2回のライブの事は、いつまでも心の宝箱にしまっておきたい。



 ライブの終了と共に、毎週各所へ出かけていた私の8月も、実質的に終わりを告げた。私も歳なので、かなりのハードスケジュールだったが、毎週本当に楽しかった。これから、さらに歳を取ると、こんな無茶も出来なくなってしまうかもしれない。ある意味、私にとって一つの区切りとなった夏だった。
 とりあえず、9月はおとなしくしていよう。



(追記)

 噂には聞いていたが、土屋さんのブログによると、やはりライブには、るちあ(の中の人)も来ていたらしい。残念ながら舞台に上がって歌う事はなかったが、あの空間で一緒に盛り上がっていたと思うと嬉しい。次にアニメで中田あすみボイスが聴けるのは、来年放送予定の「ひまわりっ!2」か。まだまだ先の事だが、こちらも楽しみだ。
 なお、昨年同様に、どんきぃさんが、このライブのレポート・感想リンク集をまとめておられるので、ぜひご覧いただきたい。リンクをたどって皆さんの感想を拝見したが、こんなにもたくさんの熱いぴっちファンと同じ時間を過ごせた事が分かって、あらためて嬉しくなった。
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大阪で藤子ファン懇親会に参加

 8月の遠征シリーズ第3弾。今週は19日の土曜日に大阪で行われた、関西藤子ファン懇親会に参加してきた。

 つい先週には私が主催で東京にてオフ会を開いたのだが、今回の関西懇親会は、先週とはまるで「場」の雰囲気が違っていて、思わず圧倒されてしまった。
 もちろん、先週のオフ会も関西懇親会も、熱心な藤子ファンの集まりであった事には全く変わりない。ただ、ファンとして熱意の表し方や、各人の持つ個性には、かなりの違いがあるように感じてしまったのだ。一言で言うと、今回の懇親会参加メンバーは「濃い」。これに尽きる。関西人に濃い藤子ファンが多いのか、それともたまたま濃い人間が集まったのか、一応関西人の端くれ(大阪生まれ、本籍地は兵庫県)である私にも、よく分からない。


 さて、今回は青春18キップを使って、快速電車で大阪に行った。約束の12時少し前に、待ち合わせ場所のまんだらけうめだ店前に行ったところ、すでに何人かは来られていたが、全員は揃っていなかったので、まんだらけで本を見つつ待機。結局、小一時間ほどで全員が集まった。
 近くの喫茶店へ移動して自己紹介の後、軽食をとりつつ、まずは軽く歓談した。ここで、私は一仕事を済ませたのだが、その内容については伏せておく。ある意味、恥ずかしい事だとだけ言っておこう。その後は、梅田界隈の古書店を回った。久しぶりに訪れた某店の値付けにあきれたり、違う某店で「かわい子くん」掲載の「マンガ少年」を発見したりと、回った店の数は少ないが、なかなか楽しかった。極端に言えば、皆で置いてある本を一緒にチェックするだけでも楽しめるのだ。もっとも、買い物をした人間は少なかったので、店にとっては邪魔だっただろう。

 そして、18時30分からは飲み会。仕事の都合で昼間に来られなかった方も合流して、いよいよここからが本番だった。お酒が入った事もあって、全く遠慮無く様々な藤子話を繰り広げた。この飲み会で、前述の参加メンバー各人の個性が、最もよく発揮されていたと思う。新作映画や、DVDが出たアニメ「エスパー魔美」の感想などのタイムリーな話題、SF短編のオチの解釈などから「狂人軍」の話まで、非常に話題の幅は広かった。
 そんな中でも個人的には、熱狂的なAファンというイメージが強い黒幕組合さんが、「魔美」DVD-BOXを購入されており、ディスク7枚目までを観た感想を熱っぽく語っていたのが、ちょっと意外だったが興味深かった。特に、黒幕さんにとっては第42話「愛を叫んだピエロ」のゲストキャラが田中真弓の役だったため、魔美役のよこざわさんと合わせて「天空の城ラピュタ」を連想した事が印象深かったようだ。

 飲み会は当初の予定から1時間延長して、22時30分頃に終了。解散となり、私は兵庫県の実家へと帰った。
 しかし、他地域からの遠征組の方々はビジネスホテルを予約しており、さらに藤子話を繰り広げる気が満々だった。はたして翌日まで体力が持ったのか、ちょっと心配だったが、こちらを見る限り、翌日もお元気だったようだ。
 私は、さすがに疲れたので、翌日は実家でゴロゴロしていた。昼食後、すぐに名古屋に帰ろうかと思ったのだが、せっかくだから大阪まで出てきたのだからと日本橋まで足をのばして、まんだらけなんば店等も覗いておいた。その後、16時大阪発の電車に乗って、18時55分に名古屋着。楽しい藤子ファンの集まりと、3ヶ月ぶりの帰省が終わった。


 なお、先週のオフ会は名古屋在住の私が東京で主催したのに対して、今回の関西懇親会は神奈川の名和広さん(先週のオフ会にも参加して頂いた)と愛知県のkoikesanさん(「藤子不二雄ファンはここにいる」)が幹事を務められた。両方とも、地元民でない人間がまとめ役をやっているのが面白い。
 ちなみに、関西懇親会は昨年12月に第一回が開催されており、その時の様子は「ネオ・ユートピア」会誌最新42号に「藤子マニア座談会in大阪」として掲載されているので、こちらを読んでいただければ、ある程度は雰囲気をつかむ事が出来るだろう。実際には、文字で読むのとその場にいるのとは大違いなのだが。

 ともかく、参加された皆さん、楽しい時間をありがとうございました。
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テレビアニメの提供・EDフリップに思う事

 「エスパー魔美」DVDに関する記事を書いていて、あらためてテレビアニメのソフト化に関して、色々と考えてしまった。テレビアニメをどこまでDVDに収録するかとなると「本放送・再放送・DVDなどの視聴形態に関係なく、各話が成り立っている状態」として、OP・本編・ED・予告までは最低限必要だろう。この事は、魔美DVDの記事にも書いた。

 逆に、再放送やDVDでは無くても問題ないとして、切り捨てられてしまいがちなものとして、提供のスポンサー告知やEDフリップがある。1990年代前半くらいまでは、提供にはブルーバックが多かったし、EDフリップも本編画像の使い回しがメインだったので、別にソフト化でカットされていても気にはならなかった。
 問題は、21世紀に入ってから放映されている新作・準新作アニメだ。最近のテレビアニメは、本編に留まらず、提供やEDフリップにまでこだわりを持って作られている作品も、多く見受けられる。


 たとえば「おねがいマイメロディ」の提供バックは描き下ろしイラスト(毎回新作ではなく、基本的に何種類かの使い回し)で、気合いの入った見応えのある絵が多い。さらに、第23話や第37話のように本編内容に合わせてイラストを描き下ろしている場合もあり、そのような回は提供部分まで含めて一つの番組と言えるだろう。
 マイメロの提供絵は、DVDではカットされており勿体なく思っていたが、第10巻~第13巻にようやく映像特典として収録された。本放送とは異なる形式(OPテーマに合わせて次々とイラストが映し出される)だが、提供絵が捨てられることなくソフト化されただけでも喜ばしい。

 提供の細かいネタは、まだまだある。最近の深夜アニメでは、特にトライネットエンタテインメント作品が凝っており、「こいこい7」などは、全13話で毎回違うキャラクターが提供読みをしていた。私は「こいこい7」のDVDは持っていないが、提供クレジットは映像特典の形でDVDにも収録されているようだ。
 トライネット以外でも、「スクールランブル」シリーズの提供画面左右の煽り文句や、「ローゼンメイデン トロイメント」や「いぬかみっ!」など本編の映像をいじった小ネタ、「涼宮ハルヒの憂鬱」における平野綾の「ねこマン」イラスト、毎回のネタに合わせて提供の音楽を変えていた「げんしけん」など、挙げていくときりがない。 もちろん、私が観ていないアニメもたくさんあるので、ここに書いたのはごく一部の例なのだが、果たしてこれらの提供ネタのうち、どれだけがDVDに収録されているのだろう。


 EDフリップ関係では、「月詠 MOON PHASE」「ぱにぽにだっしゅ!」のエンドカード(毎回描き下ろし、EDにもクレジットあり)などが、よく知られていると思う。個人的には「マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ」の「またみてね」が印象深いが、これは結局DVDには収録されなかった。「ピュア」BOXの映像特典に期待していたので、残念だ。ピッチと同じ枠で現在放送中の「ワンワンセレプー それゆけ!徹之進」も、EDフリップではキャラの声による「またみてね」の挨拶があるが、毎回違うキャラが担当してセリフにもネタが入っており、なかなか楽しい。
 ただ、スポンサー無しのアニメ以外では、提供画面は必ず付いているが、EDフリップはTBS・テレビ朝日およびU局深夜アニメの大部分では初めから存在せず、少々寂しい。また、テレビ東京系列で全国ネット放送の場合、EDフリップが次番組告知等に差し替えられてしまい、観られなくなる場合も多い。
 テレ東絡みでEDフリップがカットされた話題では「カレイドスター 新たなる翼」最終回の件が、記憶に新しい。本作のEDフリップは、普段は本編画像の使い回しだったのだが、最終回のみキャラクターデザイン・渡辺はじめ氏描き下ろしの、そらとレイラの絵が使われ、さらに画面下部に「1年間 すごい ありがとう」とメッセージが入れられており、最終回の締めくくりとしては最高だった。しかし、テレビ東京では次番組告知に差し替えてしまったため、関東の視聴者が本放送でこのEDフリップを目にする事はなかったのだ。なお、テレビ愛知は一日遅れの放送だったので、問題なくこのEDフリップは放映された。後から関東では流れなかったと知って、この件に限っては同時ネットでなくてよかったと思ったものだ。


 今回の記事は軽く書くつもりだったのだが、気が付くと、結構長くなってしまっている。
 以前にも書いた事だが、私はテレビアニメに関しては本放送の状態にこだわる、いわば「本放送マニア」なのだが、そうなったのは、提供やEDフリップがソフト化に際して切り捨てられて、再び観る事が出来ず、何度も寂しい思いをしたからだ。
 だから、特に気に入った作品は、DVDを買ったとしても本放送の録画は残している。DVDを買うほどの作品であればソフト化以前に本放送の録画を何度も観ているので、例えばOPテーマの終わった後には提供の音楽が続くものだと体に馴染んでしまっており、DVDではそれを再体験できないので、寂しいのだ。


 昔に比べて、制作者のこだわりが現れる部分が増えてきたにも関わらず、DVDの収録形態は必ずしも対応してはいないので、色々とネタを仕込んでも本放送限りか、よくてもAT-Xでの放送くらいでしか観られなくなってしまう場合が多い。最近の深夜アニメなどは、地元の局で放送しておらずCSで観ている人も多いと思うが、キッズステーションやANIMAXでは、EDフリップはともかく提供は絶望的だろう。
 だから、観るかどうかはともかく、テレビアニメは出来るだけ自分の住む地域で放映して欲しいし、それがダメならせめてCSはAT-Xに来て欲しいと思っている。せっかく、色々なところにネタが入っていても、観られなくては損をした気分になってしまう。あくまでスポンサー付きの放送用として用意された提供部分がDVDに収録しにくいのはわかるが、せめてマイメロのように映像特典としてでも収録して欲しいし、できれば「提供あり」「提供無し」の2種類の再生方法を用意して欲しいくらいだが、さすがにこれは需要はないだろうな。

 なお、提供等の小ネタまで楽しもうと言う気持ちになるのは、あくまで自分が気に入った作品であり、本編がつまらなかった場合は、提供にネタがあっても「こんな所に無駄に力を入れず、まずは本編を何とかしてくれ」と思ってしまうので、少なくとも私にとっては逆効果だ。
 何はともあれ、これからも本編・オマケともに面白い作品が観られる事を期待している。
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鈴置洋孝氏、死去

 8月6日、声優の鈴置洋孝氏が肺ガンのため、死去された
 この件については、10日の時点で上京及びオフ会の準備がてらネットをチェックしていたところ、第一報を目にしたのだが、出かける直前のタイミングだったため、ブログで取り上げるのが遅くなってしまった。

 鈴置氏と言えば、多くの人が「機動戦士ガンダム」シリーズのブライト・ノアを、最初に思い浮かべる事だろう。ブライトは最初のテレビシリーズから映画「逆襲のシャア」まで途切れることなく登場しており、間違いなく鈴置氏の代表作だと言える。
 しかし、個人的にはブライト艦長よりも「タイムボカンシリーズ 逆転イッパツマン」のナレーターが、最も印象深い。タイムボカンシリーズのナレーターは「ヤットデタマン」までずっと、故・富山敬氏が担当していたのだが「イッパツマン」では富山氏が主役の豪速九を演じる事になったため、新たなナレーターとして鈴置氏が起用されたのだ。
 タイムボカンシリーズのナレーターは、三悪と並んで陰の主役と言える重要な役どころであり、富山氏のイメージが視聴者に浸透していたので、鈴置氏はさぞ苦労された事だろう。実際、私も富山節にすっかり馴染んでいたので「イッパツマン」が始まった頃は、どうしても違和感が拭えなかった。それが、回が進むに連れて、富山氏とはまた異なる軽快な喋りがだんだんと馴染んできて、特に番組終盤での三悪への語りかけを聞くのが毎回の楽しみとなっていた。また、鈴置氏のちょっとクールな感じの声は、シリーズ後半のハードな展開にはよく合っており、次回予告の締めに毎回使われていた「絶対見逃せないぞっ、ナッ!」も、鈴置氏ならではの味があった。
 画面から声だけが聞こえ、キャラクターとして描かれる事のないナレーターだが、忘れられない強い印象が残っている。「ゼンダマン」で富山敬氏をモデルにしたキャラクター「トミー・ヤマ」が登場したように、鈴置氏を元にしたキャラクターも出していただきたかったものだ。なお、鈴置氏はナレーターの他に「スパイ000」と言う悪役も演じておられた。このキャラは、隠球四郎の部下としてたびたび暗躍していたものの最終回ではあっけなく倒されており、本放送当時は子供心に可哀想だと思ったものだ。
 ともかく、鈴置氏の声があってこそ、シリーズ中では異色の作品として「逆転イッパツマン」が成り立っていたのだと思う。

 個人的に思い入れの強い「イッパツマン」について長々と書いてしまったが、もちろんブライトや「ドラゴンボール」の天津飯、「宇宙の騎士テッカマンブレード」のフリーマンなど、他にも様々なキャラが思い出される。最近(と言っても8年前だが)では「アキハバラ電脳組」の校長(竜ヶ崎鷲羽)の、あからさまに胡散臭い演技が印象的だった。
 ここ数年は、テレビアニメで声を聞く機会は少なかったが、それでも耳に馴染んだ好きな声だった事に変わりはない。今後は新しい演技を聴けなくなると思うと、非常に寂しい。心から、ご冥福をお祈りします。
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オフ会ご報告など

 8月の遠征第2弾。10日夜のムーンライトながらで名古屋を出発して、11・12日と東京へ行ってきた。コミケ参加は例年通りなのだが、二日目の土曜日には私が主催しての「ドラちゃんのおへや」オフ会を開催したので、ちょっといつもとは違う上京となった。

 今回は、オフ会の報告を中心に、この二日間の事を書いておく。



★8月11日(金)

 いつもどおりに夜行で東京入り。午前中は秋葉原をぶらついていた。
 某店では「涼宮ハルヒの憂鬱」DVDの限定版(「朝比奈ミクルの冒険 Episode00」および第1巻)の中古品に1万円以上の値段が付けられていた。限定版がすぐに売り切れたのは知っていたが、ちょっとやりすぎだと思う。ちなみに、名古屋では「朝比奈ミクルの冒険 Episode00」発売一週間後には、某店で約5,000円と微妙にプレミアが付いていた。最近の値段は未確認だが、名古屋でも秋葉原並みの値段になっていたら、ちょっとイヤだ。
 秋葉原では、CDを新品・中古で何枚か購入。中古の場合、高いものは呆れるくらい高くなっているが、逆に安い物は投げ売り状態で、今回はそのパターンでお得な物もあった。

 昼食をとって、ビッグサイトに移動。
 西と東をいったり来たりするのは疲れるので、まず企業ブースをざっと回ってから、東へと移った。東では最初に「ネオ・ユートピア」に顔を出したが、14時頃には既に会誌の最新号が品切れとなっていて驚いた。少なくとも、ここ数年このような事はなかったはずだ。まあ、2,3日待てば郵送されるものなので、しばらく我慢するしかない。
 その後、目当てのサークルおよび気になるジャンルをチェックしてから、終了少し前に再びNUブースに戻って、待ち合わせていた知人と合流。この日は、藤子度低めの小オフ会を5人で行った。最後、私を含めて残った三人で、1時間だけカラオケに行ったのだが、短時間で人数が少ない割りには変に盛り上がった。まさか「友情物語・男子(?)バージョン」を、男三人で歌う事になろうとは思わなかった。



★8月12日(土)

 そして、いよいよ12日。私にとってはこの日が本番だ。少し遅い朝食を取って、ネットカフェでメール・掲示板をチェックした後、オフ会集合場所の新橋駅まで行き、まずは開催場所のルノアールまで道順の確認がてら下見に行った。
 その後、12時から集合場所に待機した。この集合場所も初めて使ったのだが、実際に行ってみるとイマイチ分かりにくい。しかも、私は携帯を持っておらず、現地で連絡を取る事が出来ないので、きちんと集まれるか不安だったのだが、一名の方を除いて何とか12時30分過ぎには集まる事が出来た。遅れた方も、直接ルノアールに来られた。

 ルノアールに着いたのは12時45分頃で少し早めだったが、そのまま入店する事が出来た。
 今回、オフ会向けに、特にテーマを事前に用意していたわけではないが、漫画・アニメ共に最近のトピックから過去の思い出まで話題は尽きることなく、またオフ会用に資料やグッズ等を持参して来られた方もいて、自然と話が弾んだ。個人的には「エスパー魔美」アニメ放映当時のアニメ誌と、その切り抜きを見せていただけたのが嬉しかった。
 参加者が私を含めて10人いたので、全ての話題を把握してはいないが、私の覚えている範囲では、「魔美」DVD-BOXやドラミ新声優、来年の新作映画など最近の話題から、テレビ朝日で放送していた「驚き桃の木20世紀」の藤子先生絡みの回の話、「建設巨神イエオン」談義、それに帯番組時代のシンエイ藤子アニメ放送終了後に流れていた鬱CM(?)の思い出など、実に色々な話をする事が出来た。また、ここでは書けない、ちょっとヤバ目のネタもありました。

 あっという間の3時間が過ぎて、1次会は終了。ここで、お一人がご都合で帰られた。残った9人+途中合流1人で、2次会のカラオケ(兼・食事)に、突入。ルノアールの向かいにパセラがあって、非常に都合が良かった。
 カラオケは、最初の1時間半ほどは皆が自然に藤子絡みの曲を歌っていた。あえて「藤子しばり」をかけたとしても十分に時間がもったと思うが、いつの間にか第2部(?)に突入。藤子曲もたまに交えながら、各々が好きな曲を歌っていたが、古い特撮から最近のアニメソング・一般曲まで何でもありで、まさにカオス状態だったにもかかわらず、不思議と盛り上がった。
 最初、カラオケは3時間の予定だったが1時間延長して、結局20時過ぎに終了した。私の帰りの新幹線(珍しくムーンライトながらではない)の都合があったので、ここでお開きとさせていただいた。
 とりあえず、私自身は今回のオフ会はうまくいったと感じました。私だけでなく、参加された皆さんに楽しかったと思っていただければ、これに勝る喜びはありません。



 さて、今までにも掲示板で告知してオフ会を行った事はあったが、今回は思い切って大々的に参加者を募集しようと思ってオフ会用の掲示板も作り、他のドラ・藤子サイトの掲示板にも告知を書き込ませていただいた。また、「MISTTIMES.com Blog」と「藤子不二雄ファンはここにいる」でも紹介して頂いた。皆さん、ご協力感謝いたします。
 開催が8月の真ん中と言う事で、何人の方に参加していただけるか心配だったのだが、最終的には私を含めて10人となった。皆さんそれぞれ、ドラ・藤子に関してこだわりと思い入れを持った方々で、お話しをしているだけで楽しかった。主催者でありながら、思いっきり楽しませていただき、ちょっと申し訳ないくらいだ。
 振り返ってみると、携帯の件など不手際もあったし、当日ちょっともたついた部分もあった。これらの問題点については、今後オフ会を再び開催する時に生かしていきたい。まずは、そろそろ携帯くらいは持った方が良さそうだ。電話以外にも色々と使えるようだし。
 何はともあれ、今回参加してくださった皆さんには、あらためて御礼を申し上げたいと思います。本当に、ありがとうございました。
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京都・大山のぶ代さんサイン会に参加

 以前にちょっと書いたが、8月は毎週末に遠出する予定があり、一週おきに関東と関西に出かけるので、かなりのハードスケジュールになりそうだ。

 本日は、その第1弾として「藤子・F・不二雄FAN CLUB」の河井質店さん、「藤子不二雄ファンはここにいる」のkoikesanさんのお二人と、京都で開催された「ぼく、ドラえもんでした。涙と笑いの26年うちあけ話」発売記念・大山のぶ代サイン会に参加してきた。


 午前中に名古屋を出発して、開催場所のダイヤモンドシティに着いたのが、13時頃。書店の前にはサイン会用のスペースと思われる場所があったが、まだ何も用意もされていなかったので、とりあえず食事をとって時間を潰し、た。そして、しばらくすると予想通りの場所に机が置かれて、サイン会参加者の行列も出来はじめた。我々は、いち早く反応したので、列のかなり前の方に並ぶ事が出来た。
 約20分ほど待って14時になり、いよいよ大山さんが登場した。列の先頭近くだったので、すぐに私の番となったが、いざ大山さんを目の前にすると何をお話ししていいか迷ってしまった。結局「幼稚園児の頃、日曜朝に放送していた時に「ドラえもん」を観て以来のファンです」と、ありきたりの言葉になってしまったが、これに対して大山さんは「あの頃は、日曜の朝に早起きする子供が増えたのよ」と、返して下さった。

 東京のサイン会では、サインの他に一人ずつ名前か名字を入れていたと聞いたが、さすがにそれは大変だったのか、今回はサインのみだった。本音を言うと、名前入りのサインは欲しかったが、東京ではサイン会終了までに相当の時間がかかったそうなので、仕方がなかったのだろう。


 サインをして貰った後、休憩して時間を潰して再び会場に行ってみると、待機列はかなり短くなっていた。会場の横からそっと様子をうかがったが、200回近いサインのせいか、さすがに大山さんは疲れ気味に見えた。そして、15時40分頃に最後の一人が終わり、サイン会は終了。拍手の中、大山さんは退場された。

 一人あたりの時間は短かったが、26年間にわたってドラえもんとしての声を聞き続けてきた大山さんと、初めてお話しする事が出来て、感激した。そして、これまでは遠い存在で、映画の舞台挨拶などで姿を見ただけだった大山さんが目の前にいるという事実をかみしめていると、何とも言えない不思議な気分になった。いずれにせよ、大変素晴らしい時間だった。大山さん、ありがとうございました。


 なお、今回のサイン会は、事前に「ぼく、ドラえもんでした。」を開催場所の大垣書店で購入して整理券を受け取る方式だったので、整理券のためだけに京都に行くのも大変だし、かと言って当日では既に整理券はなくなっているだろうと、参加について悩んでいたのだが、そんな時に河井質店さんが「整理券は先に貰ってくるので一緒に行きませんか」と、誘って下さったのだ。
 実際に、現地で書店の様子を見たところ、やはり200枚の整理券はすべてはけてしまっていた。いきなり当日に来ていたら、大山さんの姿を遠くから見ただけで終わっていただろう。整理券を確保して下さった河井質店さんには、感謝の気持ちで一杯だ。

 また、koikesanさんは東京のサイン会にも参加されているので、名前入りと名前無しの二種類のサイン本をお持ちだと言う事になる。これは、ちょっとうらやましい。

 ともかく、藤子ファン仲間と一緒にサイン会に行った事で、より楽しい時間を過ごす事が出来た。昨日はテンションが下がり気味と書いたが、サイン会のおかげでまた藤子絡みのテンションも上がってきた。とりあえず、来週のオフ会は何としても成功させたい。まだ参加者は募集中なので、ぜひよろしくお願いします。
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「エスパー魔美」DVD-BOXに思う事

 ここのところ、どうも毎日テンションが下がり気味だ。
 これは、決して梅雨明け以降続いている暑さのせいだけではない。はっきり書いてしまうが、今年になってから続いているアニメ「ドラえもん」の変な企画と、結局不完全な仕様で発売された「エスパー魔美」DVD-BOXのために、特に藤子不二雄絡みのテンションが下がってしまっている。そのため、ぴかコミドラや「みきお」文庫化の話題も、まだ当ブログで取り上げていない。
 アニメドラの企画については、いずれまたじっくりと取り上げるとして、今回は「魔美」DVD-BOXについて、改めて書いてみたい。

 「魔美」DVD-BOXに次回予告が収録されない件についての失望は以前に書いた記事を読んでいただきたい。その上で、私が「魔美」DVD-BOXにどれだけ期待していたかを、さらに書いておく。


 まず、アニメ「エスパー魔美」という作品の位置づけだが、本作はシンエイ藤子アニメで初めて毎回30分1話完結で作られ、なおかつそれまでの作品よりは高年齢向けであり、藤子アニメのターニング・ポイントと言っていい存在だった。
 当時の藤子ファンサークル会誌に寄せられた投書を読むと、放映開始前には必ずしもアニメ化を歓迎する声ばかりではなく、「シンエイには「魔美」を作って欲しくない」とまで言う人もいたが、実際に放送された「魔美」は、原作ファンにも納得できる丁寧な作りの良作であり、アニメ「魔美」は、藤子ファンからも、概ね高い評価を得た。
 さらに、藤子ファンや本来の視聴者である子供だけでなく、いわゆる「アニメファン」層にも好評を持って迎えられており、「アニメージュ」で行われていた「アニメグランプリ」のサブタイトル部門では第18話「サマードッグ」が20位までにランクインした(結果掲載誌が手元にないため正確な順位は未確認)し、最終回を迎えた時にも記事が組まれた。
 「エスパー魔美」は藤子アニメの枠を超えて、多くの人に愛されていた作品であり、もちろん作品自体の出来も素晴らしかったのだ。


 これほどの作品なのだから、制作会社のシンエイ動画にとっても、「エスパー魔美」全119話+SP1話は、貴重な財産であるはずだ。だからこそ、今回のDVDがシンエイ動画(およびフロンティアワークス)から直々に発売されると知り、さらにネット上の特設サイトでは、当初「Complete BOX」を謳っていた事から、さぞかし充実した内容になるのだろうと、今から思えば過剰なまでの期待を抱いてしまった。

 ちなみに、仕様が発表される前に私が想像していた収録内容を書いてみると、


・OP、本編、ED、次回予告は、各話対応で完全に収録
・「藤子不二雄ワイド」のOP・ED・ブリッジも収録
・特番用に作られたブリッジアニメも発掘
・パイロットフィルム及び新番組予告も特典として収録
・BOXイラスト及びジャケットイラストは全て描き下ろし
・当時の資料やスタッフ・キャストの談話などを掲載した冊子が付属


と、このくらいの内容にはなると、本気で思っていたのだ。少なくとも、一番上は「コンプリート」を名乗る以上、当然の事だろう。だからこそ、実際の収録内容を知った時の落胆は大きかった。もっとも、現在は「コンプリート」を取り下げているのだから、今さら突っ込む事が筋違いだとは分かっている。しかし、分かってはいても、書かずにはいられない。


 それでも、予告の未収録が発表された時を振り返ってみると、憤慨しながらも、抗議の声を起こす事でメーカー側が考え直してくれるのではないかと淡い期待を抱いていたし、実際にフロンティアワークスにメールを出したところ、「次回予告は収録できるよう検討中、サイトで随時告知する」(大意)と言う返事を貰ったので、遅くても上巻の発売前には何らかの告知があるものと、発表を待っていた。

 にも関わらず、予告に関しての告知が無いまま発売日の8月4日を迎え、当初の予定通りに上巻が発売されてしまった。こちらでに紹介されているが、仕様書に、次回予告は上下巻連動の特典に収録される事が告知されているようだ。結局、上巻を買って、はじめて予告の処遇が分かる仕組みになっていたわけで、メーカーの姿勢への疑問点が、また一つ増えてしまった(追記:現在では公式サイトにもこの情報は載っている)。

 さらに、1~27話のOPも本放送そのままではなく、冒頭に「原作 藤子・F・不二雄」の表記を新たに入れているとの事。27話までは「藤子不二雄ワイド」内での放送だったため、原作者名は「ワイド」OPで出ており、そのため各作品のOPではクレジットされなかった事は知っているが、この処置も実に中途半端だ。
 原作者だけではなく、録音監督・編集・現像などのスタッフも「ワイド」EDでクレジットされており「魔美」1~27話のOPに名前は出ないのだから、それらのスタッフをまとめて別に表示するべきだと思う。


 本編の収録内容だけでも、これだけ色々と書けるのだが、それだけに留まらず、新たな情報も入ってきた。下巻の特典として、桃井はるこが歌う「エスパー魔美」をイメージした完全オリジナルソングが付くそうだ。
 上巻特典の植田佳奈も意図や対象がよく分からなかったが、それでも「テレポーテーション」のカバーなので、まだギリギリ「魔美」DVDの特典としては理解できた。しかし、今回の「完全オリジナルソング」は一体なんなのだ。初めから「魔美」と直接の関係はないと言っているのと同じだろう。
 植田佳奈や桃井はるこを起用するあたり、おそらく本放送世代ではなく今の若いアニメファンを取り込もうとしているのだろうが、本放送からのファンや原作ファンは欲しがらないだろうし、逆に植田ファンや桃井ファンが、この歌だけのためにDVD-BOXを買うとも思えない。どうしても「二兎を追う者一兎をも得ず」の言葉が脳裏に浮かんでしまう。
 こう言ったお遊び企画は、本体をきっちり作った上でやるのであれば文句を言う気はないが、次回予告すら収録できない状況では、労力の使い道を間違っているとしか思えない。何を考えているのか、DVD-BOXの制作スタッフには、ぜひ話を聞いてみたい。


 念のため繰り返し書いておくが、DVDがどんな仕様で発売されようが、アニメ「エスパー魔美」自体は、すばらしい作品だ。テレ朝チャンネルが受信できない環境で、予告の有無に関係なくぜひ観たいという人は買って損はないだろうし、そもそもDVDを買わない私がどうこう言う権利もない。ぜひ、アニメ「魔美」の世界を堪能していただきたい。

 しかし、私自身は「魔美」DVD-BOXに関しては、完全に冷めてしまった。連動特典で予告が収録されると言われても、もはや買う気にはなれない。
 昔、ビデオやLDでは不完全な状態でソフト化された作品が、DVDではより良い内容で発売された例も、多々ある。「エスパー魔美」も、次世代メディアではより充実した内容のBOXが発売される事を、願いたい。



(追記)

 ネット上で色々な人の意見を読んでいると、どうも私の「魔美」DVD-BOXへの考えが誤解されてしまう恐れもあるように感じたので、繰り返しになってしまうが、念のためにもう一度思うところを書いておく。

 今までの当ブログの記事を読まれた方には分かって頂けているだろうが、私にとって、「魔美」の「作品」としての評価と、DVD化された「商品」としての評価は、全く別だ。テレビアニメ作品としての「魔美」は、シリーズ通して高い水準のすばらしい作品だと思ってる。OPやED・予告があろうが無かろうが、本編だけで十分作品としては満足できる出来だ。

 しかし、以前の記事の繰り返しになってしまうが、極端に言ってしまうと本編の出来とは別次元で、本放送と再放送ででOP→本編→ED→次回予告という流れで、一まとまりの「テレビ番組」として何度も観ている以上、どうしてもそれをもう一度観たいと思ってしまうのだ。
 完全に素材がなくなっていて、次回予告の収録は全く不可能だと言うのならば、それはそれで割り切る事も出来たが、後になって「特典ディスクに予約を収録」と発表しているのだ。全話分の予告が揃っているかどうかどうかは不明だが「探せば見つかる」物であるのにも関わらず、最初は収録予定がなかったとなると、DVDの製作体制に問題があると考えざるを得ない。

 また、記事本文にあるDVD-BOX発売決定当初の過剰な期待の記述も、誤解を招くかも知れないが、本当の意味で「Complete」なDVD-BOXを作る事が不可能に近いのは、わかっている。他のアニメでもよくあるが、放送の都合で作られた短縮版や特番用の予告などは、DVDに収録されていない場合も多いのだ。それらのバージョン違いを全て集めるとなると、きりがないだろう。しかし、標準的なバージョンの予告すら入っていないとなると、話は別だ。
 商品として発売するからには、より多くの人を満足させる内容にするのはプロの仕事として当然の事だ。予告収録に関する二転三転を見る限り、それが出来ないように見えてしまったからこそ今回の記事を書いたのだ。

 この2ヶ月ほど、「魔美」BOXの仕様について、ブログや掲示板で様々な意見を目にしてきた。私と同様に買わないと言う人もいれば、予告が無くてもせっかくの「魔美」DVDだから買いたいという人もいて、あらためて人それぞれ、考え方は様々だと言う事を実感した。
 それらの意見を読んでいて残念に思ったのは、自分と逆の立場の人間を非難するような発言が、しばしば見られた点だ。私はDVDを購入しないが、だからと言って他の人に「買うな」と言うつもりは全然無いし、逆に購入組から「今更買わないなんてどういう事だ」と責められるいわれも無いと思っている。購入するかどうかは各人の自由のはずだし、何よりこんな事で「魔美」ファン同士がいがみ合っても不毛なだけだ。自分自身、前回の記事の時は結構興奮していたので大きな事は言えないが、皆さん落ち着きましょうと言わせて頂きたい。
 なお、メーカーに対しては結構きつめの事を言っているが、これは消費者側(買ってはいないが)としては当然の権利だと思っており、考えを変えるつもりはない。逆に、この内容で「よくやって下さいました」と書いたらイヤミになってしまうし、数多く出ている他作品のDVD-BOX制作者に失礼だ(とは言うものの、あまりに挑発的な部分は、多少マイルドな表現に直しました)。
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